JR九州の筑肥線。

筑肥線は福岡市の姪浜と佐賀県の伊万里駅を博多湾~玄界灘に沿って結ぶ路線です。

この路線は、JR(九州)路線の中ではいろんな意味で異色の存在です。

まず、筑肥線は唐津付近を境に東西で全く違う性格を持っています。
姪浜-唐津-西唐津間は福岡市営地下鉄空港線(福岡空港・博多方面)と相互乗り入れして関係上、九州内のJR在来線では唯一の直流電化区間となっています。姪浜-筑前前原間は福岡市近郊の通勤路線で複線区間、都市鉄道そのもの。筑前前原-唐津-西唐津間は電化はされているものの単線区間となり、ローカル色が濃くなります。博多湾の浜辺に沿い景色の良いところです。福岡市交車が乗り入れるのも筑前前原・筑前深江までで、それより先、JR九州の直流通勤型電車(103系1500番台、303系、305系)の独壇場です。なお、唐津-西唐津間は正式には唐津線(久保田-西唐津間)の一部であり、唐津線は唐津-西唐津間のみ直流電化、他は非電化となっています。

筑肥線の残る西側、山本-伊万里間は内陸山間部の単線非電化のローカル線。唐津-山本間は唐津線で結ばれていて、筑肥線は分断された状態です。なお、この区間の列車は唐津・西唐津から発着しており、福岡空港・博多方面からの電車との接続が考慮されています。

かつては、筑肥線は博多駅から伊万里まで一本の非電化路線として成り立っていたが、博多-姪浜間は福岡市営地下鉄開通に合わせ1983年廃止。廃止前の博多-姪浜間は地下鉄福岡空港線とは異なる迂回ルートでした。姪浜-唐津-西唐津間は地下鉄乗り入れを前提に電化され、ローカル線から都市近郊鉄道に生まれ変わりました。電化に合わせて103系1500番台を新製、車体構造は当時量産中の201・203系、顔は105系という、東京・大阪を中心に活躍中の103系とは違うものでした。

電化と引き換えに、国鉄線としての博多駅乗り入れはなくなり、筑肥線は福岡市内の他の国鉄・JR線とは接続しない形となります。すなわち、「離れ孤島」状態。そのため、福岡市内の筑肥線各駅は国鉄・JR指定の「福岡市内の駅」から除外されました。