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阪和線にはなぜか16年の周期で歴史の大転換を迎える習性があるようです。過去40~50年間の歴史を振り返ると、特に1978年・1994年・2010年は阪和線の大きな転換期だったと言えます。

1)1978年【10月2日紀勢本線和歌山-新宮間電化】
○381系電車特急【くろしお】登場(→キハ80系・キハ81引退)
○新快速廃止に代わり、快速電車の紀勢本線御坊・紀伊田辺直通運転開始(113系)
○日根野電車区運用開始

2)1994年【9月4日関西空港開港】
○関西空港線(日根野-関西空港)開通
○281系関空特急【はるか】、223系(0番台)関空快速運転開始

3)2010年
○新型車両225系(5000番台)運用開始


一昔前の阪和線といえば、国鉄らしからぬ阪和電鉄という私鉄の雰囲気が漂い、旧型国電の巣窟、古い(国鉄型)電車ばかりという印象だったと思います。国鉄末期まで381系【くろしお】を除いて新車には恵まれず(113系2000番台と103系の若干数の新製投入はあったが)、JR発足1周年(1988年)にようやく205系1000番台が過渡的に投入された程度です。そんな阪和線が大きく変わる転機は【くろしお】新大阪・京都直通(1989年)と関西空港開業(1994年)だったことでしょう。

【くろしお】新大阪直通運転開始(天王寺駅構内関西本線との渡り線から大阪環状線・梅田貨物線経由)は、京都方面から関空への輸送体系を見据えたものでもあると言えるでしょう。同時に、関西本線の「大和路快速」はさっそく新型車両221系に統一されるが、阪和線への221系投入は見送られました。しかし、臨時列車やイベントで阪和線および和歌山地区に221系が時折姿を現し、沿線住民やファンから憧れのスターとして迎えられたようですね。阪和線への本格的な新車は1994年の関西空港開業を待つことになります。

関空開業以降の数年間の動きとして、【くろしお】用283系「オーシャンアロー」登場(1996年)、和歌山から大阪環状線(大阪・京橋駅)直通の「紀州路快速」(223系)デビュー(1999年、日根野以北関空快速と連結運転)、阪和線快速への221系参入(2000年)などが挙げられます。この間、関空快速に指定席が設定される時期もあったが、利用客が少ないため廃止されました。

その後も103系は普通電車の主としてしぶとく残る一方、113系は103・205・221・223系に混じって細々と快速運用をこなし続けます。2008年には天王寺駅の関西本線と阪和線との渡り線が複線化され、大阪環状線直通の関空・紀州路快速がさらに増強されます。

2010年12月の225系登場時に221系は阪和線から撤退。その後、列車ダイヤ・停車駅の見直しと合わせ、残る国鉄型車両(103・113・205・381系)の淘汰を一気に加速させます。【くろしお】は2015年までに287・289系に置き換え、さらに快速系統(関空・紀州路快速、区間快速ほか)はおろか普通電車(羽衣線を含む)も223・225系に統一されました。

(2021.3.29追記)
1994年といえば、和歌山で世界リゾート博が開催された年です。リゾート博臨時列車も百花繚乱に行き来していたようで、関空開港前夜の阪和線を賑わせていたことでしょう。