カテゴリ: 阪急電車 / 能勢電鉄


平面駅時代の阪急洛西口駅ホームです。

洛西口駅は2003年開業の新しい駅で、当時の駅前周辺はのどかな田園風景だったようです。

その後、駅東側にJR桂川駅が開業し、さらにイオンモール京都桂川もオープンするなど、賑やかになりましたね。

洛西口駅は向日市と京都市西京区との境界を跨いでおり、また南区との境界ギリギリの位置にあります(JR桂川駅は南区)。

洛西口駅およびJR桂川駅より、洛西ニュータウン方面へのバスが発着しています。

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大阪行きホームに停車中の5300系急行
近い将来の立体化を見越し、いかにも仮設ホームという感じだ

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駅西側の風景 向日ヶ丘・西山・洛西ニュータウンを遠望

 


阪急京都線の特急に新型車両2300系と有料座席「PRiVACE」導入を導入すると発表されました。

サービス開始時期は2024年夏ごろの予定。新型特急用車両2300系を導入し、合わせて大阪方4両に有料座席指定車「PRiVACE」を連結します。「PRiVACE」は「Private」と「Place」を掛け合わせた阪急独自のネーミングで、「日常の”移動時間”をプライベートな空間で過ごす”自分時間”へ」をコンセプトとしています。

座席指定車「PRiVACE」は、車両中央部に客用扉1枚を設置し、座席スペースと出入り口を仕切る「デッキ式」構造です。京阪3000・8000系プレミアムカーに似ていると思いきや、出入り口を中央に配し、小さな独立窓が並ぶ独特のデザインで、欧州の列車をイメージするスタイル。

「PRiVACE」は2300系と一部の9300系に連結の予定。2024年夏頃から1時間あたり2~3本でサービスを開始し、2025年頃には1時間あたり4~6本に拡大するとのことです。並行して2300系を増備し、「PRiVACE」連結車は最終的に2300系に統一する方向のようです。9300系の今後の動きにも注目されます。

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現特急車9300系の今後が気になる

2300系登場と同時期、神戸線・宝塚線には新型車両2000系が導入されます。2000系はロングシート車です。

阪急電鉄の公式ニュースリリースはこちら↓です。
https://www.hankyu-hanshin.co.jp/release/docs/f9831179f4a2cf71af487be17921c5054dbb7e03.pdf



阪急電鉄は伊丹線・箕面線・嵐山線でワンマン運転を実施すると発表。ワンマン運転開始時期は以下の通りです。

伊丹線 2024年3月23日(土)
箕面線 2026年春ごろ
嵐山線 2027年春ごろ

阪急の支線のうち、今津南線(西宮北口-今津)と甲陽線では既にワンマン化されています(6000系3両編成で運用)。今回新たに導入する線区を含め、ワンマン運転対象線区にはセンサー付きホーム固定柵が設置されます。またワンマン対応車両には車内防犯カメラが装備される予定(2027年度末までに全線すべての車両に設置されます)。

今回新たにワンマン運転導入対象線区は4両編成で運行。箕面線は既に宝塚線との直通運転が廃止され、線内折り返しの4両編成に統一されています。伊丹線・箕面線では7000系あたりの導入が予想されます。

問題は嵐山線。ワンマン運転に対応して元特急車6300系は引退すると見られます。代替車両は7300系あたりでしょうか。6両での代走運転も気になります。

伊丹線・箕面線・嵐山線においてワンマン運転を開始します(阪急電鉄)
https://www.hankyu-hanshin.co.jp/release/docs/aa93d38c874fca7d7275ac813d57d8bf1d08381d.pdf



阪急京都線・富田駅(高槻市)にて。

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富田駅のホーム配線構造は、上下対向式ホームながら、上り線(京都行き)のみ通過線のある、珍しい形の2面3線。「普通」のみが停車します。

なぜ、こんな配線の形になったのかといえば、隣の高槻市駅高架化工事の時、上り線に「仮の待避線」を設置したことが発端(工事用地確保目的で高槻市駅上り待避線を撤去した代替措置が理由)。もともと暫定的なもののはずだったが、現在もそのままの状態で残り、ラッシュ時には上り列車の通過待ちシーンが見れるそうです。

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阪急富田駅から北へ300mほど商店街を歩くと、JR摂津富田駅。

富田駅周辺の見どころは、旧・寺内町の町並み。酒造りでも栄えた地で、現在も2軒の酒造家が残っています。
 


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阪急嵐山線上桂-松尾大社前にて。

元特急車6300系4連がのんびり活躍しています。

嵐山線は複線分の幅だけの路盤があるが、全線単線です。


開通時は複線だったが、戦時中の金属供出の対象となったため単線化され、現在に至ります。

京都線特急車2300系の新造計画が発表されましたね。現特急車9300系とともに、前代特急車6300系去就も注目されるところ。ホームドア導入も予定されているので、6300系の引退はほぼ確実でしょう。


大阪府最南端の鉄道駅・南海本線孝子駅(岬町)と最北端・能勢電鉄妙見口駅(豊能町)の間をノーラッチで乗車可能なのか、ふと気になりました。

結論から言うと、可能です。ただし、かなりの大回り乗車となり、大阪府外へ抜ける必要があります。最短ルートはおそらく次のようになります。

【ルート1】
孝子      ~ 泉佐野     【南海本線】
泉佐野     ~ りんくうタウン 【南海空港線】
りんくうタウン ~ 天王寺     【JR関西空港線・阪和線】
天王寺     ~ 柏原      【JR関西本線(普通)】
柏原      ~ 道明寺     【近鉄道明寺線】
道明寺     ~ 橿原神宮前   【近鉄南大阪線】
橿原神宮前   ~ 大和八木    【近鉄橿原線】
大和八木    ~ 鶴橋      【近鉄大阪線】
鶴橋      ~ 尼崎      【近鉄奈良線、阪神なんば線】
尼崎      ~ 高速神戸    【阪神本線】
高速神戸    ~ 十三      【阪急神戸線】
十三      ~ 川西能勢口   【阪急宝塚線】
川西能勢口   ~ 妙見口     【能勢電鉄】

チケット類は事前に少なくとも、

JR乗車券(りんくうタウン~柏原)、近鉄週末フリーパス、阪急阪神1Dayチケット

を用意するほうが望ましいでしょう。

出発駅の孝子まで向かう途中、大阪難波駅で近鉄と阪急阪神の合計2枚チケットに改札を通す。JRは青春18きっぷ他でも可(青春18きっぷは大阪駅他で当日のスタンプを入れてもらいましょう)。

JR関西本線(大和路線)・柏原駅には基本的に普通電車しか止まらないので注意。最低でも奈良県・兵庫県を通過することになりますね。阪急の乗車ルートは、乗り換え回数は増えるが、高速神戸~西宮北口~宝塚~川西能勢口も可能です。

JR日根野駅から反対方向に進んで和歌山まで行き、和歌山線経由(吉野口乗り換え)ということも考えたが、和歌山駅の和歌山線ホームには中間改札がありましたね。ちなみに、かつて孝子駅から反対の和歌山県に向かい、南海和歌山市駅からノーラッチでJRに入ることも可能でした。

【ルート1】を少し変形して吉野口経由にすることも、もちろん可能です。

【ルート1a】
孝子      ~ 泉佐野     【南海本線】
泉佐野     ~ りんくうタウン 【南海空港線】
りんくうタウン ~ 天王寺     【JR関西空港線・阪和線】
天王寺     ~ 王寺      【JR関西本線】
王寺      ~ 吉野口     【JR和歌山線】
吉野口     ~ 橿原神宮前   【近鉄吉野線】
橿原神宮前   ~ 大和八木    【近鉄橿原線】
大和八木    ~ 鶴橋      【近鉄大阪線】
鶴橋      ~ 尼崎      【近鉄奈良線、阪神なんば線】
尼崎      ~ 高速神戸    【阪神本線】
高速神戸    ~ 十三      【阪急神戸線】
十三      ~ 川西能勢口   【阪急宝塚線】
川西能勢口   ~ 妙見口     【能勢電鉄】


せっかくだから、「青春18きっぷ」と近鉄のフリーチケットをもう少し有効に活用すべく、三重県へ大回りするのもありですね。

【ルート2】
孝子      ~ 泉佐野     【南海本線】
泉佐野     ~ りんくうタウン 【南海空港線】
りんくうタウン ~ 天王寺     【JR関西空港線・阪和線】
天王寺     ~ 加茂      【JR関西本線(大和路快速ほか)】
加茂      ~ 亀山      【JR関西本線】
亀山      ~ 松阪      【JR紀勢本線】
松阪      ~ 鶴橋      【近鉄山田線・大阪線】
鶴橋      ~ 尼崎      【近鉄奈良線、阪神なんば線】
尼崎      ~ 高速神戸    【阪神本線】
高速神戸    ~ 十三      【阪急神戸線】
十三      ~ 川西能勢口   【阪急宝塚線】
川西能勢口   ~ 妙見口     【能勢電鉄】


松阪のほか、津・伊勢市駅でも近鉄・JRの改札内乗り換えは可能です。特に近鉄「ひのとり」に乗車したい場合は、津で乗り換えが必須です。かつて、伊賀上野から近鉄伊賀線(現・伊賀鉄道)乗り換えルートも可能でした。

