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1979年以降、御堂筋線のシンボルとして活躍してきた10系。
デビュー当初、特徴的なフェイスとともに第三軌条初の冷房車として注目を集めた。
10系は1989年までの10年間にわたって量産される。
その後、21系(正式には20系)が量産され、非冷房車30系を置き換え、御堂筋線の冷房化率が100%となる。御堂筋線以外の各路線にも冷房車(22~25系、66系)が投入され、1995年までに大阪市営地下鉄の冷房化率100%を達成する。また、新路線の長堀鶴見緑地線も開業する。
その裏側で、大阪市営地下鉄を代表する御堂筋線の主役である10系の老朽化が目立ち、1998年よりリニュアル工事が進められる。御堂筋線は10両編成であり、10系の編成数も多いことから(最終的に26編成まで作られたが、10両化対応のため、第1~3編成がバラされて中間車化され、一部廃車も発生)、リニュアル工事完了は2011年と12~13年がかりの長期にわたった(さらに2004~05年度の間、近鉄けいはんな線延伸に伴い、中央線用20系の95km/h対応などの改造工事が行われたため、10系の改造は中断)。なお、第4編成は改造工事の対象外であり、第5~26編成までの全ての改造工事を終了した時点で廃車された。

さて、問題の10A系だが、10系のうち、1986年以降に作られた第17編成以降を対象にVVVF化改造も工事メニューに追加され、それらを「10A系」とされる。第17編成以降(1986年以降に製造された車両)は並行増備の進んでいた中央線用20系と同じ車体構造となり、1984年までに製造されたものからマイナーチェンジされている(10両化を実現するために中間車1両だけ1984年以前の古い車両が組み込まれた編成もある)。また、第17編成は2004年にリニュアル工事を受けたあと、2006~07年に追加でVVVF化改造を受けた。

2011年以降、谷町線に続き御堂筋線にも30000系が投入され、「10A系」とならなかった10系(第16編成以前)は2018年までに廃車されることになっている。既に一部の編成は廃車されており、今後廃車のペースは早まるだろう。