紀州鉄道(和歌山県御坊市)のキハ600形603号。
キハ603は1960年新潟鐵工所で製造。国鉄キハ10系に準じた車両構造で「バス窓」が特徴だが、前面は悲貫通2枚窓のいわゆる「湘南顔」となっています。
キハ603は大分交通耶馬溪線で活躍していたが、耶馬溪線廃止による余剰で、1975年604号とともに紀州鉄道に譲渡。
603号はその後、2012年まで紀州鉄道で活躍を続けました。末期は老朽化により出番が少なく予備車の扱いだったようです。
キハ603は廃車後、紀伊御坊駅近くの広場で保存されています。車内では弁当屋とたこ焼き屋が営業されているそうで、車内で食事することもできるようです。
下の画像は現役時代の紀州鉄道キハ603号の外観と車内です。
コメント
コメント一覧 (4)
紀州鉄道は2002年に乗りました。乗ったのは北条鉄道からの転入車ハイモ1985でした。
600形は大分交通耶馬溪線からの転入でしたが、
以前は1984年に廃止された岡山臨港鉄道からの転入車もあったようです。
紀州鉄道は不動産・リゾート開発が本業であり、その収益で鉄道が存続しています。大阪市北区の済生会病院近くに大阪紀州鉄道ホテルがあります。
紀勢本線(きのくに線)御坊駅は1929(昭和4)年に開業しましたが、御坊市街から北東へ離れた地に置かれたことからその前年に御坊臨港鉄道が設立され、
1931年に開業しました。
モータリゼーションに伴い1971年に廃業を決めましたが、
「鉄道会社の不動産は信頼性が高い」ブランドを欲しかった東京の鶴屋商事グループが御坊臨港鉄道の買収を表明し御坊臨港鉄道を買収し紀州鉄道へ改称しました。
この買収に際して、1969年に廃止された福島県の磐梯急行電鉄の経営陣(1967年の買収以降)が入っていたようです。
1989年に日高川線が廃止されています。
紀州鉄道は伝統的にきのくに線和歌山・大阪方面からの乗り継ぎに便利なダイヤとなっています。
1960年製造と言えば能勢電鉄1700系(元阪急2000系)と同世代ですがこっちの方が遥かに古く見えますね。
車内も白熱灯ですし。
逆に言えば能勢電1700系は登場時はまさに最新の車両だったということです。
紀州鉄道は日本最短クラスのローカル私鉄ですが、本業の不動産・リゾート業の収益で鉄道が存続しているんですよね。廃止されかけた鉄道が不動産事業に鉄道の信頼性を買われて生き残る稀有な例ですね。
鉄道本体のほうですが、近年信楽高原鉄道から車両が譲渡されましたね。
私は紀州鉄道に2回乗りました。最後に乗ったのは2004年ですが、キハ603に乗れて間隙でした。
キハ603が能勢電1700系と同世代とは信じられませんね。京阪2600系0番台とも(2000系時代から数えて)年齢的に同じじゃないですか。
キハ603はバス窓・湘南顔・白熱灯ゆえに古く見えるが、これが渋くてカッコいいんですよ。
能勢電というか阪急の車両は、古さを感じさせないぐらい、デザインや塗装はもちろん、整備もそれだけ行き届いているというわけですね。