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あと少しなのになぜそこが終点? 「ムカつく電車の行き先」はどこか
https://trafficnews.jp/post/101705

ネタが盛り上がりを見せているようです。例えば大阪メトロ御堂筋線だと、「中津行き」「新金岡行き」がその代表的なものでしょう。

このネタに便乗して、「加茂乗り換え問題」を考察してみたいと思います。

京都府木津川市加茂町のJR関西本線(大和路線)加茂駅。関西本線は名古屋から四日市・亀山・奈良を経て大阪のJR難波を結ぶ名阪間の「本線」ですが、途中亀山(三重県)と加茂で列車系統が分断されており、名阪間を通して直通する旅客列車はありません。加茂駅は関西本線電化区間と非電化区間の境界であり、加茂以西奈良・天王寺・大阪方面は電化区間で「大和路線」と称され、反対方向の名古屋側、伊賀上野方面亀山までは単線非電化でワンマンのキハ120形気動車が行き来するだけのローカル線。

かつて、名古屋・亀山方面から加茂を跨いで奈良・大阪方面へ直通する列車が当然の如く存在したが、加茂-木津間電化後、(基本的に)加茂での乗り換えとなり、現在に至ります。

確かに、加茂駅から天王寺・大阪まで【大和路快速】1本で直通していること自体は便利でしょう(加茂電化以前は奈良駅での乗り換えが必要だった)。

反面、亀山方面から気動車に乗車する場合、加茂以西へは「大和路線」の電車に乗り継ぐ必要があります。特に面倒だと思うのは、加茂から一つ先の木津で奈良線・学研都市線(片町線)に乗り換える場合木津で奈良線・学研都市線に接続しているんだから、気動車を木津・奈良まで直通できないものか、と歯がゆい思いをされる方もいることでしょう。

私自身も同様のことを思うこともあります。ただ、木津駅での配線構造や木津-奈良間は奈良線の電車も乗り入れている関係上、気動車の加速性の問題もあって物理的に難しいのかもしれません(2006年まで名古屋から急行【かすが】がキハ75系で奈良まで乗り入れていたが)。

加茂乗り換えが、結果的に京都府南部・南山城地域全体の公共交通網分断をもたらしていることは、深刻な問題と言えるかもしれません。

京都府内関西本線非電化区間の笠置町・南山城村から、京都市内はおろか、同じ京都府南山城地域内近隣の奈良線・学研都市線沿線(精華町および京田辺・城陽・宇治市方面)へ鉄道で行き来することさえ、加茂・木津で2回の乗り換えが必要なのです。かつて近鉄山田川と伊賀上野を国道163号線経由で結ぶバスもあったけど、過疎化が進み廃止。特に南山城村は京都市とのつながりよりも、隣の三重県伊賀市の生活経済圏に含まれるようですね。