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大阪市営バスの路線系統について一つレポートを書いてみたくなった。

今回は、大阪市街地を南北に縦断する長距離路線、【62】系統についてエントリーする。

運行経路は、

大阪駅前~淀屋橋(市役所前)~天満橋~京阪東口~大阪城大手前~上本町六丁目~上本町九丁目~天王寺警察署前~あべの橋~松虫~北畠公園前~播磨町~万代東二丁目~府立総合医療センター~住吉車庫前


で、土佐堀通(京阪電車の上)~上町筋~谷町筋~あべの筋を走行する。大阪駅前~淀屋橋間は御堂筋・四ツ橋筋が一方通行のため、南行き(梅田新道、御堂筋経由)と北行き(肥後橋から四ツ橋筋経由)では運行経路・バス停が異なっている。

「京阪東口」は交差点の名称でもあって、かつて天満橋駅が京阪電車の地上ターミナルであったときの名残だ。すなわち、ここに京阪天満橋駅東口の降車用改札口があって、大阪市電・バスに乗り換えていた。現在、京阪東口にはOMMビルが立地している。天満橋・大手前周辺は大阪府庁を核とする官庁街で、名門・大手前高校もある。大阪城公園の西側の入口にも面している。

天満橋~あべの橋(天王寺駅)間は地下鉄谷町線と並行しているが、バスは谷町筋の一つ東側、京阪東口から上町筋に入って、地下鉄から少し離れた上町地域をカバーしている。谷町線(谷町九丁目)と近鉄上本町駅(上本町六丁目)の乗り換えは意外に不便で、長い地下通路を歩かされる。近鉄上本町駅へは、谷町線よりも市バス【62】系統などのほうが意外に便利で、乗り降りがラク(路面電車も同様)だし、車窓から町の景色を楽しめるのが何よりだろう。

あべの橋(天王寺駅前)から松虫付近までは阪堺電車上町線の軌道併用区間だ。阪神高速松原線とアンダークロスする阿倍野交差点より、谷町線は南から南東に向きを変え、高速松原線の真下に沿って平野・喜連瓜破方面、八尾南に至る。かつて、上町線の阿倍野駅から平野線(南海)が分岐して谷町線延伸区間に沿って平野を結んでいたが、八尾南開業と同時に廃止された(阪堺電車はかつて南海電鉄直営の軌道線だった。平野線廃止後、軌道線を経営分離して阪堺電車となる)。

谷町筋~阿倍野筋は大阪府道30号線(大阪和泉泉南線)の指定区間に含まれており、大阪市北区(国道1号線東天満交差点が起点)から泉南市まで45km以上に及ぶ。熊野街道の流れを継承している(熊野街道の起点は天満橋)。阿倍野筋の西側には帝塚山で知られる閑静な高級住宅街がある。阪堺上町線は帝塚山界隈を通って、住吉神社前で阪堺線に合流し、我孫子道・浜寺公園まで直通する。

市バス【62】系統は阿倍野筋をひたすら南下し、やがて終点・住吉車庫に到着、梅田・大阪駅前からの小旅行を終える。阿倍野筋こと府道30号線はこの先、大和川を渡って南海堺東駅前などを経て、鳳付近からJR阪和線に寄り添いながら和泉府中・熊取・日根野方面に至る。堺東駅前~鳳間には南海バスのシャトルバスが専用車両でピストン運行されている。

【62】系統は住吉営業所が主に担当しており、運用車両については、少し前まで日産ディーゼル(富士重ボディ)や日野が多かったように記憶しているが、最近は三菱エアロスターなどもよく見かける。利用状況が堅調で終日運行本数は多い。特にあべの橋付近では混雑しやすいようだ。全区間乗車すれば1時間はかかるだろう。