カテゴリ: 近江鉄道グループ / 帝産湖南交通 / 滋賀交通 / 信楽高原鉄道


帝産湖南交通・信楽線が2024年3月31日の運行をもって廃止される、と発表されました。

https://shiga-teisan.co.jp/topics/20240219/

帝産湖南交通では、かつて石山駅(大津市)~信楽(甲賀市)を直通するバスを運行していました。さらに古くは、京都河原町二条から信楽までのロングランでした。主な経由地は田上車庫~滋賀県道16号線。1時間あたり1本の運行で、大阪・京都方面から陶芸の里・信楽への観光などに重宝されてきました。しかし、2009年に田上車庫での系統分割と大幅減便が行われ、京阪神および大津市街地から信楽へのアクセスも不便に。

現在、信楽駅まで乗り入れる帝産湖南交通のバスは、

田上車庫~信楽駅 信楽駅発(6:55) 田上車庫発(17:38、19:08)
ミホミュージアム→信楽駅 ミホミュージアム発(12:20、13:30


の合計5本のみ。

上記路線廃止後も、旧・信楽町内乗り入れ路線は辛うじて残るようです。それは、【150】系統(石山駅~ミホミュージアム)(ミホミュージアム休館日は運休)。

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信楽駅前に乗り入れる帝産湖南交通

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「黄瀬(きのせ)」バス停


滋賀県甲賀市を走る路線バスといえば、かつて滋賀交通、国鉄(→西日本JR)バス 、帝産湖南交通などがあったが、現在では一部を除き概ね甲賀市によるコミュニティバスとして運行。合併前の旧町単位で一つの運行地域として運行しています。全地区路線図と時刻表が甲賀市ホームページで用意されて、見やすいです。

さっそくですが、今回そのうちの一つの路線、水口地区の「八田線」を紹介したいと思います。八田線は貴生川駅・市役所前~甲賀病院~八田方面の路線ですが、一部の便は八田からさらに、湖南市に入って下田まで足を伸ばします。主な停留所は、

貴生川駅~川田神社~甲賀市役所~あいこうか市民ホール~水口駅~古城が丘~甲賀病院~第四水口台南~第三水口台~八田口~八田~松風苑~下田

八田~下田間に乗り入れる便は、平日8往復、土休日3往復です。また、一部甲賀病院に止まらなかったり、経由地が異なる便もあります。日野町・竜王町そして東近江市との境界に近いところを通っています。終点・下田の近くには、ダイハツ滋賀工場(竜王町)があります。



近江鉄道バス・能登川~八日市系統について調べました。

滋賀県東近江市のJR能登川駅と八日市駅(近江鉄道)を結ぶ路線で、近江商人屋敷へのアクセスに便利です。主な停留所は、

能登川駅~佐生~金堂~ぷらざ三方よし前~観音寺口~国道石塚~平阪~伊野部~浜野~八日市駅

近江商人屋敷は金堂下車が便利です。「ぷらざ三方よし」という名前は、近江商人の経営哲学である「三方良し」=『売り手によし、買い手によし、世間によし』から来ているもの。

能登川と八日市が同じ「東近江市」であることには驚きました。もともと別の市町で、本路線経路の通過町は、合併前の能登川町・五個荘町・八日市市が該当します。

運行ダイヤは概ね毎時2本。八日市営業所の担当です。全区間の運賃は大人380円。

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先月あたりから、帝産湖南交通に高槻市営バスの移籍車が入っていることが報告されています。

該当車両は、西工V8(KL-LV280L1)の1台、滋賀200か1405。

近年、帝産湖南交通には全国各地からの中古譲渡車が多くなっているが、まさか高槻市営バスから来るとは驚きでした。しかも、三菱ふそう主体の帝産であって、西工+いすゞというのも、意外ですね。

