近年の千葉県・房総半島をめぐる鉄道には、想像以上に厳しいものがあるようです。

かつては、夏に海水浴客で賑わい、非電化時代には全国各地から気動車を借り入れたり、ありとあらゆる車種を使ういわば「遜色急行」を大増発、また平成初期までは海水浴シーズンの特別ダイヤも設定されるなど、房総半島の国鉄・JRは大賑わいでした。

しかし、東京湾アクアラインの開通を皮切りに、房総半島における高速道路網が順次整備され、東京駅始発の特急列車も利用状況が悪化、減便・廃止が続いています。

それ以前に、内房・外房線に直通する特急列車が京葉線経由に振り返られた影響も大きいでしょう。京葉線は総武本線のバイパス路線として、東京湾岸沿いに1986~90年にかけて東京-蘇我間が順次開通。1991年、東京駅などから成田空港への特急<成田エクスプレス>が新設され、総武本線の線路容量がいっぱいになるため、内房・外房線への特急は京葉線経由に変更。

京葉線経由に変わって以降、房総特急の利用客が激減した理由に、

○県の代表駅である千葉駅を通らないこと
○東京駅の京葉線ホーム(地下)が他の在来線と離れていて不便

などが指摘されています。その後の東京湾アクアラインの開通や高速道路網の整備は、房総特急凋落に拍車をかけることになります。特に内房線にいたっては、君津以南の特急が事実上廃止になるという始末です。

内房・外房だけでなく、成田線~鹿島線に直通する特急も軒並み廃止されました。