北海道の駅名ネタについて一つ書いてみたいと思いました。

「南千歳」と「南平岸」について。

この似たような駅名について、面白い共通点があります。


まず、南千歳。

JR千歳線・石勝線の駅であり、新千歳空港駅への地下支線も分岐しています。
「南千歳」駅は、「千歳空港」駅として1980年10月千歳線電化と同日開業しました。
国鉄初の空港連絡駅であり、開通予定の石勝線の信号所を駅に格上げしたものです。
旧・千歳空港ターミナルと旧・千歳空港駅が連絡歩道橋で結ばれていました。

「千歳空港」駅開業は、北海道の国鉄・JRにとって歴史的な変革だったと言えます。
従来、本州・北海道連絡は青函航路利用を前提として、広域的な列車体系が組まれていました。しかし、東京・北海道間の旅客は大型航空機へ9割が移転、もはや国鉄には勝ち目がないと判断。そこで、本州・北海道連絡は航空機にお任せ、道内入りをする航空機利用客を取りこみ、札幌市方面をはじめ道内の国鉄だけでも利用してもらう営業戦略へ抜本的転換、函館中心から札幌に重心を置いた列車体系に刷新します。

「千歳空港」駅開業の翌年1981年、札幌と帯広・釧路など道東方面への短絡を目的に石勝線が開通。従来は滝川から根室本線に入り富良野経由で迂回していたのが、千歳空港駅から石勝線を経由、新得から根室本線に入ることにより、本州各方面から道東への利便性も確保され、一石二鳥と言えます。

1992年、新千歳空港併用開始に伴い、新旅客ターミナルビル開業。合わせて、旧・千歳空港駅から新千歳空港駅への分岐支線が開通、「千歳空港」駅は「南千歳」に改称されました。


次に南平岸。

札幌市営地下鉄南北線の駅名であり、元は「霊園前」として開業しました。

南北線は、1972年札幌五輪に合わせ、前年1971年に札幌の地下鉄で最初に開通した路線です。
南部郊外区間の南平岸-真駒内間は札幌地下鉄唯一の地上高架区間(旧・定山渓鉄道の廃線跡)で、車窓の西側からは藻岩山を眺望することもできるが、雪を防ぐためにシェルターで覆われ、独特の景観を形成しています。

「霊園前」という駅名となったのは、付近に市営平岸霊園があるため。

しかし、地元住民から「縁起が悪い」と不満の声も強かったようで、1994年10月東豊線福住延伸に合わせたダイヤ改正と同日に、「南平岸」に改称されました。
もしかしたら、2年前の「南千歳」改称を真似たんでしょうか(笑)?