関西本線(大和路線)加茂・奈良から大阪環状線に直通する快速電車、「大和路快速」。

「大和路快速」の運転開始は1973年の関西本線奈良-湊町間電化開業のときだった。
したがって、本年で44周年を迎え、かなり年季の入った老舗列車だ。

大和路快速の走行経路は、

加茂・奈良-(大和路線)-天王寺-新今宮-(大阪環状線外回り)-大阪-京橋-天王寺

という、ユニークな「の」の字運転をしている。

時刻表上では「大阪行き」と記載されるが、実際には大阪駅から環状線をもう半周して京橋・鶴橋経由天王寺まで行くわけだ。ただし、大阪-京橋-天王寺間は各駅停車。
天王寺駅の環状線ホームで折り返し、今度は環状線内回りで一周してから大和路線に入り奈良方面へ戻る。

なぜこのような運転形態を取るのかといえば、大阪駅での折り返しが物理的に難しいためだ。
かつては環状線の電車も大阪駅折り返しがあったが、大和路快速に加え、関空・紀州路快速も乗り入れるようになった現在、大阪駅での折り返し列車は存在しない。

「大和路快速」運転開始の当初、113系赤帯が使用され、「快速・奈良-大阪」特製ヘッドマークを掲げ、大阪駅直通を大々的にPRしていた。
新設1年目は土曜・休日のみの運転だったが、翌年1974年7月より毎日運転(ただしデータイムのみ)となる。

国鉄からJRに変わり、1989年にはさっそく新型221系に置き換えられるとともに、列車種別も正式に「大和路快速」と命名されるようになる。

さらに、朝と夕方以降の時間帯には大和路線から環状線直通の「区間快速」(環状線内各駅停車)も設定、緑色103系のほか環状線用オレンジ色103・201系も使用される(→323系デビュー以降は221系に統一)。環状線用8両編成の電車がローカル色の濃い木津・加茂まで直通し、亀山行き気動車と接続するのはミスマッチだろう。

221系登場から28年が経過し、車両リニュアル工事が進められているが、そろそろ大和路快速の新しい顔を期待したいところだ。