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このたびの九州北部の集中豪雨により被災・避難された皆様にお見舞い申し上げます。

久大本線の橋梁が流出し、昨年の熊本地震で寸断されている豊肥本線とともに、九州内陸部を横断する交通網が麻痺状態です。一日も早い復旧そして復興をお祈り申し上げます。


さて、JR九州の415系について簡単にレポートしてみたいと思いました。

九州島内JR線の電化区間は、福岡市営地下鉄と直通している筑肥線を除いて、交流電化です。

かつて山陽新幹線開通前は、関門トンネルを潜り抜けて本州の山陽本線への直通運転が活発で、交直流両用の457系や485系、583系などが行き来していましたが、新幹線博多開通後、九州の優等列車は夜行・寝台および(主に山陰方面への)気動車を除いて、本州乗り入れがなくなったため、基本的に交流専用の電車で用が足りるようになりました。実際、485系は交直流切り替えスイッチを使用停止にし、実質的に交流専用として使用されるようになりましたが、国鉄末期~JR初期の一時期、「にちりん」の下関乗り入れが設定され、久しぶりに直流区間乗り入れを果たしたこともありました(運転開始当初、交直流切り替えスイッチをめぐってハプニングが起こったエピソードがある)。

福岡・北九州・熊本・大分などの都市圏近郊輸送向けには交直両用の近郊型電車421系や415系などが使用されてきました。彼らも10年ほど前まで、関門トンネルを抜けて下関から山陽本線新山口まで直通していました。

しかし、JR会社境界をまたぐ在来線列車が年々減らされ、九州と本州をまたぐ列車も例外ではありません。東京・大阪方面からの寝台特急は2009年全廃となりました。

JR九州の新型電車は既に700もしくは800代の形式を名乗り、九州島内の交流電化区間専用を前提としています。485系や475系は老朽化で引退しており、交直流両用の電車は415系のみが残っています。近年、JR東日本の常磐線にE531系の大量投入で玉突きとなった415系が新たに加わりました。

しかし、415系も製造から40年以上経過しており、今後の予断は許せません。
415系は現在、日豊本線および交直流切り替えの関門トンネル区間などで運用中ですが、気になるのは関門区間の今後。
415系の老朽化による引退後、関門区間に充てる車両としては気動車もしくは蓄電池電車あたりが考えられそうです。コストの高い交直両用電車を新規で製造することはちょっと考えにくいですね。