DSCN5369

令和2年(2020年)現在、なお103系が活躍するJR奈良線。

奈良線で活躍する103系の1両、先頭クハ103-216号。 

クハ103-216号が何気に注目のようですが、それは「山手線を走った車両」の生き残りであること。

製造は1973年(昭和48年)2月(日車)。ユニットサッシ窓で低運転台・2灯シールドビーム前照明灯の顔つきです。竣工当初、山手線と担当する池袋電車区(北イケ)に配属されました。

山手線で1年ほど活躍したのち、関西へ転属。京阪神緩行線用に高槻電車区(大タツ)で10年ほど過ごしたのち、1983年に関西本線(大和路線)用として日根野電車区(天ヒネ)へ転用。以降、現在まで奈良地区を拠点として活躍を続けることになります。1985年奈良電車区(天ナラ→近ナラ)稼動開始に合わせ、同区へ移動し、終生の棲家に。奈良電車区は現在、吹田総合車両所奈良支所という名称に変わっています。

塗装色は、池袋時代のウグイス色、高槻時代の青色を経て、関西本線転属以降は現在まで山手線時代と同じウグイス色を保ってきました。

奈良線での103系運用開始は1994年(平成6年)。以降、クハ103-216号には主に奈良線普通電車として2大古都・京都と奈良を行き来する仕事を任されるようになり、25年以上経過しました。

関西圏各線には103系が当たり前のように多く残っていましたが、ここ10年間103系は急激に廃車が進み、奈良線・和田岬線・加古川線・播但線に残るだけの勢力に減退。首都圏では103系はおろか後継の205系も大半が淘汰される時代にあって、昭和40年代の山手線の姿をとどめるクハ103-216号が平成を経て令和の現在も京都・奈良間の往復運用を毎日続けているのは、凄いですね。

画像の103系はクハ103-216号の反対側クハ103-215号です。