中国山地の長大ローカル線の一つ、姫新線。

姫新線は姫路を起点に、兵庫県西播地区の本竜野・播磨新宮・佐用などを経て、岡山県の山間部に入り、津山から中国勝山を通って、終点・新見に至る全長150km余りの路線。佐用駅では智頭急行(上郡~智頭)と接続。智頭急行は京阪神・岡山と鳥取方面を高速で結ぶことを目的に、1994年開業の高規格なローカル線で、特急【スーパーはくと】などが高速で往来します。津山は岡山県北部の主要都市・城下町であり、岡山からの津山線、そして鳥取からの因美線と合流する要衝です(因美線は正式には東津山から姫新線と分岐)。そして、終点・新見では伯備線と芸備線に接続します。

姫新線はかつて、京阪神と中国山地や山陰を結ぶ優等列車が多く運行され賑わっていたそうですが、中国自動車道開通後、高速バスに旅客移転し、鉄道のシェアは急激に低下。現在、姫新線を全線直通する列車はなく、兵庫・岡山県境付近の佐用または上月で系統分断されています。

姫新線の優等列車ですが、国鉄末期~JR初期には気動車急行【みまさか】【みささ】を運行。ともに大阪駅発着で、大阪~姫路~津山間は【みまさか】【みささ】の併結運転。津山で両者は分かれ、【みまさか】はそのまま姫新線を西へ進んで中国勝山や新見まで直通、【みささ】は岡山からの【砂丘】と連結、スイッチバックして北東に進路を取り、因美線経由で鳥取をめざしていました。1985年ダイヤ改正以前は数往復設定され、一部の便には大阪~姫路間は播但線直通の【但馬】とも併結運転が行われていました。

1985年3月改正で【みまさか】【みささ】は1往復のみに激減ののち、国鉄の終焉を迎えます。【みまさか】【みささ】は国鉄末期~JR初期当時、数少ないグリーン車(キロ28)連結の急行列車でした。

1989年3月ダイヤ改正で、東海道・山陽本線の新快速電車増発および221系近郊型電車登場と引き換えに、【みまさか】【みささ】は廃止されました。同時に【但馬】の大阪直通も廃止(【但馬】は播但線・山陰本線内のみの運転に→1996年特急【はまかぜ】に格上げ)。【みまさか】【みささ】廃止の代替として、姫路~津山間の快速列車を1往復新設。急行時代のスジをそのまま転用する形だったが、列車番号は臨時扱いの8000番台であり、いつ廃止されても不思議ではない状況でした。運用車両もキハ47形の2両。私自身、「青春18きっぷ」でこの快速に何度か乗車したことがあります。下り・津山行きは午前中の運行で、青春18シーズンのためか行楽客で混雑、終点まで座れなかったかと思います。津山快速は1998年ごろまでは運行されていたと記憶しているが、1999年のダイヤ改正で姫新線に大鉈が振るわれた時(佐用または上月で系統分割)に消えたものと思います。