もちろん、紀伊半島一周の超大回りなども可能ですが、皆様の自由なご想像にお任せします。

近い将来、「なにわ筋線」と阪急新大阪連絡線が開通し、阪急と南海の相互乗り入れが実現すれば、

孝子~(南海本線)~?~(なにわ筋線)~十三~(阪急宝塚線)~川西能勢口~(能勢電鉄)~妙見口

が可能になるでしょう。

孝子峠
https://amanogalaxy.livedoor.blog/archives/22341585.html


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非VVVF車3300・5300系の堺筋線直通運用が減っている中、先日5300系準急|天下茶屋行きに遭遇しました。

もともと堺筋線直通のエースとして登場した3300系は廃車が進んで、既に全編成7連化されているため、堺筋線運用は消滅しました。

5300系も廃車が発生しており、8連車は3編成のみに(5304-5405、5313-5414、5317-5418)。5300系の堺筋線運用は早めに撮っておいたほうがよいでしょう。5300系は2022年、デビューから50周年を迎えました。同系列は1972~1984年にかけて合計105両製造されました。2023年現在、95両が在籍しています。


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初夏の桂川を渡る阪急6300系「京とれいん」(2022年5月撮影)。6300系「京とれいん」は2022年末に引退しました。

「京とれいん」は京都線を走る観光車両で、2011年より運行。京都の気分を味わえる優雅な内装ですが、無料で乗車できるものでした。土休日に「快速特急」として数往復運転。その後、2019年には「京とれいん」2編成目が7000系改造車で登場。2編成目は神宝線用車両規格のため、京都線のほか神戸・宝塚線などでの運用も可能です。

6300系は京都線の元特急車で、大半は廃車されたが、現在も嵐山線専用に残っています。十三駅ホームドア稼動後、6300系使用の「京とれいん」は、扉位置の関係から十三通過の「快速特急A」として運行。嵐山線に残る6300系も、阪急全駅ホームドア整備に伴い、廃車の可能性が濃厚となっています。


衝撃的なニュースが入りました。

能勢電鉄の運営する妙見の森関連事業、および妙見ケーブル線(兵庫県川西市)が2024年6月24日の営業をもって廃止すると発表されました。営業を終了する事業は以下です。

鋼索線(妙見の森ケーブル:黒川~ケーブル山上)
索道線(妙見の森リフト:ふれあい広場~妙見山)
その他事業(妙見の森バーベキューテラス など)

https://noseden.hankyu.co.jp/upload_file/noseden/information/newsrelease202306231.pdf

能勢妙見山への公共交通は、

能勢電・妙見口駅~(阪急バス【5】【6】【8】)~ケーブル黒川駅~(妙見の森ケーブル)~ケーブル山上~(徒歩)~ふれあい広場~(妙見の森リフト)~妙見山

が現在唯一の可能なルートです。上記ケーブル・リフトの廃止後、公共交通では妙見山に到達できないことになりますね(妙見口駅からのハイキングコースでもアクセス可能です)。「妙見口」駅は大阪府豊能町に属し、大阪府最北端の鉄道駅。妙見山(能勢妙見山)は標高660m、大阪府豊能町と兵庫県川西市の境界です(三角点の所在地は大阪府豊能町)。上記ルートは大阪府と兵庫県を跨いでいます。

能勢妙見山は古くから信仰の対象とされ、山頂近くに日蓮宗の能勢妙見堂があります。当山は西南日本の標高600m付近でのブナ自生の南限とされ、天然記念物に指定。

能勢妙見山へは、以前池田(阪急池田駅)からもバス(国道423号線経由)が運行されていました。ケーブル・リフト廃止後、代替交通手段として、北大阪急行の千里中央または箕面萱野からのバスが、最も可能性のあるものと考えられるが、能勢妙見山を訪れる人は減少しているようで、期待薄でしょう。


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かつて、能勢電鉄には「急行」と称する列車種別が存在しました。正式には「妙見急行」「日生急行」の2種類です。 停車駅は、

妙見急行(川西能勢口~妙見口):川西能勢口、平野、畦野~妙見口間各駅
日生急行(川西能勢口~日生中央):川西能勢口、平野、畦野~日生中央間各駅


いずれも2017年に廃止。

廃止直前、次の運転本数でした。

妙見急行(上り:川西能勢口行き) 平日朝5本、土曜朝2本
日生急行(上り:川西能勢口行き) 土曜朝2本
下りの設定なし


以前は下りの急行運転もありました。ただ、阪急宝塚線直通の特急「日生エクスプレス」(大阪梅田~日生中央)がダイヤの乱れで運転中止になるとき、下りの日生急行が臨時で運行されることもしばしば(現在も同様)。ちなみに、「日生エクスプレス」の停車駅は、

大阪梅田、十三、石橋阪大前、池田、川西能勢口(以上阪急線内)、平野、畦野、山下、日生中央

で、能勢電内でも「急行」と差別化されていました。また、「急行」定期列車廃止翌年の2018年大阪北部地震のときに、下り「日生急行」が運転されました。ただし、停車駅は「日生エクスプレス」と同じ、川西能勢口・平野・畦野・山下・日生中央に絞られました。


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阪急の大回り乗車について。

阪急には環状区間(十三-宝塚-西宮北口)が存在し、「阪急環状線」と呼ばれます。阪急の大回り乗車は、JRなどと比べて小規模ゆえ、あまり話題にならないかもしれません。もっとも、阪急環状線を好んで大回りしようというマニアな人は、一定程度存在するでしょう。

阪急の大回り乗車には、実はJRよりも厳しい条件があります。それは、乗り運賃(170円)での大回り乗車は不可ということ(阪急の旅客営業規則に定められています)。大回り乗車が可能なのは、3区(10~14km)以上の乗車券を使用するときに限られます。3区運賃は、

十三~武庫之荘、西宮北口
十三~蛍池、石橋阪大前、池田


が該当し、環状線内の3分の1に相当します。

例えば、十三から蛍池までの乗車券で、

十三→(神戸線)→西宮北口→(今津線)→宝塚→(宝塚線)→蛍池

という乗車ルートが可能ということになります。

あるいは、大阪梅田から神戸三宮までの乗車券(330円)で、

大阪梅田→(宝塚線)→宝塚→(今津線)→西宮北口→(神戸線)→神戸三宮

という乗車ルートを楽しむこともできます。最長大回り(というより迂回)経路として、京都河原町から神戸三宮までの乗車券(640円)で、

京都河原町→(京都線)→十三→(宝塚線)→宝塚→(今津線)→西宮北口→(神戸線)→神戸三宮

が可能です。

ここで、次の疑問が浮かぶでしょう。

1)他社連絡乗車券(大阪メトロ、能勢電、神戸高速、山陽、神戸電鉄)で阪急環状線の大回りは可能か?
2)ICカード(ICOCA、PiTaPaほか)使用で、初乗り運賃での大回りは可能か?


これはよくわからないので、控えるほうが無難でしょう。なお、大阪メトロとの連絡乗車券は、阪急環状線以西の駅では買えないはずです(天神橋筋6丁目~淡路以東の京都線・千里線・嵐山線のみ可能)。

【参考資料】
阪急は初乗り運賃で大回り乗車できる?間違いやすい落とし穴とは?(大回り乗車の教科書)

https://noritetsu.net/omawari/2021/12/hankyu-omawari/#index_id3



大阪市営地下鉄(大阪メトロ)に自動放送が導入されたのは1976年。

声のアナウンスは当初、男性(中村建治)が務めました。中村建治は1992年、病気で若くして死去され、津田英治に担当を交代。そして1999年以降は女性(秀平真由美)が務めています。

私個人的に、初代担当の中村建治時代の放送がとても印象に残っています。「次は○○でございます」「○○線、△△、□□方面(、乗り入れ先の私鉄線 ○方面)はお乗換えください」「次は梅田、国鉄線大阪駅、阪急・阪神線はお乗換えください」という放送フォーマットだったと思います。

自動放送が導入されたのは、当初堺筋線を除く各線だったと記憶しています。堺筋線は阪急との相互乗り入れがあるためか、自動放送は見送られ、車掌が肉声でアナウンスしていました。御堂筋線でも、乗り入れ先の北大阪急行車両(2000形)では自動放送ではなく、車掌の肉声放送だったと記憶。逆に、大阪市交車両の北大阪急行線内(江坂-千里中央)ではどうだったのでしょうか?

