2年前の夏、バイクで兵庫~大阪~奈良~三重をジグザグルートで走行する旅に出ました。

目的は国道309号線を走ることですが、考えがあって敢えて兵庫県(川西・伊丹市)に立ち寄りました。

さっそく、川西市内から兵庫r13(産業道路)を南下。 程なくして伊丹市に入り、R171(西国街道)交点(北村交差点)。実はここをR309の起点(終点)と考えて、大阪市内から南河内を経て、奈良県南部の紀伊山地を縦断し三重県東紀州を目指すのです。北村交差点を直進し、伊丹市街地を通過、山陽新幹線ガード下の交差点を左折。

これより兵庫/大阪r41を大阪市西成区の岸里交差点(R26交点)までひたすらトレース。尼崎市に入り、JR福知山線の踏切を通り越して、閑静な住宅地・団地の中を通り抜け、阪急神戸線の踏切をクロス。名神の下を潜り、神崎川を渡って大阪府大阪市(淀川区)に入り、阪急十三駅前までそのまま直進。十三筋とも呼ばれ、今年夏まで阪急バス加島線が走っていたが廃止。仮にこの道路をR309の指定区間に編入されるとなると、阪急バスがR309を走ることになって面白いと思っていたが、加島線は廃止され、また園田線(【88】系統)も今年9月に廃止予定です。

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伊丹坂トンネル(兵庫r13)
北行き(川西・猪名川方面)のみに設置
伊丹市内は高台で意外に起伏に富んだ地形

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阪急バス「猪名寺」バス停
園田線【88】系統が平日2本だけ
これも2020年9月に廃止される

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尼崎市 御園団地
団地内には阪神バス尼崎市内線が走る

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阪急神戸線を踏切でクロス

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神崎川を渡る阪急バス加島線も過去の光景に

しかし、阪急電車の踏切もあり、神戸・宝塚・京都線の結集する十三駅前から、奈良県の行者還林道まで一本の国道309号線で結ばれたらということを想像してみるのも面白いもの。十三大橋南詰(中津浜)までR176との重複区間であり、阪急三複線と並走。中津浜で右に分かれ、なにわ筋を南下。「うめきた」と呼ばれるエリアで(元は北野というところだったそうだ)、JR東海道本線および環状線福島駅下(その地上に梅田貨物線が並行し駅手前に踏切あり)を潜り、R2(阪神国道)交点(ここがR309とR2の交点であることを想像すると)である浄正橋交差点(阪神福島駅、JR東西線新福島駅)。大阪駅・梅田界隈がR2・R176・R309の3本の国道によって形成される三角形こと「梅田デルタ」の重心にあたるとしたら、これまた興味深いと思います。

浄正橋交差点をそのまま南へ直進を続け、中之島(京阪中之島駅前)から、大阪市内のオアシスとして重宝されバラ園などで有名な靭公園、若者ファッションの聖地・西堀江を通り、浪速区に。湊町(JR難波)が近いです。JR芦原橋駅(環状線)あたりから低中層住宅や団地も多くなって郊外に抜け出した感覚に。やがて南海汐見橋線が右から寄り添い、岸里交差点(R26交点)に。天下茶屋駅にも近く、交差点角に西成区役所があります。

この交差点をさらに直進し、松虫通を東へ進みます。南海(本線・高野線)のガードを潜り、阪堺電車2路線(阪堺線、上町線)を踏切で跨ぎ、上町台地の住宅街(帝塚山)を通って、JR阪和線、近鉄南大阪線をアンダーパスする辺りまで来ると、南河内や奈良吉野に一歩近づいた感覚に。いよいよR309の旅本番ですね。

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阪堺電車上町線の踏切

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大和川に架橋される高野大橋(R309旧道より)
R309は阪神高速松原線の下を通る

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富田林市のシンボル PL塔

現R309の終点は大阪市平野区のR25交点です。ここから進路を南~南東に転じ、R309現ルートをトレース。大和川を渡って松原市、堺市美原区、富田林市、そして千早赤阪村(大阪府唯一の村!)などを通過し、金剛山系を登って水越トンネルをぶち抜け、奈良県御所市に。高度を下げて奈良盆地の南縁を通り、R24および京奈和バイパスをクロス。明日香村も近いです。JR和歌山線・近鉄吉野線の接続する吉野口駅西側を通過ののち(引退間近の105系がやってきたので撮りたかったが)、両線をオーバークロスし、大淀町に。

大淀町からはいよいよ紀伊半島縦断の旅本番であり、R309の本領発揮といったところでしょう。吉野川(紀ノ川)を渡って下市町に入り、ほどなくして急カーブ・急勾配が始まり、急峻な紀伊山地に突っ込んだ感じになります。黒滝村の道の駅に立ち寄って、名物・串こんにゃくで一服。さらに標高を上げ、長いトンネル2本を抜けて天川村に。天川村の入り口までは改良が進んで走りやすくなりました。一昔前まではこのあたりのR309も「酷道」だったようで、今も奈良交通の下市口~天川村系統が旧道の一部を走ります。
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道の駅 吉野路・黒滝
名物・串こんにゃくで一服

天川村といえば、洞川温泉で有名ですね(洞川へは奈良r21が分岐)。また、奈良r53を西へ入ると、十津川・野迫川・高野山方面へ行くことも可能です。

私個人的に、北摂(川西能勢口・池田・大阪国際空港)と黒滝・天川・洞川温泉を結ぶ高速バスがあれば面白いですね。奈良県へのエントリーは阪神高速・南阪奈を使い、御所ICからR309のルートが最適でしょう。奈良・吉野路を定期旅客路線として走る阪急バスを見てみたいものですね(奈良交通との共同運行にすれば面白い)。

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天川村~上北山村間は行者還林道の「酷道」区間で有名。天川村内は川迫川の渓谷美(みたらい渓谷ほか)が堪能できます。十津川(熊野川)の上流域であり、ここから流れる水は十津川・本宮を経て新宮市の熊野灘に注ぎ込みます。行者還トンネル付近の標高は六甲山や比叡山を超える1,200mです。

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行者還林道の入り口に差し掛かる

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みたらい渓谷(→この辺りがみたらい渓谷への遊歩道入口)

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紀伊山地の狭隘路でよく見られる素彫トンネル

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川迫川渓谷

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R309の最高峰 行者還トンネル西坑口
トンネルの向こう側は上北山村

行者還林道の上北山村区間は、遠くへ連なる山並みの眺望が印象的ですね。国道であることを示す「おにぎり」はしっかり立っています。山を下って5kmほどのところ(天ヶ瀬)でR169(東熊野街道)と合流。

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行者還トンネル東坑口付近からの眺望

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行者還林道区間(上北山村)でもR309おにぎりマークはしっかり