関西のバスで富士重ボディ採用率の高い地域は京都・滋賀、採用率の低いところは兵庫県と奈良県であり、特に兵庫県では西工ボディの採用率が高い一方、奈良県においては奈良交通のほぼ独壇場ゆえ西工はゼロで、しかも国鉄バスを除いて三菱車は皆無、という分布状況だった。

さて、大阪府についてはどうか?

まず、大阪市営バスで比較的多く富士重ボディを採用していた。
1970年代までは富士重(3E)+日野も購入していたが、南部の住吉・長原営業所で富士重+日産ディーゼルが多く、1990年代半ばの富士重7Eの世代まで続いた。末期にはなぜか北部の福島区方面で活躍していた。

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晩年は北部方面へ転じた大阪市営・富士重7E(U-UA440系)

一方、大阪市営バスでは他の公営と同様、西工車体も多く導入しており、爆音車で有名な日野RTにモノコック西工53MCを架装するといった特色ある車両も多かったようだ。西工架装の日産ディーゼルも納入していた。


大阪市営バスのほか、京阪バスでも1982年まで富士重3E架装の日野・三菱を導入していた。日野車については、冷房車導入以降のRE121系は香里団地・交野営業所、RC301系は枚方・門真営業所に分布していたものと記憶している。三菱車は、非冷房のMR470は枚方・門真営業所、冷房車のMP118は枚方営業所に集中配置されたほか、高槻にもMP117が1台ほど配置されていた。

1983年の5E以降は京阪バスでは導入されなかったが(京阪宇治交通からの編入を除く)、2000年に中型8E(日産ディーゼル)が寝屋川営業所(社番W-5003)に1台だけ配備された。晩年は男山に転属し、特定専用に従事していた。

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京阪バス寝屋川に1台だけ配置された富士重中型車W-5003


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京阪宇治交通から京阪バスに譲渡された富士重7E
もともとくずは・男山地区ではあまり馴染みのない車両だが
晩年は新田辺から【31】【67D】で樟葉駅に乗り入れることも多かった


このほか、貝塚市の水間鉄道でも富士重を納入していた。