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昭和の近鉄通勤車こと丸屋根通勤車を代表する8000系。

8000系は奈良・京都線用大型通勤車(20m車4ドア)として1964~80年の長期にわたって量産され、近鉄では最大の車両数(208両)を誇る形式でした。8000系の登場に先駆け、8000系と同じスタイルの900系が製造されました。900系は大阪方面への通勤客が急増し混雑の激しい奈良線の建築限界拡幅工事と新生駒トンネル開通に合わせ、それまで同線で使用されていた小型車(600・800・820系ほか)を置き換えることを目的に、4ドア20m車として製造。8000系は900系の増備車と位置づけられ、900系を8000系に編入する計画もありました。また、8000系をマイナーチェンジして後年登場した形式に8400・8600・8800系があります。近鉄最大の陣容を誇る8000系も経年による老朽化で大半は廃車されたが、2018年現在もまだ少しだけ現役です。

さて、8000系について一つ気になっているのは、コンプレッサー(CP)動作音。犬の遠吠えのような音で笑ってしまうものでした。600V時代の京阪の旧型車(2000系以前の車両)と近い感じ、というか、阪急2000・3000系シリーズとほぼ同じもので、昭和の関西私鉄をイメージする一つの懐かしいBGMですね。関西ではもはやめっきり聞かなくなった音だが、今も能勢電の1700系で聞くことができます(10年ほど前まで残っていた阪急2300系看板車も同じ)。




近鉄8000系のあの音も1990年代前半ごろまで聞くことが可能でした。しかし、車両更新に合わせて新型のCPに取り替えられてしまい、残念ながら聞けなくなりました。900系も登場当初は同じだったかと思うが、やはり新しいCPに交換されてしまいました(2002年全廃)。伊賀線(→伊賀鉄道)に転用された860系(元820系)ではもう少し遅くまで同型のCPが残っていたが、こちらも新しいものに交換。

8000系と同世代の大阪・名古屋・南大阪線用通勤車では、また違うタイプのCPだったようですが・・・。