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夕刻の三条に停車中の1300系宇治急(他サイトより拝借)


かつて、宇治線(中書島-宇治)の列車は、終日京阪本線の三条まで直通運転を行っていたが、2000年7月のダイヤ改正で特急の中書島終日停車以降、三条直通は廃止される。

宇治線には1980年代まで三条発着の直通急行宇治急)もあった。
平日ダイヤの朝夕ラッシュ時のみの運転(朝・三条行き、夕・宇治行き)、宇治線内各駅停車だったが、1980年3月ダイヤ改正で朝の三条行きは廃止され、夕方の宇治行きのみが残る。宇治線内は5両対応だが、夕方の宇治急については4両編成のみでの運用で、1983年の架線電圧1500Vへの昇圧前は吊り掛け車600系や1300系が入ることも多かったようだ。特に1300系は4両編成のみで交野線・宇治線での運用が基本的だったゆえ、夕方の宇治急は1300系にとって唯一の優等運用の華やかな場面だった(1300系は一時期特急色に塗り替えて特急車予備として選抜された車両もあったが、1970年代以降は短編成化され交野・宇治線での運用がメインとなる)。

夕方の宇治急のダイヤは、三条駅(もちろん地上時代)では4番ホームの普通・宇治行きと並んで3番ホームからの発車、途中深草で先発の普通・淀屋橋行きを追い抜き、丹波橋では特急通過待ち、中書島で5分ほど停車、中書島から宇治線内の各駅停車だった。深草で追い抜かされた普通は、特急の通過後、深草を発車、中書島では、先の宇治急に追いつくというオチだった・・・。

宇治急は、1989年秋の鴨東線開通後、準急・出町柳→樟葉に代替されて廃止。京都地下線(1987年開通)内で宇治急が見られたのはわずか2年余りだった。京都口の準急は、従来深夜に淀屋橋発三条行きが萱島以東各駅停車(現在と同じ)として1本だけ運転されていたが、この準急が廃止され、中書島以北急行と同じ停車駅、中書島以南各駅停車として、京都口に新たな優等種別・準急が設定される(近鉄京都線の「準急」も似たようなもの)。この準急も宇治急の名残なのか、5両という短い編成の列車も2本ほどあり、最終便あたりには7両編成が入るも、普通との共通運用ゆえ8両編成での運用はなかった(前運用は淀発出町柳ゆき普通、後運用は樟葉発出町柳行き普通)。

しかし、この京都口での樟葉準急も長くは続かず、11年後の2000年ダイヤ改正では「普通・樟葉」に格下げとなる。宇治急の成れの果てといったところだ。さらに2003年ダイヤ改正以降(特急の枚方市・樟葉停車)、準急の停車駅が1989年以前の萱島以東各駅停車に戻り、京阪間直通の準急が終日運転されるようになる。