時代は昭和から平成に変わり、他に比べて大幅に遅れていた地下鉄車両の冷房化と車両更新が急ピッチで進みました。平成(1989年~)に入った頃から、堺筋線でも自動放送が導入されたようです。当初は大阪市交車両(60系、66系)のみだったようだが(中村建治時代の60系の自動放送を聴いた記憶があります)、天下茶屋延伸開通(1993年)あたりから、阪急車(1300・3300・5300・7300・8300系)も自動放送に変わりました。

なお、1986年開通で中央線と相互乗り入れしている近鉄けいはんな線(旧・東大阪線)では、当初から自動放送で、現在も近鉄線内(長田-生駒・学研奈良登美ヶ丘)では男性の声のままのようです。放送フォーマットも、近鉄そのものですね。


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阪急3300系も残り少なくなってきました。

3300系は京都線所属の車両形式の一つ。地下鉄(大阪メトロ)堺筋線との相互直通開始(1969年)に合わせ、1967~69年にかけて120両が製造されました。 車体寸法は堺筋線に合わせて従来の阪急標準車体よりも幅広となり、以降京都線車両の標準寸法となります。

もともと、堺筋線直通運用専用車として5~6両編成で運用されてきたが、冷房化・更新工事および堺筋線の8両編成への増強に伴い、他の一般車に混じって、特急から普通まで京都線・千里線・堺筋線関係のあらゆる汎用運用をこなすようになりました。また、堺筋線直通運用には3300系を含め、京都線用一般車8両編成が全て使用されるようになりました。

その3300系も1300系の増備に伴って順次廃車が進んでおり、先日3305F(8連)が突如引退。2023年4月現在、8両編成×1本と7両編成×3本のみが現役で残っています。ただ、唯一の8両編成も1両抜かれて7両化されたようです。これに伴い、56年間続いた3300系の堺筋線運用も消滅した模様です。

3300系といえば、あの爆音モーターが強烈ですね。


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嵐山線で運用中の看板車2309F
2009年引退まで原型姿を保っていた

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2321F 普通|北千里行き 大阪梅田にて

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嵐山線で運用中の2323F

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正雀で通過列車待避中

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正雀車庫で休車中の2302



阪急電鉄のダイヤ改正が2022年12月17日(土)に実施される予定です。

今度のダイヤ改正は、全線(神戸線・宝塚線・京都線)において行われます。また同日、阪神・山陽・能勢電・近鉄・京都市営地下鉄・京阪大津線、そして大阪メトロ堺筋線においても、ダイヤ改正が行われる予定です。関西私鉄のダイヤ改正が同日一斉に行われるのは、歴史的と言えるかもしれません。

阪急電鉄のダイヤ改正のポイントは以下の通りです。

1)(神戸・宝塚・京都線)「快速急行」の列車種別名を「準特急」に変更
2)宝塚線・京都線の10両編成を廃止
3)(神戸線)10両編成列車、新開地発大阪梅田行き
「特急」は全区間で8両編成に(神戸三宮での増結を廃止)
4)宝塚線~箕面線直通列車を廃止
5)(京都線)淡路に停車する
「準特急」(現「快速急行」)を増発
6)(京都線)「快速」の停車駅に西京極を追加し、
「急行」に変更
7)(京都線)土休日運転の
「快速特急A」『京とれいん』(6300系)の運行を廃止

昼間時間帯の運転本数・運転間隔は現行どおりです(神戸・宝塚・京都線共通)。

なお、京都線の「特急」「通勤特急」「準特急」には、2024年に座席指定サービスが導入される予定です。

https://www.hankyu.co.jp/topics/details/1448.html

京都線に「急行」が早朝・深夜時間帯のみながら復活することは、地味に驚きです。京都線の「急行」は2007年ダイヤ改正で消滅。同改正前、「急行」は高槻市以東各駅停車で、現「準急」とほぼ同じ停車駅でした。今度復活する「急行」は、桂~京都河原町間各駅停車(桂以西は通過運転)です。

「京とれいん」1本目の6300系は、本線運用から退く模様です。6300系は元京都線特急用の2ドア車。ドアの位置が他の現存車両と異なるため、既にホームドアが稼動した十三駅を通過することとなり、「快速特急A」という種別で運行されてきました。6300系は登場から47年経過しており、このまま廃車ということもありそうですね。

京都線の座席指定車がどのようになるのかも、気になるところでしょう。

能勢電鉄では、普通列車の運転系統は川西能勢口-日生中央間と山下-妙見口間の2系統が基本となり(すなわち、川西能勢口-妙見口間の直通列車は僅少に)、利用客の少ない山下-妙見口間は減便される予定です。山下-妙見口間沿線の住宅地(光風台、ときわ台)への基本ルートは、今後北大阪急行・箕面萱野駅(2023年度延伸開業予定)からバスにシフトする模様です。宝塚線~箕面線直通列車の全廃も、北大阪急行の延伸を見据えてのことでしょう。


阪急電車・カーブのある風景写真を並べてみました。

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千里線 千里山駅にて
千里線のうち、戦前に開通した千里山以南はカーブが多い

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宝塚線 雲雀丘花屋敷にて
宝塚線は阪急発祥の路線だけあってカーブが非常に多く、スピードアップは難しい

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十三駅 宝塚線ホーム

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十三駅 京都線ホームを発車する5300系普通・北千里行き

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神戸線・春日野道を通過する7000系特急
JR東海道本線とのレースが見どころだ
神戸線といえば岡本のS字カーブが有名だろう

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箕面線 桜井-牧落間の鈍角カーブ

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おまけ 能勢電 絹延橋のカーブ(2007年)




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大阪メトロ御堂筋線から10系が引退、今後中央線の20系(非24系)の去就が注目を集めることでしょう。

10系の引退の早さに驚かれる方も多いようですが、大阪メトロ(旧・大阪市営地下鉄)の車両は、平均寿命30~40年で他の関西私鉄やJRに比べて短いほうで、中央線向け30系最終増備アルミ先頭車のように10年足らずで廃車されたものさえありました。

さっそくですが、大阪メトロに乗り入れる他社車両の平均寿命を見てみましょう。対象となる車両は、北大阪急行8000・9000形(御堂筋線)、近鉄7000・7020系(中央線)、阪急1300・3300・5300・7300・8300系(堺筋線)が挙げられます。

先日引退した10系1126F(1989年製造)は、北大阪急行8000形、近鉄7000系、阪急8300系初期編成と同世代ですね。北急8000形は一部廃車も発生しているが、他は引退の気配すら見せず、まだまだ活躍を続けそうです。これらいずれも、外観・内装スタイルは10系と同世代の車両とは思えないぐらい、とてもよく洗練されています(逆に公営・大阪市交のほうが「質よりも量」な感じのデザインを長く踏襲してて遅れていたとも言える)。

よくよく考えたら、大阪メトロに乗り入れる最古参クラスの車両は、阪急3300・5300系(~1979年)なんですね。これらは非VVVF車で、今時の地下鉄運用車両としては貴重な存在のようです。ただ、3300・5300系は少しずつ廃車が進んで7連に減車される編成も多く、堺筋線直通運用に充当される編成は減少傾向です(堺筋線は8両限定)。その次に古いのは7300系ということになるが、7300系はさほど古い車両には見えず、まだまだ堺筋線での活躍を続けそうですね。


阪急電車の種別幕に「準特急」という見慣れない種別が登場しているようです。

初めは神戸線用の車両について、そして京都線用5300系にも「準特急」コマが入ったと、twitter等で報告されています。 

今なぜ「準特急」なのか、気になるところですね。それは、

1)神戸線・武庫川新駅に伴う停車駅の変更
2)京都線・有料座席サービスとの関連性

が指摘されています。近々(今年~来年あたり)ダイヤ改正があるのかもしれませんね。

「準特急」という種別は、京王のみのものだったが、本年春に廃止されたばかり。阪急では「特急」と「快速急行」の中間種別になるんでしょうか・・・。

(参考資料)
阪急に新種別「準特急」登場か。京都線5300系でも確認

https://207hd.com/post-25359/

阪急「準特急」 駅新設との関連性は?停車駅は?
https://timetablerailway.blog.jp/archives/33234469.html



先日、阪急京都線の上牧駅を訪問しました。

上牧駅は高槻市東部に位置し、島本町との境界もすぐの場所です。JR高槻駅南から阪急上牧駅まで高槻市営バスに乗車しました。上牧地区に市営バスが乗り入れるようになったのは、2013年のこと(1975年の尺代柳谷線廃止以来)。

阪急上牧駅の隣は高槻市と水無瀬。大阪梅田方の高槻市-上牧間は4.3kmで、阪急では最も長い駅間距離です。一方、京都河原町方の上牧-水無瀬間は0.8kmで、直線ということもあり、上牧駅ホーム上から水無瀬駅が肉眼で視認できます(京阪の野江-土居間各駅を想起させる光景)。

阪急の隣には東海道新幹線が並走しています。新幹線開業前、「阪急電車が新幹線の線路を走った」という有名な伝説があります。もともと阪急(旧・新京阪)は地上を走っていましたが、新幹線の高架の重みで阪急の線路が地盤沈下する恐れが指摘され、阪急も新幹線並走区間(上牧-大山崎間)を高架化。阪急の高架化工事中のとき、先行的に完成した新幹線の線路を暫定的に活用して阪急の電車を走らせたという話です。

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阪急上牧駅改札口前

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上牧駅ホームの隣は新幹線が爆走

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高槻市営バスも乗り入れている 運用車両は中型車



5月3日(憲法記念日)に因んで、阪急5300系の画像をお届けします。

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5300系の前面種別・行先幕は、他の在来車両(7000系以前)に比べて一回り大きい印象がありますね。

