1985年3月14日ダイヤ改正といえば、東北・上越新幹線上野開業。

新幹線上野乗り入れにより、東北本線や上越線の昼間優等列車は大幅削減、特に急行列車は軒並み廃止されました(185系使用の短距離「新特急」が登場しましたが)。このダイヤ改正では全国的に急行廃止ラッシュとなり、特急格上げもしくは列車そのものの消滅の動きが目立ちました。

優等列車・普通列車とも長距離列車削減の一方で、「広島シティ電車」に始まる地方都市圏での国電型ダイヤ(大幅な本数増発と等時間隔の運行)導入の動きがさらに深化し、2年後の分割民営化を意識したものとなったように思われます。

近畿圏~西日本を中心とする改正変更内容として次が挙げられます。


●新快速の新大阪停車

●東海道山陽本線快速電車の昼間時間帯高槻以東各駅停車化

●東海道山陽本線普通電車の昼間時間帯は201系に統一、一部は草津および加古川まで延長運転

●福知山線~山陰本線経由の特急<まつかぜ>は米子で系統分割(博多直通廃止)、米子-博多間には<いそかぜ>を新設

●福知山線客車列車を12系に置き換え

●山陰本線京都口普通列車の福知山以西直通廃止(系統分割)、京都-福知山間の旧型客車は50系などに置き換え

●大阪~姫新線の優等列車・急行<みささ><みまさか>は1往復に削減

●山陰本線西部の急行<さんべ>は気動車1往復のみに(臨時格下げとなった夜行便は廃止)

●北陸特急<雷鳥><しらさぎ>などの食堂車全廃

●急行<きたぐに>を583系電車に置き換え

●特急<白鳥>のうち福井~青森間の1往復(急行<しらゆき>の格上げ分)を系統分割

●北陸本線客車普通列車全廃(七尾線直通を除く)、413・419・457・475系などに置き換え

●急行<きのくに>(キハ58系)全廃 → 485系<くろしお>登場

●急行<紀州>(キハ58系)を特急<南紀>(キハ82系)に格上げ

●急行<はまゆう><平安>廃止

●関西本線(名古屋-奈良)の急行<かすが>は1往復に削減

●関西本線名古屋-亀山間普通電車は165系に

●関西本線(奈良-湊町)快速電車の一部を木津へ延長

●紀勢本線亀山-新宮間の旧型客車を50系に置き換え

●芸備線経由の陰陽連絡急行<ちどり>は1往復、広島-三次間の<みよし>を新設

●高山本線特急<ひだ>の富山直通は休止、代わりに名鉄からの<北アルプス>を富山直通とする

●名古屋-新潟間ロングラン急行<赤倉>(中央西線・篠ノ井線・信越本線経由)の松本以南廃止

●九州内気動車急行のグリーン車(キロ28)連結廃止

●長崎本線・佐世保線普通列車の電車化を進めるため715系電車(余剰となった583系を近郊型化改造)を投入

●寝台特急<あかつき>の筑豊本線経由廃止(筑豊本線唯一の優等列車だった)


このダイヤ改正に先行する形で、前年10月には奈良線・和歌山線全線の電化が開業しており、105系電車を投入して列車本数増発する一方、奈良・桜井・和歌山線経由の気動車急行<紀ノ川>は廃止されました。また、当時非電化だった片町線長尾-木津間にキハ58系が入るようになったのも1985年ダイヤ改正の頃からでした(関西・紀勢本線系統の気動車普通列車はキハ35系が多かったが、老朽化および急行列車廃止の余剰によりキハ58系を使用することが多くなった)。