京阪バス過去路線について一つレポートする。

今回は【22】号経路・<京阪淀~阪急桂駅前>

運行経路は、

京阪淀~横大路~(国道1号線)~東寺南門~七条大宮~(七条通)~桂大橋~阪急桂駅前

京都市南部の郊外どうし(伏見区~西京区)を結ぶ面白い路線系統で、同じ淀発着の【23】号経路などとは異なり、京都駅前は経由せずだった。桂駅前では現在の京阪京都交通と同じ東口からの発着だった。

淀桂線の設定当初は淀営業所(廃止)が担当していたものと思われ、その後洛南営業所の担当となるが、1985年12月以降枚方営業所に移管され、10年後の1995年12月に廃止される。他の淀・京都市南部地区路線と異なり、子会社の京阪シティバスに移管されることなく消滅。その後、京阪シティバスはグループ会社再編により2014年に廃止され、淀~大久保~宇治方面系統は京都京阪バス(旧・京阪宇治バス)に一本化、残り(淀~山崎・竹田・京都駅方面)は京阪バス直轄に復帰する。京阪バス移管後、京田辺営業所が担当することになるが、本年3月より男山営業所に持ち替わる。

この淀桂線系統は、京阪バスグループの歴史を語る上で何気に意味深いものがある。

淀桂線廃止後、京阪バス一般路線としては西京区・桂方面から撤退したことになる。
一方、桂・洛西・亀岡地域および福知山・舞鶴までの京都府中部をカバーする京都交通バスは経営悪化が進んで2004年に更正手続きを開始、園部以南の路線は京阪バスグループが運営することに決まり、2005年新会社「京阪京都交通」が発足する(北部の福知山・舞鶴方面は日本交通グループ傘下の「京都交通」として再スタート)。これにより、京阪京都交通の車両は京阪バスカラーへの統一が進み、桂駅前(東口)にも京阪バスカラーの車両が終日出入りするようになる。京阪バス淀桂線撤退後、10年ぶりに桂地区に京阪バスが事実上復活するようなものだった。

さらに言えば、この近隣地域では阪急バス(大山崎営業所、東向日出張所)もカバー、西京区の桂や洛西NTにも足を伸ばしているが(桂への乗り入れは撤退)、阪急京都線の歴史的経緯(新京阪)から、こちらも元は京阪バスだった。

実は、京阪バスと旧・京都交通は昔からいろんな関係がある。
京都交通の前身、丹波交通は確か京阪バス(京阪自動車)も出資していたようだし、京阪バス中古車が京都交通に移籍する例は昔から多く、現在も京阪バス色のまま京阪京都交通に移籍するのは日常茶飯事だ。また、淀桂線の通る七条通には京都駅~阪急桂駅前~亀岡方面の路線系統も通っており、まさかこの路線に京阪バス色の車両が現われるとは夢にも思わなかった。