かつて、京阪京津線に ”通過する駅のない” 準急がありました。

京阪京津線の準急は1997年三条-御陵間廃止まで存在、停車駅は三条と御陵~浜大津間の各駅でした。準急通過駅のうち、東山三条・蹴上・日ノ岡は三条通上に設けられた電停タイプの駅で、ステップ付きの車両しか停車することができず、各駅停車(普通)には乗降扉ステップ付き80形電車を使用していました。

さて、「各駅に停車する準急」とは四宮-浜大津間のみに運転されていた準急のこと。朝と夜の時間帯に入出庫の関係で数本設定されていました。同じ区間のみを運転する「普通」もありました。停車駅が全く同じなのに「準急」と「普通」を区別する理由は、使用車両の違いだけでした。すなわち、「準急」は260・500・600形の2ドア車、「普通」は80形を使用するというもの。ちなみに、80形は主に三条-四宮間の普通運用をこなすが、早朝・深夜には浜大津まで乗り入れていました。

通過する駅がないことから、1987年ダイヤ改正で四宮-浜大津間区間運転の準急は「普通」に改められました。