このほど、神戸・川崎重工で和歌山・桜井線用227系1000番台が姿を現したと報告されています。

103系1000番台改造の105系が長年使用されている和歌山・桜井線ですが、227系1000番台の実物写真を見るや、感慨深いものがあります。

和歌山線や桜井線の歴史を振り返ると、ローカル線という位置づけもあって新型車両には恵まれた方とは言えません。非電化時代はキハ35系が主役だったし、電化後も113系非冷房車や103系改造の105系が回される始末です。

ただ、これらの路線に少数ながら純正な新車が投下されたことはあります。

まず、1980年桜井線と和歌山線王寺-五条間電化の名目で、関西本線(大和路線)快速用の113系2000番台の赤帯車6連×3本を追加。関西本線快速の113系は座席の狭い初期型ばかりで非冷房車も少なくなかっただけに、座席幅拡大・冷房付きの2000番台は多くの利用客に喜ばれたことでしょう。桜井線・和歌山線ローカル用には支線ということで主に113系4連の非冷房車が充てられたが、朝・夕には湊町(現・JR難波)から五条および桜井線経由奈良直通の快速電車が設定され、113系2000番台も充当されました(このほか、時間帯によっては線内普通でも6連の運用があり、2000番台も当然使用)。

時代が下がって1989年。この年はJR西日本初の本格的な新型車両221系が登場。3ドア・転換クロスシートで東海道・山陽本線の新快速・快速電車に加え、関西本線(大和路線)の大和路快速などにも投入、関西本線系統は同年夏までに113系を全て置き換えました。したがって桜井線・和歌山線直通の快速も221系に置き換えられ、JR西日本管内ではいち早く新型車両が営業運用に入ったことになります。その後、和歌山線では一時期、粉河や和歌山までの221系ロングラン運用もあったが、ワンマン化とともに221系の運用は五条以東に撤退。

来春の227系1000番台営業運用開始は221系登場からちょうど30年ですね。