JR西日本の少数派形式の車両といえば、

1)205系通勤型電車
2)キハ48
3)101系通勤型電車(廃車済)
4)キハ53(廃車済)

などが挙げられる。

1)205系通勤型電車

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JR西日本に在籍している205系は、国鉄時代末期にJR京都線・神戸線普通電車用に投入された0番台(7両×4本)と、JR発足1年後に阪和線用に作られた1000番台(4両×5本)の2タイプがある。現在、205系は全て阪和線にまとめられているが、225系5100番台に置き換えられる予定で、今後の動きが注目されている。上の写真はJR神戸線で活躍していたときのもの。下の写真は、阪和線用に作られた1000番台。0番台とはフロントの窓の形が異なっている。

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2)キハ48
高山本線および東北地方など寒冷地向けに作られたキハ40系の仲間で、出入り口デッキ(仕切り)付きが大きな特徴だ。JR西日本には5両のみが受け継がれた。敦賀機関区に投入されたもので、小浜線および交直セッションを控える北陸本線米原口・湖西線ローカルで活躍していた。

しかし、京阪神からの新快速の北陸本線長浜までの直通運転を可能にすべく長浜以南直流化工事完了後、敦賀のキハ48は、遠く離れた山陰本線西部のローカル運用に活躍場所を移す。そして、2003年より津山線内に1往復だけ残った急行「つやま」専用編成にも仕立てられる。急行列車にふさわしくデッキ付きではあるものの、所詮一般型気動車ゆえ車両の両端部はロングシートであり、しかも快速「ことぶき」と停車駅・スピードもほぼ同じ、これで急行料金が取られるのは納得いかないということで、2009年「つやま」が廃止される。キハ48に置き換えられる前は「砂丘」に使用していたキハ58系が使われ、グリーン車も付いていて、急行らしさがあった。


3)101系電車(廃車)
国鉄時代、大阪環状線で101系が活躍していたが、103系に置き換えられ、関西本線(大和路線)普通および片町線(学研都市線)、桜島線に転用される。しかし、101系は老朽化が進んでいて、国鉄時代末期までに大和路線から引退、学研都市線でもJR京都・神戸線普通で使用していた103系が大量転入してくるものの、冷房改造を受けた101系7両×2本(中間車1両だけが非冷房車もあった)だけが残ったまま、JR発足を迎える(首都圏でも101系は相当廃車が進み、中央・総武緩行線および南武・鶴見・武蔵野線に残っていた)。

大阪では貴重な存在となった101系だが、1989年の学研都市線全線電化後、6両化されて再び桜島線で活躍する(全線電化後もごく一時期だけ松井山手駅まで営業運転していた)。しかし、2年後の1991年、大阪環状線全通30周年記念で最後の華舞台を見せたあと、ファンに惜しまれて引退する。

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JR発足後も2年余り学研都市線で活躍を続けた101系
(「J鉄局の鉄道管理局さま」より拝借)

4)キハ53(廃車)
キハ53は一般型気動車キハ45系の一員であり、両運転台車キハ23を2エンジンにしたものだ。これとは別に、国鉄時代末期、北海道・東北で急行型キハ58またはキハ56を両運転台化したものとして「キハ53」を名乗るようになる(オリジナルのキハ53とは番台で区別)。JR発足後、JR西日本管内でも北陸地方ローカル用にキハ58を両運転台化した「キハ53」が登場する。

キハ45系はキハ20系とキハ40系の間の過渡期に製造されたものであり、大都市近郊のローカル線での使用を意識して113系近郊型電車などと類似のレイアウトとされたが、少数派にとどまった。両運転台のキハ23はそれなりの数が作られ、JR西日本管内でも結構見られたが、キハ53は全国的にも少数派であり、急勾配路線のローカル線向けに亀山・米子などに少しだけ配置されるにとどまる。亀山は主に信楽線、米子は木次線でそれぞれ運用されるが、JR発足から数年経過して、キハ53は小浜線や津山線・因美線などに活躍場所を移す。その後、ほどなくしてキハ120などに置き換えられた線区も多いが、小浜線のキハ53は2003年の電化まで奇跡的に生き残り、21世紀になっても残った貴重な「非冷房車」だった(キハ53よりも古いキハ52でさえ冷房化工事を受けた)。

JR発足当初、亀山のキハ53はキハ35・47などと連結して、学研都市線(長尾-木津間)でも使用された。

なお、国鉄時代末期、木次線のキハ53の1両が事故廃車となり、はるばる遠い東北からキハ52(キハ20系の仲間)のオリジナルツートンカラー、キハ52 128号がやってきて、1999年の廃車までツートンカラーの姿を保ったまま、米子地区で活躍を続けたことは有名だ。128号がツートンカラーで残った理由は、只見線直通の急行「いなわしろ」に使用するためだった(1982年11月改正で廃止)が、米子に転属した後も後藤工場のご好意なのか、ツートンカラーの姿がそのまま保たれた。

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21世紀まで活躍を続けた小浜線カラーのキハ53
キハ23と姿かたちは同じ
(ITRENI.NETさまより拝借)


上記のほか、JR西日本の少数派形式は

123系電車
167系急行型電車
キハ41(キハ47を両運転台に改造)
キハ33(50系客車を気動車に改造)
キハ37

などが挙げられる。