コメント欄で国鉄急行型気動車キハ65形のトイレに関する書き込みがあったので、笑うに笑えぬエピソードを紹介したいと思います。

キハ65形は、急行型気動車の最終増備車。もともと既存のキハ58系と連結することが前提であり、構造簡略化・軽量化を目的にトイレ・洗面台の設置は省略されました。

キハ65形はトイレ無しゆえに、利用客にとって厄介な編成も実際に存在したようです。それは、

キハ65(先頭車)-キロ28(グリーン車)-・・・

のような編成。先頭車がキハ65形で、隣がグリーン車という場合、そのグリーン車のトイレが先頭車との連結側デッキに設置されていれば良いのですが、トイレが反対側の場合、先頭車の乗客は困ったことでしょう。グリーン車の室内を通行しないと用を足せず、トイレに行くために通行料が発生するので困る、というエピソードを、どこかで見たことがあります。

その事情を配慮したのか、キハ65形は編成の中間に組み込まれることが多かったと思いますが、名古屋発着の【のりくら】【紀州】や四国・九州のように、キハ65形が先頭という急行列車も少なくなかったようです。幸いか不幸か、四国・九州ではグリーン車連結が早期に廃止あるいは普通車指定席に改造されたため、トイレの問題は解消されましたが、1990年までグリーン車連結のまま存続する【のりくら】では最後までこの問題が残ったようです。

関西地区発着の気動車急行でも、キハ65形・キロ28を連結する列車は少なくなかったが(【きのくに】【紀ノ川】【志摩】【たかやま】【みささ】【みまさか】ほか)、キハ65形は概ね中間車に組み込まれていましたね。