というのも5300系は自動式種別・行先幕設置改造の時期が遅かったためで、1995年以降に更新を受けた編成が該当します。改造前は地下鉄堺筋線直通用に手動式小型方向幕が設置されていました(冷房改造前の3300系と同様の顔。阪急線内のみの運用時は行先板を使用)。


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阪急今津線(北線)で活躍していた5100系5102F。

5100系といえば宝塚線の印象が強いが、神戸線系の今津線でも活躍していたとは、地味に驚きです。何気に撮影した1枚ですが、よくこんなのを抑えていたんですね。5100系の6両編成もこれまた貴重ですね。

5100系は廃車または能勢電への譲渡が進み、5102Fも運用離脱しているようです。


阪急京都線茨木市駅の連続立体交差化前後のことについて、思いつくままに書いてみました。

茨木市駅の高架化は上り線が1988年、下り線が1990年の供用開始、1991年のショッピングモール『ロサブィア』開業を経て、1992年3月に連続立体交差化事業が完了しました。

立体交差化事業が本格的に始まる1982年、茨木市始発の準急・梅田行きが新設されました。現在の「準急」とは停車駅が異なるもので、

淡路-十三間の各駅、梅田

に停車(しかも梅田行きのみの運転)。この準急は1997年、高槻市始発に延長するも、2001年に廃止されました。

茨木市駅の京都方には、大阪府道r139【枚方茨木線】と交差する踏切が存在し、京阪バス(枚方茨木線)が常時踏切を渡っていました(ほかに近鉄バス鮎川線も)。道路幅も狭く、渋滞に悩まされたことでしょう。

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駅北側にバス通り(踏切)、北西に長崎屋があって、西口にバスロータリーという構図は、京阪寝屋川市駅に似ていると言えます。

歴史的に、阪急京都線は「新京阪」(京阪系列)がルーツということもあって、競合関係の京阪と何かと似ている点も多いのは、当然なのかもしれません。京阪バスが茨木・高槻に乗り入れているのも、その歴史的経緯によるもので、現在の阪急バス路線の一部も元は京阪バスでした。近年になって、寝屋川と茨木を結ぶバス(京阪バス)も開通しました。

両者の大きな違いは、阪急茨木市駅ホームは2面4線&特急停車駅なのに対して、京阪寝屋川市駅は2面2線で特急通過。

踏切からr139を東へ200mの場所(中津町)に、ダイエー(茨木店)がありました。ダイエーは、1980年代後半ごろ「Dランド」に変わり、その後「トポス」を経て2002年閉店。

高架化工事の間、わざわざ枚方から阪急茨木市駅まで自転車で走り、駐輪場に預けて阪急電車に乗って神戸方面へ行ったこともあります。


「大阪梅田」「神戸三宮」を除く阪急・阪神 #駅名はちがうが簡単に徒歩連絡できる駅 を挙げてみました。私個人としての判断の目安は、両駅間概ね400m以内とします。

【阪急宝塚線・神戸線】
川西能勢口       ~ 川西池田(JR福知山線)
中山観音        ~ 中山寺(JR福知山線)
稲野(伊丹線)     ~ 猪名寺(JR福知山線)
阪神国道(今津線)   ~ 西宮(JR東海道本線)
夙川          ~ さくら夙川(JR東海道本線)
芦屋川         ~ 芦屋(JR東海道本線)
岡本          ~ 摂津本山(JR東海道本線)
王子公園        ~ 灘(JR東海道本線)

【阪神】
福島          ~ 新福島(JR東西線)
野田          ~ 海老江(JR東西線)
桜川          ~ 汐見橋(南海汐見橋線)
西宮、香枦園      ~ さくら夙川(JR東海道本線)
打出          ~ 芦屋(JR東海道本線)
新在家         ~ 六甲道(JR東海道本線)
大石、西灘       ~ 摩耶(JR東海道本線)
岩屋          ~ 灘(JR東海道本線)
元町          ~ 旧居留地・大丸前(神戸市営地下鉄海岸線)
              県庁前(神戸市営地下鉄山手線)

【阪急京都線】
南方          ~ 西中島南方(大阪メトロ御堂筋線)
              新大阪(JR新幹線・東海道本線)
崇禅寺         ~ 柴島(阪急千里線)
正雀          ~ 岸辺(JR東海道本線)
摂津市         ~ 千里丘(JR東海道本線)
富田          ~ 摂津富田(JR東海道本線)
高槻市         ~ 高槻(JR東海道本線)
水無瀬         ~ 島本(JR東海道本線)
大山崎         ~ 山崎(JR東海道本線)
東向日         ~ 向日町(JR東海道本線)
洛西口         ~ 桂川(JR東海道本線)
烏丸          ~ 四条(京都市営地下鉄烏丸線)
京都河原町       ~ 祇園四条(京阪)


阪急神戸線・阪神本線および阪急京都線はJR東海道本線(JR京都線・JR神戸線)と並行しており、思いのほかJRとの徒歩連絡の可能な駅が多いですね。もっとも近年、JRの新駅が相次いで開業しているためでもありますが。

阪神間では、大阪市内~西宮市間はJR・阪急・阪神がそれぞれ離れて並行するが、西宮市以西は背後に六甲山地が迫る地形ゆえ、3路線間の距離間隔は縮まり、JRへの徒歩乗り換え可能な駅が多くなります。

京阪間では淀川右岸をJRと阪急が競合しており、特に正雀~洛西口間ではJRとの乗り換え可能な駅も多く存在します。

一つ驚いたのは阪急京都線崇禅寺駅と千里線柴島駅。柴島高校・淀川キリスト病院を挟んで直線距離200mです。ただ、同じ阪急の駅なので、わざわざ徒歩連絡乗継することはあまり考えにくいでしょう。

参考までに、阪急京都・千里線と相互乗り入れしている大阪メトロ堺筋線も付け加えてみました。

【大阪メトロ堺筋線】
扇町      ~ 天満(JR大阪環状線)
南森町     ~ 大阪天満宮(JR東西線)
北浜      ~ なにわ橋(京阪中之島線)
日本橋     ~ 大阪難波(近鉄・阪神)
恵美須町    ~ 今宮戎(南海)
動物園前    ~ 新今宮(JR大阪環状線・関西本線、南海)
          新今宮駅前(阪堺電車)
天下茶屋    ~ 岸里(大阪メトロ四つ橋線)

※ ほかに堺筋本町~本町、日本橋~なんば(大阪メトロ)間も数百メートルだが、同じ大阪メトロの路線どうしをわざわざ徒歩連絡で乗り継ぎすることは実用的でないので割愛。


神戸市内に存在する2つの「六甲」駅。

阪急神戸線の「六甲」(灘区)と神戸電鉄有馬線の「神鉄六甲」(北区)です。

両者の「六甲」駅は六甲山を隔てて直線距離で7km以上離れており、間違って下車するととんでもないことになります。

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「神鉄六甲」は1928年開業時「六甲北口」を名乗っていました。その後、「六甲登山口」を経て、1988年現在の「神鉄六甲」に改称されました。

開業当初の「六甲北口」のほうが一番わかりやすいと思うのに、なぜこの駅名にしたのでしょうか・・・。少なくとも「唐櫃(からびつ)」、または「唐櫃六甲台」ぐらいにするほうが、阪急六甲との混同を防げると思うのですが。

阪急六甲から神鉄六甲までの乗車ルートとして、

六甲~(阪急神戸線・神戸高速)~新開地~(神戸高速・神戸電鉄)~神鉄六甲 870円(45分)
六甲~(阪急神戸線)~神戸三宮~(神戸市営地下鉄)~谷上~(神戸電鉄北神線)~神鉄六甲 770円(25分)

の2つが存在します。三宮で地下鉄に乗り換えるほうが早くて安いですね。以前は新開地経由のほうが運賃面で分がありました。

北神線は神戸電鉄有馬線から神戸市中心部(三宮)への短絡ルートとして1988年開通。全長7km以上のトンネルで六甲山地を貫き、北越急行開業前はJR以外の日本の鉄道で最長の山岳トンネルでした。北神線は2020年まで北神急行の運営だったが、割高運賃が泣き所で市営化への要望が高まり、神戸市営地下鉄として運営されることになりました。


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1988~97年にかけて阪急神戸線・宝塚線に投入された8000系。

阪急電鉄創業80周年(1987年)を機に設計・製造された新形式で、正面のデザインは一新、VVVFインバータ制御を採用するなど、7000系以前の車両をモデルチェンジしたものです。時代も昭和から平成に変わり、平成期前半(9000系登場まで)の看板車両として位置づけられました。8000系の京都線バージョンとして8300系が製造されました。

神戸線・宝塚線では京都線のように特急専用車両の設定がなく、基本的に3ドアロングシート車で統一。ただ、8000系8002F~8007Fのうち、神戸・宝塚方2両(8102・8502~8107・8507)に試験的に転換クロスシートが配されています。世間はバブル経済前後で、同時期に登場したJRの221系近郊型電車(3ドア転換クロスシート)のインパクトを受けたものと言えるかもしれません。他方、京都線特急はクロスシートなのに神宝線はロングシートばかりという不満の声も寄せられていたようです。

私も8000系クロスシート車に何度か乗車したことがあります。特に運用が固定化されているわけでもなく、他の車両に比べて乗り得感はあるが、座席と窓割りが合ってないなどの問題点が挙げられます。窓配置はロングシートに合わせたものなので、仕方ないでしょう。

結局8000系のクロスシート仕様は定着せず、8008F以降は全車両ロングシートに戻り、後継の9000系や1000系に続きます。本格的な3ドアクロスシートは、京都線の後継特急車9300系(2003~2010年)に採用されます。

8000系クロスシート編成は8両固定編成なので、ホーム有効長6両の山陽電鉄須磨浦公園直通(廃止)に運用された実績はないはず。一方、能勢電鉄直通の特急【日生エクスプレス】では一定の確率で遭遇します。

最近、8000系クロスシート車のロングシート化改造も進んでいるようです。やはり混雑時のクロスシートには難があるのでしょう。京阪9000系と同じ運命をたどっているようです。


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阪急5000系のキリ番5000です!