さらに、神戸市バスからエルガミオ(KK-LR233J1改)2台が入っています。登録番号は滋賀200か1407、滋賀200か1408。

帝産湖南交通には、基本的に三菱ふそう車が入るが、過去にもふそう以外の意外な中古車が入ったことがあります。その好例として、元・南海バスの日野ブルーリボン(大型車)、およびレインボー(中型車)。南海バスからは三菱ふそう車(MP、MK)が大量に流れ込んだ時期があるが、日野車2台がこれに追随する形でした。



帝産湖南交通のレア路線系統を一つ。

それは【210】系統・<石山駅~建部大社前~牧口>。運行経路がユニークで、便数も1.5往復ということで、希少価値が高いと思いました。

主な停留所は、

石山駅~唐橋前~橋本~建部大社前~神領二丁目~野郷原一丁目~名神瀬田東~堂~堂橋~中野~平野~上田上小学校前~牧~牧口

石山駅~建部大社前~野郷原一丁目間には、【310】系統(石山駅~龍谷大学)も通るが、本数は数えるほどしかなく(日祝日運休)、同経路を通るバスは少ないです。石山駅~牧~牧口間を結ぶバスは、【50】【150】系統(瀬田川団地前・石居町・堂橋・田上車庫前経由)のほうが本数が多く設定されています。

運行ダイヤは、牧口発(北行き)が朝1便、石山駅発(南行き)が宵時間帯(18・19時台)2便のみ。平日・土休日共通です。南行きはほぼ日没時間に走るため、車窓の風景を楽しめないのは残念です。

龍谷大学(瀬田キャンパス)へは、瀬田駅からのバスが便利です。

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帝産湖南交通【210】【310】系統 路線概略図
 


これまで、大阪梅田(大阪駅前)を起点する各方面へのバス乗り継ぎルートについて、相当数を投稿してきました。 

今回は陶芸の里・信楽(滋賀県甲賀市)までのルートを考えてみました。これも、一昔前だったら、

梅田~(近鉄バス阪奈線)~近鉄奈良駅 / 国鉄奈良駅~(国鉄・JRバス)~信楽(~水口)

という乗車ルートが可能でした。

2022年現在、次のルートで何とかやろうと思えば可能です(ただし、同日内にたどりつけるかどうかは不明)。

【ルート1(奈良・加茂経由)】
大阪駅前    ~ 近鉄・JR奈良
『大阪~奈良 バス乗り継ぎルート 2021年』参考)
近鉄・JR奈良駅 ~ 加茂駅東口   (奈良交通【106】【107】【209】ほか)
加茂駅西口    ~ 和束湯船    (奈良交通【66】)
和束湯船     ~ 石倉橋     (徒歩)
石倉橋      ~ 信楽駅     (甲賀市コミュニティバス)


やはり、奈良市内経由が最短最速だと思われます。加茂駅以東は、徒歩区間も含め、基本的にかつての国鉄・JRバス近城線と同じルートです。和束湯船~石倉橋間は、国道307号線(信楽町朝宮地区)へ最短で抜ける道があるので(京都・滋賀県道5号ではない)、そちらを使います(【図1】。近城線もこの道路を走行していました)。

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【図1】湯船(和束町)~石倉橋(甲賀市)間の抜け道ルート

【ルート1】の応用として、石倉橋から逆方向の大石小学校方面行きに乗車すると、大津市内(石山・浜大津・堅田方面)へ抜けることも可能です。

近城線が水口までのロングランだった時代、水口からさらに国鉄バスに乗り継いで、草津、あるいは三重県の亀山・湯の山温泉まで足を伸ばすこともできましたね。

* * * *

期間限定で、次の京田辺・宇治田原経由も可能です。

【ルート2(京田辺・宇治田原経由、期間限定)】
大阪駅前      ~ 守口車庫前   (大阪シティバス【34】【78】)
土居        ~ 近鉄新田辺   (京阪バス乗り継ぎ、詳細ルート略)
近鉄新田辺     ~ 維中前     (京都京阪バス【62】ほか)
維中前       ~ 茶屋村     (京都京阪バス【186】)
茶屋村       ~ 石倉橋     (徒歩)
石倉橋       ~ 信楽駅     (甲賀市コミュニティバス)


