


このエリアは大阪府北摂および兵庫県阪神エリアに連なる阪急京都線・JR東海道本線・国道171号線沿線ということもあって、京都府でありながら大阪梅田を中心とする北摂・阪神エリアの雰囲気も感じらる特色のある地域で、共通点も多く見出されます。西山・乙訓地域は京都・北摂・阪神文化の融合エリアと言うほうが的確でしょうか。それゆえなのか、西山・乙訓エリアは京都観光のスポットとしてはやや地味な印象を受けます。
西山・乙訓エリアと北摂・阪神エリアとの類似点を思いつくままに挙げてみました。
○勝竜寺(長岡京市)と勝尾寺(茨木市)→ともに国道171号線で見かける地名
○光風台(長岡京市、豊能町)
○洛西ニュータウンを走る阪急バスは千里ニュータウンの雰囲気を感じさせる
○全国屈指の酒どころ(伏見、伊丹、灘)がある 大山崎・長岡京にはウィスキー・ビールの工場が集積
○三菱電機の製作所(長岡京市)などを核とする工業エリアのあたりは尼崎や伊丹に似ている
○「北ノ口」バス停(向日市物集女、伊丹市)
○京都競馬場(伏見区淀)、園田競馬場(尼崎市)、阪神競馬場(宝塚市)
○大山崎にダイハツ京都工場がある(本社・池田市)
○阪急沿線屈指の紅葉の名所が点在(嵐山、光明寺、善峯寺、箕面、ほか)
○阪急嵐山・箕面・宝塚駅はともに観光地内の終着駅
伏見区(および南区)は基本的に桂川東岸の京阪・近鉄沿線のイメージでしょう。しかし同区は桂川両岸域を跨いで東西に伸びており、西山・乙訓地域とは近接の位置で(阪急バスも伏見区に乗り入れている)、広義の阪急駅勢圏と見なすこともできます。実は国道171号線もわずかながら伏見区を掠っています。京都競馬開催時にはJR山崎・阪急西山天王山駅から桂川対岸の競馬場へシャトルバス(京阪バス)が運行されます(現在、改装工事等のため運休中)。伏見は酒どころという意味で伊丹・灘と共通していますね。
西山・乙訓エリアにおいて「京都らしさ」を感じるものといえば、竹林でしょうか。かつては大阪千里丘陵においても竹林が多かったようですが。
なお、西京区と北隣の右京区エリアを合わせた京都市西部エリアを「洛西」とカテゴライズされることも多く、主に太秦・嵯峨野・嵐山エリアとして語られることが一般的です(西京区の「洛西ニュータウン」は、観光ガイド等の意味する「洛西」エリアとはやや離れているように思われる)。西京区はもともと右京区の一部だったが、桂川を境目に分区され現在に至ります。「嵐山」駅は桂川両岸の阪急・京福(嵐電)に存在するが、町名としての「嵐山」は西京区(阪急側)のほうですね。右京区の四条通には三菱自動車や日新電機などの工場が集積しており、場所柄北摂・阪神エリアとの類似を感じられなくもありません。
西京区は意外なことに大阪府島本町・高槻市に隣接しており、高槻市営バスもわずか1kmだけ西京区の山間部(大阪/京都r6)を走行します。