5000F(8両編成)は神戸線で活躍していましたが、2020年に廃車されてしまいました。

5000系は現在、今津線用の6両編成が7本残っています。


京阪2200系の運用大量離脱の話題で賑やかですが、 ここで阪急の2200系について調べてみました。

阪急2200系は影の薄い車両形式で、1975年神戸線に8両1編成だけ投入されました。

阪急の2000番台形式には、1975年の時点で既に2000系・2300系・2800系が存在し、製造終了。3000 番台はおろか5000番台形式の量産も佳境を過ぎた頃に、阪急電車の次世代モデルの模索車両として、試験的に製造された車両が2200系です。

本形式には8両固定編成、車体のモデルチェンジ、ワンハンドルマスコン、電機子チョッパー制御の実用試験、そして種別・行先表示幕などの新機軸が取り入れられ、6000系の試作車扱いでした。編成は、

2250(Tc)-2700(M)-2701(M)-2750(T)-2751(T)-2710(M)-2711(M)-2251(Tc)

でした。客用扉と運転室との間のスペース部分には(5000番台形式までの車両にあったこの間の客室用側窓は廃止)、「H」のエンブレムが初めて設置され、同時期に製造開始の6000・6300系に本格採用されます。なお、2751号はアルナ工機が阪急電鉄に納入した通算1000両目の記念すべき車両です。

登場から10年後の1985年、2200系のVVVFインターバー制御の実用試験車を2両(2720(M)-2721(M))新造。世間はVVVFインターバー制御電車の実用化が本格的に始まる頃でした(関西では1984年より、大阪メトロ20系と近鉄1420系で採用開始)。上記編成は、

2250(Tc)-2700(M)-2701(M)-2720(M)-2721(M)-2710(M)-2711(M)-2251(Tc)

に差し替えられました。余剰となった2750-2751は6000系に組み込まれました(2750→6750、2751→6751に改番)。

その後の変遷についてはやや複雑なようなので、詳細は割愛するが、1995年阪神・淡路大震災で2721が廃車、他の残りは全て6000系または7000系に編入され、中間車の一部は宝塚線に転属。先頭車2250・2251は6000系を経て、7000系の7090・7091に改番(2019年)されています。2018年より元2200系に廃車が発生(該当車両は2750→6750、2751→6751)。


阪急神戸線のレア種別の一つである「急行」について。

阪急神戸線のダイヤ体系は、昔から「特急」と「普通」の二本立てを基本としており(西宮北口で特急・普通の緩急連絡を行う)、単純明快と言えます。ラッシュ時間帯には、

通勤特急快速急行急行通勤急行準急

の種別が加わります。

このうち、「急行」は「特急」と並んで戦前から存在する伝統的な種別ですが、神戸線での「急行」は昔から脇役的存在のようです。「急行」の停車駅は、

大阪梅田、十三、塚口、西宮北口~神戸三宮~新開地間各駅停車

であり、これも戦前から変わっていないようです。

神戸線の「急行」の現ダイヤでの運転本数は以下の通りです。

【平日】
(下り)
大阪梅田→神戸三宮 (深夜2本)

【土休日】
(下り)
大阪梅田→新開地  (深夜1本)
大阪梅田→神戸三宮 (深夜3本)
(上り)
神戸三宮→大阪梅田 (早朝1本)


阪神淡路大震災以前は、平日朝夕の時間帯、休日の午前・午後・深夜に運転され、西宮北口折り返しもありました。阪神競馬場で競馬開催日には、西宮北口折り返し便を延長する形で、梅田-仁川間の「臨時急行」として運転されていたようです(今津線に直通する関係で西宮北口は通過扱い)。

「急行」の派生種別である「通勤急行」は、急行停車駅に武庫之荘駅が加わり(→塚口以西各駅停車)、平日ラッシュ時中心にそれなりの本数が設定されています。もともと「急行」として運転されていたのを置き換える形で、1995年6月ダイヤ改正時に新設されたものです。大阪梅田~高速神戸・新開地間に設定されています。


1985年のある日、家の用事で川西能勢口を訪れました。

当時、川西能勢口駅前(阪急宝塚線・能勢電鉄)は、高架化工事が始まって間もない頃だったと思います。 能勢電には小型旧型車(吊り掛け)の置き換え用に大型車1500系(阪急2000・2100系の改造)が続々登場、遅れ気味だった冷房化も漸く始まったところです。

能勢電は1981年まで、川西能勢口から国鉄福知山線の川西池田駅(=川西国鉄前)にも線路が伸びていました。この区間が廃止されたのは、利用客が少ないことに加え(廃止直前は1日2往復だけだった)、川西能勢口駅立体化および再開発の一環でもあったようです。川西国鉄前行き専用車50形の塗装(白と青のツートンカラー)が、現行5100系5124Fで復刻しています。

川西能勢口で降りて、さっそく駅前のジャスコに入り、昼食タイム。カレーとクリームソーダーを注文したと思います。

この当日、私個人的に一番印象に残っているのは、「篠山町後川行き」の阪急バス。この行き先のバスに興味をそそられました。篠山町といえば丹波の城下町で有名で、福知山線に「篠山口」駅があり、川西市の北側・猪名川町からさらに奥のほうではないですか。篠山町は現在の丹波篠山市(1999年「篠山市」誕生ののち、2019年に「丹波篠山市」に改名)。川西能勢口から終点まで全長30kmを超えます。阪急バスにこんなロングランの路線があるんだな、と驚きました。「後川」は「しつかわ」と読み、丹波篠山市最南端、武庫川支流・羽束川の谷中集落です。

あれから数年後、川西バスターミナル、川西阪急開店および川西能勢口~JR川西池田間連絡デッキなどが整備され、町の様子も大きく変わりました。



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阪急5300系

意外に5300系の写真はあまり撮ってなかったです。

1300系の順次投入で5300系もどうなるかはわかりません。堺筋線直通での3300・5300系運用が減っていることだけは確実のようです。
 


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先日、大阪メトロ中央線(4号線)と阪神なんば線の「九条」駅の「逆転」現象についての記事を投稿しました。

http://katanogawara.blog.jp/archives/37675628.html

同様の事例は大阪市内で他に見ることができます。

それは、大阪メトロ御堂筋線(1号線)と阪急京都線の交差地点にある駅(大阪市淀川区)。

御堂筋線の「西中島南方」駅は高架ホーム、その下には阪急京都線が通り、「南方」駅という地上駅があり、両路線の乗り換え駅となっています。

御堂筋線の中津駅以北では新淀川を渡るため、地上高架区間(新御堂筋=国道423号線の中央部)を走ることになり、新大阪駅を経て吹田市の江坂駅から北大阪急行電鉄線に社名が変わり、千里ニュータウンの中心部である千里中央駅まで伸びています。西中島南方駅は地上区間最初の駅であり、中津-西中島南方の間で新淀川を渡ります。この駅の北隣は新大阪駅で、両駅間は市街地が連坦しています。

西中島南方駅は御堂筋線地上区間で唯一相対式ホームの構造です(北大阪急行線を含めると、緑地公園駅も相対式ホーム)。

当駅は大阪で2つの地名を合体させた最初の駅名(複合駅名)であると言われています。旧・西成郡西中島町に由来する「西中島」と、大字名の一つである「南方」(阪急の駅名と同じ)が合体することで「西中島南方」に命名された経緯があります。このような複合駅名は谷町線(2号線)に多いです。

西中島南方駅は1964年梅田-新大阪延長と同時に開業の比較的新しい駅です(東海道新幹線開通の翌年)。阪急南方駅のほうが古く(1921年北大阪電鉄の十三-淡路-豊津間開通と同時に開業)、中央線・阪神の「九条」とは事情が異なります。

阪急南方駅はもともと基本的に優等列車の通過駅だったが、新大阪のオフィス街の一角という立地から、現在では準急・快速が終日停車します。南方駅は京都・宝塚・神戸線の集まる十三駅から一つ目です。

