大阪と飛騨高山を東海道本線・高山本線で結んでいた気動車急行「たかやま」。
いわば「大阪ひだ」の前身であり、現在はJR東海のキハ85系で運転されています。
東海道本線米原を越える定期列車は、去年まで「大阪しなの」や姫路方面~大垣直通の普通電車もあったが、現在「サンライズ出雲・瀬戸」とこの「ひだ」の2往復のみです。
さて、急行「たかやま」ですが、もちろんキハ58系で運転。
1987年の国鉄分割民営化以降もJR西日本・JR東海両エリアを跨いで運転される数少ない列車でした。
高山本線の特急「ひだ」および急行「のりくら」は1989~90年に新型キハ85系に全て置き換えられて「ひだ」に一本化、以降大阪からの「たかやま」が高山本線唯一の急行列車となります。
さすがに85系「ひだ」に比べて見劣りは隠せず、1991年に専用の編成を用意してリニュアル工事を受け、独自の車体カラーに改めるとともに車内は普通車も含めてリクライニング座席、優等列車として恥ずかしくない接客設備となります。観光利用が多いこともあってグリーン車(キロ28)も連結され、往年の気動車急行のラインナップをとどめます。
1996年の山陰本線京都口「丹後」廃止後、キロ連結の急行列車はこの「たかやま」と津山・因美線の「砂丘」(→「つやま」)のみに。「たかやま」もリニュアルを受けたとはいえ、さすがに老朽化は隠せず、1999年12月には特急「ひだ」に代替されました。
私も実は、急行「たかやま」に何度か乗車したことがあります。
ただし、全区間乗り通したというわけではなく、大阪行きで石山→京都間のみの短距離利用でした。
担当乗務員もJR東海の高山運輸区(車両はJR西日本京都総合車両所所属)で、いつも乗る電車(113・221・223系ほか)と違うヨソユキな雰囲気を感じました。古いDMH17H型気動車ということもあって加速が悪く、隣の内側線を併走する普通(→高槻から快速)・新快速電車に追い抜かれそうになったりで、これで急行料金を払うのはもちろん馬鹿馬鹿しいと言えるが、旅行気分を満喫する分には急行料金(520円~)は高くないと思う人もいたかもしれませんね。しかし、何よりも普通・新快速電車とはちがって、自由席も含めほぼ確実に座れるのは魅力でした(それだけ通常の利用客は多くないということだが)。
琵琶湖線(米原-京都間)を走る気動車急行といえば、「たかやま」のほか、1986年以前は草津線に入る「志摩」や「平安」もありましたが、確か石山には停車しなかったはず。
急行「たかやま」は、関西から飛騨路への観光客はもちろん、新幹線では不便な大阪・京都方面~大垣・岐阜間のビジネスや用務にも重宝されていたそうです。「大阪しなの」も廃止された今、「大阪ひだ」が関西と大垣・岐阜方面を結ぶ唯一の列車となりましたが、これもいつ廃止されるかわかりません。
コメント
コメント一覧 (4)
電車急行ですが1984年1月まで急行「比叡」が大阪〜名古屋で1本だけ残っていて
なくなる前年の夏に一度乗ったことがあります。
京都〜岐阜まではおよそ2時間弱でしたが、
いま仮に新快速を直通させても所要はこの程度と思われます。
JRになるまえの国鉄時代末期も今も共通していえることは
京阪神から米原以東(大垣・岐阜方面)は同じ東海道線で100km-200kmそこそこなのに
どういうわけか直通列車が極端にすくなく普通・快速系に至っては皆無、
そうした環境から「比叡」「たかやま」「しなの」といった列車が
急行・特急料金必要とはいえども長く支持されたのでしょう。
「大阪ひだ」がもしなくなっても関西〜飛騨方面は高速バスが1日4往復ありますが
関西〜大垣・岐阜はその高速バスすら10年あまりでなくなってしまったので
(京都〜岐阜は午前0時台発4時台着の夜行があるが実用性には疑問が残ります)
東海道線で繋がる近場の県庁所在地ながら電車もバスも直通全滅という情けない事態に...
名古屋へ行ってから戻るのも面倒ですし。
もし岐阜羽島が大垣市に開業していたら激変していたでしょう。
大阪ひだは存続して欲しいです。
朝、いつも草津駅にやってくる、たかやま号を見て乗ってみたいと思いながら、廃止されてしまい無念でした。当時、草津駅には特急停車はなく(まだ、はるか号が来ていない)、唯一の優等列車でした。草津駅では6番線停車でした。
1988年の時刻表では、「加越」「きらめき」が琵琶湖線経由・京都→金沢があったようです。
大津、草津停車
こちらこそいつもありがとうございます。
国鉄時代、草津駅に停車する特急は確かになかったと思います。
一部の急行列車も通過していたようですね(【銀河】【きたぐに】は通過していたはず)。