阪急京都線沿線と高島屋とはなぜか不思議な縁がある、と私は思っている。

まず、京都線の終点・京都河原町には高島屋京都店がある。河原町通りの向かい側に阪急百貨店もあったが、高島屋に比べて売り場面積は狭く、しかも後発だったこともあって、京都では阪急ブランドはあまり功を奏でなかったようだ。しかし入口の豪壮な装飾はさすが阪急ブランドだけのことはあり、待ち合わせ場所の目印には大いに役立ったようだ。阪急百貨店が一時期、高島屋と経営統合するとかとでマスメディアを賑わせ、河原町阪急が閉店になったのも経営統合のためだとも言われているが、これも立ち消えになった。河原町阪急の後釜にマルイが出店しているが、やはり高島屋に比べたらカジュアルっぽくて今一つな印象を持ってしまう。

同じく京都市の洛西ニュータウン(西京区)には高島屋洛西店がある。洛西ニュータウンへは阪急桂もしくは洛西口駅前からバスだが、とにかく交通の不便な「陸の孤島」だ。そういえば、地下鉄東西線が洛西ニュータウンへ延伸する構想もあったが、実現の目処は全く立たず、事実上凍結している。洛西の高島屋は京都店の分店で、ラクセーヌ内にある。

大阪側では阪急と高島屋とは直接の関係はないが、京都線・千里線と相互乗り入れをする地下鉄堺筋線にも注目すると、すぐ近くの南海なんば駅前(日本橋駅から徒歩可能圏)に高島屋大阪本店がある。終点・天下茶屋駅では南海電車と接続しており、関西空港・泉州・和歌山・高野山から京都・高槻・千里方面への中継地点であり、南海の特急全列車が停車する。南海と高島屋の関係は深く、大阪本店のほか、堺店(堺東)、泉北店(泉北高速泉ヶ丘)がある。泉北の高島屋は京都洛西と同様、ニュータウン型の百貨店だ。

また、2014年まで南海和歌山市駅ビルに和歌山店もあったが閉店、駅ビルも老朽化のため建替えられる予定だ。和歌山の地盤沈下は著しく、南海和歌山市駅前は寂れている。現在、近鉄百貨店和歌山店(JR和歌山駅前)が和歌山県内唯一の百貨店だ。