阪急京都線・千里線と地下鉄堺筋線との連絡乗車券は天神橋筋六丁目経由であり、南方駅での直接の乗り継ぎは不可能です。

* * * *

新型コロナ第4波の急拡大のもと、第三の緊急事態宣言発令(2021年4月25日~5月11日の予定)に伴い、発令対象の都府県エリアの鉄道・バスは土休日を中心に大幅減便が実施されることになりました。大阪メトロ御堂筋線では、昼間時間帯天王寺-新大阪間の小運転が軒並み運休、列車本数が5割削減という衝撃的なダイヤとなる予定で、「蜜」が心配されます。



大阪~京都間を結ぶ鉄道には、JR新幹線・東海道本線(JR京都線)・阪急・京阪の4つがあり、JR(新幹線を除く)・阪急・京阪は所要時間・スピード・運賃・快適さなどの輸送サービス面で凌ぎを削る激しい競合関係にあります。

どちらが有利なのかは一概に言えず、目的地にもよりけりで一長一短でしょう。スピード重視ならJRの新快速、運賃の安さでは阪急、所要時間のハンディはあるが快適さを求めるなら京阪特急を選ぶのが一般的でしょう(京阪特急にはプレミアムカーやダブルデッカーが連結されている!)。

京都市内の目的地も京都駅周辺ならJR、四条烏丸は阪急、四条河原町・祇園・東山エリアは阪急または京阪、洛北エリアへは京阪が便利です。四条烏丸や洛北方面へは京都駅から地下鉄(烏丸線)利用もかなり一般的のようです。

大阪~京都間の移動には、他にも可能なルートが幾つか存在します。その一つは近鉄(奈良線・京都線)。大阪側のターミナルはJR・阪急はキタの梅田なのに対して、近鉄はミナミのなんば(難波)(京阪はその中間の京橋・淀屋橋)。近鉄ルートは大和西大寺乗り換えのやや遠回りルートですが、意外に使えるようで、有料特急に乗るプレミアムな移動も可能です(うまくいけば伊勢志摩ライナーや「ひのとり」に乗ることもできる)。近鉄の京都側のターミナルはJRと同じ京都駅です。

* * * *

ここで意外な競合ルートを一つ挙げてみたいと思います。

対象区間は大阪日本橋~四条烏丸間。日本橋はなんばから東へ一駅目、黒門市場や「でんでんタウン」などで有名でしょう(「でんでんタウン」は堺筋線で南へ一つ先の「恵美須町」下車)。国立文楽劇場やなんばグランド花月・よしもと漫才劇場へも日本橋駅から徒歩数分の圏内で便利です。

日本橋~四条烏丸間の競合路線として、

1)大阪メトロ堺筋線~阪急千里線~京都線(烏丸駅下車) (48.6km)
2)近鉄奈良線~京都線~京都市営地下鉄烏丸線(竹田乗り換え、四条駅下車) (63.8km)


が存在します。堺筋線は阪急千里線・京都線に、烏丸線は近鉄京都線に乗り入れています。

運賃は

1)630円、2)1,160円

で、2)の近鉄ルートは距離が長い分、運賃もおよそ2倍ですね。

所要時間はどうでしょうか?

1)51分(淡路で特急乗り換え)、57分(高槻市で特急乗り換え)、73分(全区間準急に乗車)
2)84分(奈良線快速急行・京都線急行利用、竹田で烏丸線乗り換え)


と、やはり阪急ルートが早く、残念ながら近鉄を利用する実用上のメリットは感じられません。

阪急の準急・京都河原町行き(土休日限定)を乗り通す場合と比較すると、近鉄ルートも所要時間的にはいい勝負と言えます。それでもなお、高槻市以東各駅停車ではあるが「乗り換え無し」の阪急直通準急に分があると言えるでしょう。

近鉄を利用するメリットがあるとすれば、京都駅周辺や伏見区方面に用事があるときでしょうか。近鉄日本橋~京都間の運賃は960円と、やはり割高感はありますが。ただ、座席指定の有料特急を乗り継いで快適な移動を楽しむ考えもありで、石切付近から目の前に広がる大阪平野一望のパノラマ風景を楽しめるのも魅力と言えるでしょう。特急は日本橋には止まらないので、一つ隣の大阪上本町で乗り換える必要があります。

近鉄ルートの場合、阪神車(1000・9000系)+京都市交車(10系)のみの乗り継ぎパターンも可能です(大和西大寺から急行・国際会館行きに乗る場合のみ)。阪急ルートでは、大阪メトロ車(66系)は高槻市までの運転で、以遠は阪急車に乗り換えることになります。

阪急「烏丸」駅と地下鉄「四条」駅は、「四条烏丸」への駅名統一を望まれるところでしょう。


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能勢電3100系が来月引退と発表されました。

能勢電の3100系は1997年に4連1編成だけが登場。阪急3100系からそのままの形式ですが、車両番号は阪急時代の

3156-3604-3653-3106

から

3170-3620-3670-3120

に改番。正面にはステンレスの飾り帯が付けられ、非常用貫通扉も交換されるなど、スタイリッシュな姿になりました。

能勢電には現在7200系(旧・阪急7000系)を順次投入、老朽化の進む1700系を置き換えつつあります。まだ1700系が残る中、1編成だけの3100系引退が突然発表されました。3100系も製造から50年以上経過しており、いつ廃車になっても不思議ではないが、古い1700系よりも先に引退することになり驚きです。
 
画像の3100系は復刻「フルーツ牛乳色」(2009年)の時の姿です。運転室上の「おでこ」部分に車両番号が付いているはずですが、地の車体色と光線との加減のせいで(笑)。


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既に昨日のメディアで報じられたように、阪急京都線の特急に有料座席導入を検討中とのことです。

阪急電車に有料座席とは違和感があるかもしれません。しかし昨今の着席通勤需要の高まる情勢のもと、京都線のライバルである京阪特急には「プレミアムカー」連結の特急(3000・8000系)を終日運行、JRの新快速では試験的なものであるが223系の一部車両を改造して「Aシート」を導入しています。この流れでいずれ阪急でも有料座席が導入されるだろうとの見方も有力になりつつあったが、ついに新聞・メディアで報道されるに至り、いよいよ歴史の転換期を迎えたことを実感された方も多いでしょう。

実際にどのような形で有料座席を導入するのかといえば、通勤時間帯に運転、専用の電車を設けるか一部の車両を有料の指定席にすることを検討、コンセントや通信環境も整備する見通しとのこと。

どの車両が充てられるのかは興味深いところで、9300系の一部車両の改造なのか、7300・8300系の増結編成を改造するのか、はたまた前代特急車6300系の再登板なのか・・・。6300系は現状嵐山線専用4連×3本と「京とれいん」6連1本が残るのみであり、またホームドア導入の関係上6300系を充てることは考えにくいでしょう。「京とれいん」は観光専用なので、通勤輸送向きではないでしょう(「京とれいん」は料金不要で乗車できる!)。どうも9300系の一部改造の可能性が濃厚のようですね。

阪急京都線特急に「有料座席」導入へ。着席サービスの内容は?(タビリス)
https://tabiris.com/archives/hankyu-yuryo/



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もし京阪交野線が高槻~枚方~交野~生駒を結んでいたら、関西私鉄の構図は大きく変わっていたかもしれない、と思いました。

京阪交野線は信貴生駒電鉄枚方線として1929年(昭和4年)枚方東口(現・枚方市)-私市間が開業。私市から磐船街道(国道168号線)に沿って奈良県の生駒まで延伸する計画でした。生駒からは同じく信貴生駒電鉄として開通した現・近鉄生駒線(生駒-王寺)と結んで、京都方面から信貴山への参詣客を運ぶことを目論んでいました。

しかし、昭和恐慌により私市-生駒間の開通は頓挫。枚方線は京阪出資の交野電気鉄道が運営することになり、戦後は京阪交野線となり現在に至ります。

ここで仮に京阪交野線が枚方から淀川を渡って高槻まで伸びていたら、と考えてみました。高槻市内では阪急京都線の高槻市、もしくは国鉄東海道本線高槻駅が起終点となるでしょう。

面白いことに、阪急京都線も元は京阪出資の新京阪であり、戦時中の1945年に京阪は京阪神急行電鉄(現・阪急電鉄)と合併するが、1949年京阪電鉄は阪急から分離独立と同時に、新京阪の路線はもともと淀川左岸の京阪(本線・交野線・宇治線)と路線が繋がっていないこともあり、阪急に取り込まれました。

もし交野線が当初から新京阪の高槻市駅を起点として敷設されていれば、新京阪由来の路線(阪急京都線・千里線・嵐山線)はそのまま京阪電鉄の路線として今日に至ったかもしれません。そればかりか、京阪の梅田進出も現実のものになり、関西の鉄道における政治的立場も優位に立ち、経営面でも有利な展開になっていたかもしれません(地下鉄谷町線のルートも変わっていたかも)。さらに、1970年大阪万博を機に京阪(千里線)が大阪市営地下鉄(→大阪メトロ)堺筋線に直通運転することにもなり、天下茶屋で京阪と南海が間接的に接続することにも。

交野線が私市から生駒まで開通すれば、現在の近鉄生駒線も京阪の路線になっていたかもしれません。


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能勢電1500系。

1500系は元・阪急2100系で、1983年~85年にかけて譲渡されました。

能勢電初の大型車かつ冷房車であり、沿線人口急増の能勢電における旅客サービスアップの立役者でした。能勢電への譲渡に際して、冷房化および600V降圧化へ改造工事が施されました(能勢電は1995年に1500Vへ昇圧)。

