よく考えたら、東大阪市は「酷道」のまちだ。
縦にR170旧道、横にR308が通っていて、新石切駅付近でクロスする。

R308はあの「暗峠」で知られる。
R308の指定区間は大阪市(心斎橋)~奈良市間で、大阪・奈良の2大都市を結ぶ国道だが、途中の阪奈国境は都市間国道とは信じられない「酷道」となっている。大阪市内(深江橋)から東大阪市石切までは、阪神高速東大阪線の側道であり、立派な都市国道だが、石切から生駒山を越える区間は狭隘な登山道のような状態だ。特に大阪側は勾配が非常にきつく、運転に自信のない人は避けるほうが無難。暗峠は昔ながらの峠道の面影が色濃く残っている。奈良県に入ってからも、奈良市宝来まで狭隘な酷道が続く。阪奈都市間を普通にドライブするのなら、阪神高速東大阪線&第二阪奈、または阪奈道路+府道8号など通行することになる。

それにしても、R308の指定区間は短くてちょっともったいないような気がする。私個人的に、奈良市から先、京都府木津川市加茂町および和束町を経て、滋賀県甲賀市信楽、また湖南市・竜王・東近江などの県道を昇格して彦根あたりまで(さらにR365と重複して福井県に入り、鯖江・福井市内の旧・北陸道を経てあわら市のR305まで)指定区間を延長したら面白いかと思う。

縦方向に伸びるR170の指定区間は高槻市-泉佐野市間で、「大阪外環状線」と呼ばれている。寝屋川市以南では外環状線とは別にR170の旧道が並行しており、旧道も国道指定が残ったままだ。すなわちR170は新道=「外環状線」と旧道の2本が共存するわけだ。外環状線が片側2車線の立派な国道なのとは対照的に、R170旧道には、行き違いの困難な狭隘区間もあり、ここ東大阪市においては瓢箪山駅前の商店街も国道に指定されているのだ。商店街アーケード内は深夜時間帯以外は自転車・歩行者専用道となる。瓢箪山駅前からR170旧道を走行して四条畷までの近鉄バスが運行されている。

なお、R170は1982年までは高槻市-河内長野-紀見峠-橋本市間が指定区間だったが、河内長野-橋本間はR371に降格され、現在のルートとなった。ちなみにR371は紀伊半島縦断の3大酷道の1つとして有名で、分断区間を2ヶ所抱えている。