「九条」駅は全国で4つ存在し、いずれの駅にも近鉄の車両が乗り入れるということでかなり有名なネタです。

そのうちの2つ、大阪市内にある「九条」について、一つ面白いことに気づきました。

大阪市内には大阪メトロ(地下鉄)中央線(4号線)と阪神なんば線に「九条」駅が存在します(いずれも西区)。中央線の「九条」には近鉄けいはんな線、阪神の「九条」には近鉄奈良線からそれぞれ直通しています。

これら2つの「九条」ですが、中央線と阪神では本来あるべき上下関係が逆転しているのです。すなわち、阪神「九条」は地下なのに対して、中央線は「地下鉄」なのに地上の高架駅ですね。

中央線は阿波座駅西方手前から大阪港駅までの区間が地上高架区間です。地下鉄なのになぜ高架を走るのかといえば、浸水被害の可能性や地盤沈下への対策、そして地層が大量の塩分を含むシルト層であったことが理由です。中央線開通当時、台風や高潮による浸水に何度も見舞われているばかりか、江戸時代には南海地震による津波被害を受けたこともある地域です。

中央線は九条の次の「弁天町」駅(港区)でJR大阪環状線と立体交差で乗り換えだが、中央線ホームはこれまた「地下鉄」なのに高架の環状線のさらに上にあるのも何気に興味深いです。弁天町といえば、交通科学博物館でお馴染みのところでしたね。

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中央線地上区間 近鉄7000系も乗り入れる

阪神なんば線は九条駅西方(尼崎方)から地上区間となり一気に高度を上げ、次の西九条駅でJR(環状線、桜島線)の上を通り越します。阪神なんば線西九条-大阪難波間開通前は、ここが「西大阪線」の終点でした。西大阪線時代、ごく一時期だけ西九条発元町行き特急が運転されたこともあります。阪神・近鉄相互乗り入れ計画は50年以上前からあり、西九条駅は最初からなんば延伸を見越した設計のようです。