その後、1990年より1500系と同じスタイルの1700系が登場するが、1700系は阪急2000系を種車としていて、なおかつ既に冷房改造済みであることが1500系との相違点でした。

小型の旧型車は1992年に全廃され、この時点でようやく冷房化率100%を達成。

1500系も譲渡から30年近く経過して老朽化が目立ち、5100系に置き換えられる形で2016年までに引退しました。


阪急中津駅は神戸本線・宝塚本線・京都本線※1)の「3複線」区間、大阪梅田-十三間の中間にあります。国道176号線との並走区間でもあり、新淀川に架かる十三大橋の南詰にあたります。

大阪メトロ御堂筋線にも「中津」駅があり、しばしば「ムカつく行き先」のネタになりやすいですね。阪急中津駅からは、JR梅田貨物線を挟んで300mほど東にあるので、乗り間違いに注意。 梅田貨物線には新大阪・京都からの特急【くろしお】【はるか】が走っており、何気に阪急の3複線区間の下を通ります。

問題の阪急中津駅。神戸線・宝塚線用に各1面2線の狭い島式ホームが設置されているが、京都線用のホームは設置されていない(したがって京都線の列車は「普通」を含め中津に止まらない)ことは有名。それも京都線用の線路は後から追加で敷設されたものであり、用地確保の都合でホーム設置が困難だったため。その歴史的経緯からも、京都線用の梅田-十三間の線路は戸籍上「宝塚本線」に所属しています(よって京都本線の正式区間は十三-京都河原町)。

中津駅に停車する列車は、神戸線・宝塚線の「普通」と宝塚線の「準急」宝塚線の「準急」は朝ラッシュ時のみ宝塚→大阪梅田間の片道運行です。宝塚方面行きの列車は、「普通」しか止まりません。

神戸線にも朝ラッシュ時のみ、宝塚発今津線経由の「準急」が運転されています。宝塚線経由と異なり、中津駅には止まりません。また、今津線のホーム有効長が6両編成であるため、神戸線内唯一の6両編成であり、しかも西宮北口駅は通過という、ネタ要素の多い列車です。

阪急中津駅西側の国道176号線沿いに大阪シティバス中津営業所があります。御堂筋線の「中津駅」よりもシティバス営業所のほうが近く、阪急の車内からも間近に確認できます。


※1)通常、「本線」を略して、便宜上「神戸線」「宝塚線」「京都線」と案内表記されるされる。


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阪急京都線の「準急」。

阪急電車における「準急」自体、もともとレアな列車種別。京都線においては、2007年以降、対岸のライバルである京阪と同様に、終日「準急」が京都線全線(大阪梅田-京都河原町間)にわたって運転されるようになります。ラッシュ時間帯には、大阪メトロ堺筋線直通の「準急」(天下茶屋-京都河原町間)(通称・「堺筋準急」)も堺筋急行・堺筋快速急行に代わって登場。堺筋準急は2011年以降、土休日の日中にも新たに運転されるようになります。

京都線では過去にも「準急」が設定されていた時期があります。

それは1982-2001年で、朝のみ下り大阪梅田(梅田)行きのみの運転でした。平日は茨木市始発、1997年以降は土曜朝にも高槻市始発を運転。停車駅は

高槻市、茨木市、淡路-十三間の各駅、梅田

で、現行のものとは大きく異なります。大阪市内区間が各駅停車となっているのが特徴ですね。通常だと、急行や準急などの中間優等種別は、大都心部から離れて郊外へ進むほど、各駅停車(事実上の「普通」)になるのが一般的だが、京都線の旧・準急は大阪市内の郊外区間のみ各駅停車、以遠京都側は通過運転を実施する珍しい停車駅パターンでした。なお、十三と梅田の中間にある中津駅では、京都線用ホームは設置されておらず、全列車通過です(神戸線・宝塚線の普通が止まる)。

ちなみに現在の準急停車駅は

大阪梅田、十三、南方、淡路、上新庄、南茨木、茨木市、高槻市-京都河原町間各駅停車

で、快速急行以上の通過する南方・上新庄・南茨木にも停車します(南方は大阪メトロ御堂筋線、南茨木は大阪モノレールとの乗り換え駅でもある)。


阪急電車の少数派形式8200系。

8200系は8000系をベースに、神戸線のラッシュに対応して座席収納の機構を設けられた形式。1995年阪神淡路大震災からの神戸線全面復旧に合わせ、8200-8250と8201-8251の2両編成×2本で合計4両が製造されました。所属は神戸線。

阪急8200系は京阪の5ドア車5000系(2021年3月引退予定)と共通する点があり、興味深いものがあります。 それは前述の座席収納機構。京阪5000系は元祖・多扉車として知られ、ラッシュ時には乗降時間短縮を目的に片側5ドアをフル開閉するが、昼間の閑散時には「ラッシュ用ドア」2ドアを締め切って3ドア車として運用。ラッシュ用ドアの上部には座席が収納され、座席定員増も図っています。

阪急8200系の座席収納機構は京阪5000系とは異なるものです。通常の3ドア車で、座席配置もドア間にロングシートが配されるが、これが折りたたみ式なのです。ラッシュ時に最も混雑率の高い大阪梅田方に増結することを前提としていることもあって、2両2本の少数派にとどまっています。平日朝ラッシュ時以外は車庫で眠っており、もったいない感じがしますね。

8200系開発当時の1990年代、首都圏ではJR山手線をはじめ多扉車が相次いで導入されました。阪急もその影響を受けたのでしょうか? 阪急8200系は通常の3ドア車と同じ寸法で製造されたことから、「多扉車」のカテゴリーには含まれないが、ラッシュ対応の特殊機構付き車両という意味では多扉車と共通するものがあると言えます。

座席収納車両の運用自体は長く続かず、2007年の優先座席復活時に終了(2000年代の一時期、関西私鉄で唯一阪急は優先座席を設定せず。乗り入れ先の大阪メトロ堺筋線もそれに付き合う格好だった)。これに伴い、座席収納機構を撤去し、9000系に準じた通常のロングシートに変更するなどの改造を受けました。

改造後は他の増結編成と共通運用で、やはり平日ラッシュ時間帯のみの稼動です。乗務員訓練のため、伊丹線に入線することもあるようです(ただし営業運用は無し)。


1980年代半ば、すなわち昭和60年前後の高槻周辺について、思いつくままに挙げてみました。

○阪急高槻市駅高架工事中(下り線高架化は1989年、上り線高架化は1993年に供用開始)

○高槻市営バスにスケルトン車(西工58MC)導入 合わせて塗装変更開始(1984年)

○1985年国鉄ダイヤ改正(新快速の新大阪停車、昼間時間帯の快速電車高槻以東各駅停車 & 普通電車の201系統一と合わせ高槻-加古川系統の新設)

○高槻市営バス杉生~亀岡間廃止と同時に、国鉄(JR)高槻駅北~樫田地区(田能・二料・中畑)系統運行(1983年)

○ニチイ(→サティ)南高槻店開業(1985年)(2005年閉店→跡地付近にMaxValue)

○ダイエー高槻店(1971年開業)が「Dランド」を経てトポスに店名変更(→2000年閉店→跡地はマンション)


1980年代後半の高槻のイメージいえば、やはり阪急高槻市駅高架工事中でしょうか。高架工事の間、高槻市営バスの阪急高槻乗り入れが休止となるが、高架完成後には路線再編が行われ、阪急高槻への市営バス乗り入れが復活することになります。

国鉄がJRに生まれ変わり、東海道本線(JR京都線)は列車本数大増発と221・223・207系電車の投入、そして新快速の高槻停車(1990年)などの輸送改善が続くもとで、阪急京都線は京阪間輸送で苦戦が強いられ、1997年より特急が終日高槻市に停車するようになります。

阪急高槻の南にあったダイエー高槻店ですが、いつしかDランド→トポスに店名が変わりましたね。1994年国道171号線沿いにジャスコ高槻(→イオンモール高槻)開店後、ダイエー(トポス)の売上減が目立ち、2000年に閉店しました。

センター商店街にニチイ(マイカル)がありました。市街地の南側にニチイ南高槻店が開業するが、ここも20年の短命に終わりました。

阪急高槻と松坂屋を結ぶ商店街にはJoshinがあり、当時の郊外店としては珍しくパソコンが並ぶマニアックなお店で、「ミニ日本橋」という感じでした。ちなみに、阪急高槻市駅から大阪日本橋・恵美須町(地下鉄堺筋線)まで一本の電車が直通していますね。阪急高槻周辺の商店街といえば、意外に大阪ミナミのような雰囲気も感じられるが、偶然でしょうか?

