阪急伊丹線は神戸本線塚口駅から北へ分岐して伊丹を結ぶ支線です。
東側にJR福知山線(宝塚線)と並行しているが、JR沿線は工業地帯の中を通るのに対し、阪急伊丹線のほうは閑静な住宅地で、伊丹市の中心部は阪急伊丹駅のほうが近いです。
この辺りの地域は「阪急平野」とも呼ばれ、もともと阪急のほうが国鉄・JRよりも賑やかでいわば「阪急信者」が深く根付いているところです。JR福知山線はかつて単線非電化のローカル線で阪神間ではまるで存在感がなかったかのようですが、ここ30年間あまり複線電化区間延伸やJR東西線開通に伴い、列車本数は大幅に増発、大阪・京都や学研都市線四条畷・木津方面への直通列車も多く、とても便利になりました。
これに対して、阪急伊丹線は塚口-伊丹間を4両編成の電車がピストン運行するのみとなっています。
今や伊丹市のターミナルは阪急よりもJRに重心が移りつつあると見られます。
イオンモール伊丹はJR伊丹駅とデッキで直結しています。
伊丹線は伊丹から先、宝塚への延伸構想もありました。
もともと阪神系列の宝塚尼崎電気鉄道が尼崎-西大島-宝塚間の鉄道免許を取得したことに始まるが、伊丹市街地を通るルートに変更を申請、阪急はこれへの牽制として伊丹線を延伸する形で塚口-尼崎間と伊丹-宝塚間の軌道特許を取得。
結局、宝塚への延伸は断念となったが(→阪急今津線がその役割を担っている)、代替として阪神バス尼崎宝塚線が尼宝電鉄の着工ルートで運行中です。
コメント
コメント一覧 (4)
かつては国鉄を圧倒していたのが民営化後JR側が近代化されてそちらに利用客が移ったあたりとか。
今はどちらも4両編成が線内をピストン運転していますし。
確かに京阪宇治線と境遇は似ているようですね。
阪神大震災で伊丹駅が倒壊して全線不通になった影響も大きいでしょう。
阪急よりもJRのほうが復旧が早いこともあって、阪神間の客はJRに奪い取られた様相でしょう。
ただし、伊丹線は現在のところワンマン運転は行われていないようです。
京阪宇治線はJR奈良線に六地蔵駅が開業したのも拍車がかかりましたね。
JR・地下鉄六地蔵駅は宇治市で0774ですが、
もしJR六地蔵駅が西へ数百mの位置だったら京都市伏見区なので東海道新幹線豊橋以東や山陽新幹線岡山以西へ行く時は奈良線をただ乗りできたのだが惜しまれます
(学研都市線の徳庵と同様にわずかな距離ながら市域外)。
京阪交野線も境遇は似ていますね。片町線(学研都市線)の四条畷~長尾は戦後間もなく電化されたものの1979年秋までは単線でしたし、複線化後も四条畷~長尾は普通のみ20分間隔で不便でした。
JRになってから快速を運行開始、さらには東西線開業で京阪交野線は交野市~私市間各駅の利用者が減りました。
京阪では本線野江~守口市間各駅が1977年の谷町線開業以来ずっと利用者の減少が続いているのも。
確かに京阪交野線も同じ境遇だと言えますね。
ただ、交野線は学研都市線とさほど競争にはなっていないようで、「おりひめ」「ひこぼし」も10年で廃止されました。
ただ、JR奈良線複線化や地下鉄谷町線の延伸などにより、京阪の利用者は侵食され続けているのは確かですね。梅田に乗り入れていないことも災いしているように思われます。