東海道新幹線で地味な駅の一つ、岐阜羽島駅(岐阜県羽島市)。

この駅は岐阜県唯一の新幹線駅であり、名古屋駅と米原駅の隣にあります。私はこの駅で実際に下車したことはないが、調べていくといろいろネタな要素があって面白いと思いました。

岐阜羽島駅はいわゆる政治駅の代名詞として有名で、地元の大物政治家・大野伴睦(おおのはんぼく、1890~1964年)夫妻の銅像が駅前に立っています。大野氏が岐阜県に新幹線駅を誘致したという有名な話ですが、実際は当初から岐阜県内への駅設置が予定されていたそうです。名古屋-米原間のルートは北へ大きく迂回する岐阜市を経由せず、名古屋から関ヶ原までを直線で結ぶ計画だったことが関係しているんですね。

岐阜羽島駅は1964年東海道新幹線開通と同時に開業。当初、新幹線単独の駅でした。18年後の1982年に名鉄羽島線の竹鼻-新羽島間が開業し、新幹線から名鉄に乗り換えて岐阜市方面へのアクセスが可能になりました。岐阜羽島から岐阜市への鉄道ルートは、

新羽島~(名鉄羽島線・竹鼻線)~笠松~(名鉄名古屋本線)~名鉄岐阜

となります。

現在、岐阜羽島駅には【ひかり】と【こだま】がほぼ毎時1本ずつ停車するダイヤとなっています。名古屋-米原間は東海道本線の別線区間となっており、名古屋以東または米原以西発着の乗車券であれば岐阜羽島駅発着のものであっても岐阜駅を利用できます(逆に岐阜駅発着のものでも当駅の利用は可能)。岐阜羽島駅で途中下車し、岐阜駅で再入場するということも可能です。

岐阜羽島駅からのバスは、現在名阪近鉄バス(大垣駅方面行き)と海津市コミュニティバス(養老鉄道石津駅行き)の2社。かつては名鉄系列の岐阜バスが岐阜駅・大垣駅や名古屋市方面への路線を展開していたが、軒並み撤退した模様です。

岐阜羽島駅周辺の観光名所の一つに、千代保稲荷神社(岐阜県海津市)があります。三大稲荷の一つで知られ「おちょぼさん」で親しまれています。門前の屋台の賑わいが見どころであり、串カツ・川魚・草餅が名物。岐阜羽島駅前から海津市コミュニティバス「お千代保稲荷」下車。

ほかにユニークな羽島市映画資料館などがあります。