高槻市営バスの現行塗装は1984年に導入。先代の塗装は阪急バスと似ているものだったが、新塗装は緑を基調とするものに変更されました。ちなみに、高槻市内における阪急バス路線は、市営バスおよび京阪バス(枚方高槻・茨木線ほか)のテリトリーゆえ、柱本地区とJR富田駅前などわずかに乗り入れる程度です(1997年までは京阪急行線の残滓として、茨木~水無瀬系統が国道171号線を通っていた)。

当時、私は自転車で府道6号を走らせ亀岡までよく遠征に出ました。途中、京都市西京区に越境するところでおいしい湧き水があり、これで一息ついたものだが・・・。


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山陽電車3050系3638-3639編成。

何気に山陽姫路にて撮影しましたが、この編成は1981年製造の新アルミ車です。

山陽3000系・3050・3200系シリーズは、1964~85年まで20年以上にわたり合計133両製造。車体はアルミ車・銅製車の2種類が存在するが、車体構造は同じですね。

3000系シリーズは、以前は特急から普通まで幅広く運用され、阪神大石および阪急六甲まで乗り入れるなど、山陽電車を代表する車両でした。現在、普通(各駅停車)主体の運用で、阪神・阪急直通区間も神戸三宮駅までとなっています(阪神神戸三宮折り返しのため、阪神大石まで回送運転が行われる)。


摂津市の近鉄バス「庄屋」バス停。

阪急電車正雀車庫・工場の前です。

「庄屋」バス停には、摂津市内循環【53】【55】号が合わせて1日9本停車。土・休日と年末年始は運休なので注意です。

阪急電車の車庫前に近鉄バスの停留所とは、少し違和感もありますが・・・。

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阪急のマイナーな形式だった5200系。

5200系の写真は撮ってないし、詳しいことはよく知らないが、1970~71年に25両製造され、神戸・宝塚線に投入されました。

5200系は5000系をベースに製造され、阪急初の新製冷房車(関西初の通勤冷房車といえば、京阪2400系ですね)。車体は5000系を継承しているが、冷房装置の搭載のため屋根高さが従来より70mm高くなり、尖ったスタイルが特徴的です。

5200系の廃車は早く、寿命20年の1991年より始まりました。晩年は全編成6両編成化され今津線専用となるが、2000年までに全廃されました。せっかく冷房車としてデビューしたにもかかわらず、長くて30年の寿命だったのは、不運の車両でしたね。

一時期、1984年六甲事故の関係で、編成中に京都線元特急車2800系のT車2両を挿入した編成も出現したようです。



看板車のまま残った阪急車両の画像を集めてみました。
比較的近年(2006年以降)に撮影したものです。

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嵐山線運用に入る2300系2309-2360編成(2006年)

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石橋に停車中の箕面線3100系3157F
「石橋」駅は「石橋阪大前」駅に改称


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嵐山に停車中の2360号(2008年)

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松尾(→松尾大社)駅に入線する桂行き2309F(2008年)

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伊丹線運用に入る3000系3031-3077(2008年)



阪急電鉄のTwitter公式アカウントに、京都線に7両編成が残る理由が投稿されていました。

https://twitter.com/hankyu_ex/status/1194519338927173633

京都本線と千里線では、京都河原町駅2号線を除いて、ホーム有効長は8両編成対応となっています。 
大阪メトロ堺筋線直通電車は8両編成に統一されています(かつては5・6両の短い編成だったが)。
また、神戸・宝塚本線の電車は、今津線直通を除いて8両編成(以上)で運用されています。

京都線・千里線も全列車を8両編成に統一できるはずだ、と思われますが、7両編成を残さざるを得ない事情があるんですよ。

それは、車庫の収容能力の問題。

神戸・宝塚線に比べて短編成も多かった京都線でも、車庫の拡張を進めてきたものの、もう空いている土地はなく、限界に達しているようです。正雀車庫でも、6両や7両までしか入れない配車線が少なからず残っています。そのために、7両編成が残るというわけですね。

最近、5300系の7両編成化が目立つ一方、堺筋線直通用に造られた古豪3300系の8両編成が増えているみたいですね。そういえば、私が京都線に乗る時、3300系によく出会うが、気のせいでしょうか?

京都河原町駅のホーム構造が、京阪淀屋橋駅と同じ島式1面3線で、切り欠き式の2号線(2番線)はホーム有効長が7両であるのは、興味深いです。京阪淀屋橋の場合、4番ホームまであるが、1番ホームと4番ホームは連続一体化構造であり、縦列停車で捌いています。

阪急京都線とは対照的に、京阪では特急以外の列車で7両編成が増加傾向にあり、一般車8連(主に6000系)は余剰気味のようです。その理由はわかりやすく、京都口の急行通過駅のホーム有効長が7両分しかなく、本線通しの準急が終日運転されるため。利用客の長期減少傾向が止まらないという事情もあるでしょう(その代わり、本線系統では、かつて4・5両の短編成もあった普通を含め、7両以上で統一)。


新幹線型配線という言葉を聞いたこともあるかと思います。それは、「複線路線の相対式ホームで、通過列車用の本線と停車列車用の副本線があり、追い抜き可能な駅」=「相対式2面4線を備え、内側は通過線」。すなわち、新幹線の途中駅に多く見られることから、「新幹線型配線」と呼ばれることもあります。

在来線や私鉄での新幹線型配線は、日本ではどちらかといえばあまり数は多くないように思います。

関西私鉄・JRでの「新幹線型配線」駅として、

(阪急神戸線)六甲
(近鉄奈良線)瓢箪山
(近鉄南大阪線)今川、河内天美
(近鉄名古屋線)楠
(JR阪和線)上野芝


が挙げられるが、やはり数は少ないですね。なぜか近鉄南大阪線に新幹線型配線の駅が2つも存在するとは、びっくりです。

「新幹線型配線」もどきと言えるものとしては、

(阪急京都線)富田

があります。阪急富田駅は、相対式2面2線のホームの間に、上り(京都方面行き)用通過線1本の合計2面3線という特殊な配線形態となっており、ぱっと見た目には新幹線型配線と言えます。なぜ、このような珍しい配線になったのかといえば、高槻市駅高架化工事に合わせて京都方面行きホームに仮待避線として設置されたため。高槻市駅立体化完成後も、富田駅はそのままの配線です。

過去に新幹線型配線だった駅に、

(近鉄京都線)小倉

があります。小倉駅は1980年代初期まで新幹線型配線でした。しかし、隣に向島駅が開業、島式2面ホームで待避線機能が設けられたため、小倉駅での新幹線型配線は廃止され、待避線無しの典型的な相対式ホームとなっています。


新幹線型配線と類似のものとして、方向別複々線の線路で外側線のみにホームのある駅が挙げられます。関西では、京阪本線の複々線区間(天満橋-寝屋川信号所)で「準急以上の種別が通過する」駅が該当し、大阪方から順に

野江、関目、森小路、千林、滝井、土居、西三荘、門真市、古川橋、大和田

109駅です。準急停車駅の京橋・守口市・萱島では、島式2面ホームで、緩急連絡が可能な構造となっています。

同じく方向別複々線のJR東海道・山陽本線では、快速通過駅も含めて、島式2面ホームであり、新幹線型もどきの駅は見られません。


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能勢電5100系5142Fの復刻塗装(「ティラミス」)です。

5100系には、もう一つ別の復刻塗装(5124F)があります。
それは、小型車50形の復刻塗装で、白と青のツートンカラーを配しています。阪神の青胴車をイメージするカラーデザインにも似ていますね。50形は晩年、川西能勢口-川西国鉄前間(1981年廃止)の折り返し運用に就いていました。能勢口~川西国鉄前(JR川西池田駅)の廃線跡は歩道として整備されました。


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箕面線で活躍していた3100系看板車です。
2006年石橋(→石橋阪大前)にて。 


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阪急・阪神「梅田」駅は「大阪梅田」に

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山陽電車の「阪神梅田」幕はどうなるかな?

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阪急「石橋」は「石橋阪大前」に
箕面線の表示幕はどうなるのだろうか?

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三宮そごうは「神戸阪急」へ

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西武高槻は「高槻阪急」に



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阪急淡路駅(大阪市東淀川区)で下車してみました。

阪急淡路駅は京都本線と千里線(大阪メトロ堺筋線直通)が平面交差する要衝です。ただし、かつての西宮北口のダイヤモンドクロスではなく、近鉄大和西大寺駅と同様の配線構造です。 現在、立体化工事が進んでいるが、竣工までまだまだ年数はかかりそうです。駅前周辺は、少し前まで昭和の下町の雰囲気が色濃く残っていたと思うが、いずれ立体化完了とともに大きく変わるでしょう。

本年3月、JRおおさか東線新大阪-放出間開業に合わせ、阪急淡路駅の近くにJR淡路駅が設置されました。阪急淡路駅東出口から北東へ向かって淡路東商店街を通り抜け、徒歩5分前後で乗り換えが可能です。阪急電車の車内からウグイス色の電車(201系)が見れるとは、少し妙な感じもします。

「淡路」といえば、淡路島を連想されることと思います。なぜ、大阪市東淀川区に淡路という地名があるのかといえば、平安初期の頃、菅原道真が大宰府へ左遷され淀川を下っていた時、当時は中州だったこの界隈を淡路島と勘違いしたという伝説によるもの、とされています。そういえば、この近隣に「菅原」という町名もありますね。ちなみに、JR淡路駅の所在地は菅原5丁目です。

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