かつて、枚方市駅から新田辺まで直通する長距離のバス(枚方尊延寺線【12】号経路)があった。
運行経路は、

枚方市駅南口~池之宮~四辻~津田(現・津田西町)~津田病院前~杉~尊延寺~穂谷口~穂谷~穂谷口~天王~馬廻~河内峠~茂ヶ谷~田辺本町~新田辺

で、国道307号をほぼひたすら走行(現在、バイパス開通で国道指定から外れた区間も多い)、1日3往復だったが1992年廃止された。途中、穂谷と天王には必ず立ち寄り、加えて津田駅を経由する便もあった。枚方市駅~新田辺の全区間を通して乗車する客はもちろん少なかったが、1984年穂谷に関西外大キャンパスが開校して以来、新田辺~穂谷外大間の学生利用客が増え、新田辺からの直行バスを運行開始する。1992年の枚方新田辺系統廃止後、新たに【16】号・<穂谷~新田辺>(現【79】【80】【81】)が毎時1本運行されるようになる。本数は増えたものの長距離直通系統がなくなったのはやはり不便だ。

枚方市駅~津田間のバスは、国道307号ではなく、並行するもう1本の道路を走行する。R307号は、かつて戦時中に片町線津田駅から中宮にある禁野火薬庫へ延びていた引込み線の跡である。戦後、二度と戦争の過ちを犯さない誓いを込めて、火薬庫跡に公団中宮住宅を建設、また中宮本町~中宮西之町までの軍用鉄道跡の一部を「中宮平和ロード」として整備される。一部の便は津田駅にも立ち寄る。津田中学校前から国道307号を走行する。杉を通ると山あいの風景に変わる。尊延寺から先、対キロ運賃区間に入るので、整理券番号が大幅に増えるようになる。穂谷口から穂谷に立ち寄る。枚方市駅から40分程度だ。その後一旦京田辺市に越境して、隠れ里の天王にも寄る。R307に戻り、馬廻(うままわり)は枚方市最東端のバス停で、ちょうどこのあたりが大阪府の最東端でもある。ちなみに、大阪府の最北端は能勢町の天王峠であるが、今ここで書くと先ほど通った京田辺市の「天王」と間違いやすいかもしれない。府県境を越えたところにある河内峠は、かつて京阪宇治交通も新田辺から乗り入れていた。この付近に甘南備山(221.0m)がある。「神南備」「神無火」などとも呼ばれる。この山を南の基点として、北の船岡山と結ぶ直線を中心軸にして、平安京が建設されたと言われている。

1970年代ごろまでは、八幡田辺線も京阪バス枚方営業所が担当、枚方尊延寺線と共通運用だったようだ(新田辺で八幡行きに変わる)。八幡田辺線はその後、京阪宇治交通に譲渡されるが、2006年の京阪バスとの合併で再び京阪バスの路線となる(ただし京田辺・男山営業所が担当)。