期間限定の土・日祝日に、京都京阪バス【186】号経路が宇治田原町の奥(茶屋村方面)まで1日3本運行されています(運行スケジュールは毎年変わります)。茶屋村から国道307号線を東へ向かって府県境を徒歩で跨ぎ、石倉橋から先、【ルート1】と同様に信楽駅まで乗り継ぎます。

* * * *

かつて次の国道163号線経由の乗り継ぎルートも可能だったと思います。

梅田~(近鉄バス)~産業大学前~(近鉄バス)~四条畷~(近鉄バス)~高山~(奈良交通)~山田川駅~(奈良交通)~加茂駅~(国鉄・JRバス)~信楽



近江鉄道バス(大津営業所)の路線を一つ取り上げてみました。

石山駅~神領団地~瀬田駅系統。

かつて、国道1号線経由で浜大津~石山駅~瀬田駅~草津駅を東西に結ぶバスも多かったように思うが、現在このルートは半ば壊滅に近い状態です。石山駅・瀬田駅の隣駅間を結ぶバス路線さえ、近江鉄道バスの神領団地経由が唯一。

さっそくですが、同路線系統の運行ルート・主な停留所は、

石山駅~唐橋前~橋本~神領建部大社前~瀬田南小学校前~神領団地~大江~瀬田駅口~瀬田駅

石山駅~神領団地間は区間便も多いが、石山駅~瀬田駅間直通便は1日4往復(平日・土日祝日共通)。

ちなみに瀬田駅発着の近江鉄道バスは、立命館大学くさつキャンパス方面行き、またはイオンモール草津行きが総発着本数の大半を占めています。

石山駅~瀬田駅間の他のバス乗り継ぎルートとして、

石山駅~(帝産湖南交通)~龍谷大学~(帝産湖南交通)~瀬田駅

などが挙げられます(石山~龍谷大線は本数が少ないので注意)。

なお、浜大津・大津駅~草津駅間を結ぶバスは、近江大橋・イオンモール草津経由が設定されています(これもやはり本数は少ない)。


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近江鉄道の復活「赤電」(800形822編成)。

当編成は2016年、近江鉄道創立120周年を記念して、旧西武色の「赤電」に復刻塗装されました。塗装変更前は、滋賀県警・JR共済滋賀県本部の広告編成(パトカー電車)として運用されていました。

ちなみに兄弟の821編成(黄色)は2022年中に引退する模様です(既に引退している可能性もあります)。


滋賀バス(旧・滋賀交通)の路線バスについて、一つレポートしたいと思います。

今回はJR野洲駅発着の湖南野洲線。次の3系統が運行されています。

1)野洲駅~野洲市役所~野洲病院前~野洲高校前~三上~御上神社前~北桜口~近江富士一丁目~(近江富士五丁目)~近江富士一丁目~南桜~悠紀の里~(北桜)~悠紀の里~みどりの村西口~みどりの村~(サイドタウン)~みどりの村~【北山台地区(*1)】~<復路>~野洲駅

2)野洲駅~野洲市役所~
野洲病院前~野洲高校前~三上~御上神社前~北桜口~近江富士一丁目~南桜~藤堂製作所~土深町~【北山台地区(*1)~<復路>~野洲駅

3)野洲駅~野洲市役所~
野洲病院前~野洲高校前~三上~御上神社前~北桜口~北桜

走行市域は滋賀県野洲市と湖南市に跨ります。沿線の主な見どころとして、三上山(近江富士)、さくら農園(「悠紀の里」下車)、近江富士花緑公園(「北桜」下車)などが挙げられます。

運行ダイヤは1)~3)系統のうちのいずれかが基本的に毎時1本です。なお1月1日は全便運休

湖南市の菩提寺・北山台は、JR草津線・石部駅が最寄り駅ですが、草津線は列車本数が少なく、野洲駅までバスで出て琵琶湖線に乗車するほうが便利なようです。

*1)北山台地区のバス停・経路の詳細は公式ホームページの路線図  時刻表をご覧ください。

(お詫び)
私・管理人の作成した路線マップについて、不正確だとのご指摘コメントをいただいたので削除しました。

公式ホームページに路線図は載っているが、道路地図(あるいは地形図)上に大まかな線を描けば、その路線が大体どんな道路を走っているのかイメージしやすいだろう、多少の不正確さはお許しいただければと思って、作成しました。

しかし、今回の路線マップは明らかに「手抜き」の印象が否めません(特に北山台地区あたり)。本来なら路線マップを精密正確なものに作り直したいところですが、実際に乗車したわけでも、正確な走行ルートを実地で確認しているわけでもなく、北山台地区の走行ルートが複雑なので、取り下げることにしました。



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大津市のターミナル・浜大津(京阪びわ湖浜大津駅前)。

京阪京津線と石山坂本線が接続し、さらに浜大津港から琵琶湖汽船も発着する、滋賀県随一のターミナル。その昔(湖西線開通前)、浜大津から琵琶湖西岸に沿って近江今津までを結ぶ江若鉄道(非電化)も敷設されていました。しかし、近年浜大津周辺は寂れていると感じます(そもそも県庁のある大津市中心部があまり活気を感じられない)。 浜大津駅前に乗り入れるバスは京阪バス・江若交通・近江鉄道バスの3社ですが、以前に比べてバスの発着本数が減っているように思います。

さっそくですが、浜大津に乗り入れる近江鉄道バス路線の現状について調べてみました。

浜大津発着の近江鉄道バスは現在、以下の3系統が設定されています。

1)花屋敷池の里行き(鶴の里団地経由)
2)イオンモール草津・草津駅西口行き(近江大橋経由)
3)石山駅行き(湖岸経由)


本数は1)が最も多く、毎時1本確保されているのに対して、2)3)は非常に本数が少ないです。

湖岸経由石山駅方面行きは、かつてもっと本数が多く、瀬田や草津方面へのロングランもあったと思うが、現在のダイヤだと土休日ダイヤは1日3本だけ。湖岸道路沿線には系列の西武大津ショッピングセンターがあったが、2020年夏に閉店。

イオンモール草津方面行きも本数は少なく乗りやすいとは言えないが、土休日は昼間帯3時間に1本のダイヤで、イオンモールへの買い物客を意識したダイヤのようではあります。


久しぶりに帝産湖南交通(滋賀県)の路線図を見てみました。

すると、瀬田駅前(大津市)発着の路線は、昔に比べてコンパクト化されているようで、驚きました。 

瀬田駅発着の帝産湖南交通路線は、2022年2月現在、以下の通りです。

【龍谷大学線】
(11)瀬田駅~龍谷大学
(111)瀬田駅~龍谷大学~大津市公設市場
(211)瀬田駅~龍谷大学(直行)

【滋賀医大線】
(301)瀬田駅~滋賀医大~大学病院前
(311)瀬田駅~龍谷大学~滋賀医大~大学病院前

【びわ湖レストタウン線】
(21)瀬田駅~小松原~びわ湖レストタウン~長寿社会福祉センター
(121)瀬田駅~月の輪~びわ湖レストタウン~長寿社会福祉センター
(301)瀬田駅~小松原~びわ湖レストタウン~滋賀医大~大学病院前


かつて、瀬田駅から石山駅とか草津駅を結ぶ路線や、滋賀医大方面からさらに平野・田上車庫(大津市)へのロングラン、パナソニック・立命館大学(草津市)を経て青山五丁目(大津市)を結ぶ路線などもありました。しかし、県内トップの乗降客数を誇る南草津駅への求心力が強まり、立命館大学や青山地区は南草津駅発着に一元化。また、平野・田上車庫方面は石山駅発着のみになっています。

南草津駅は立命館大学びわこくさつキャンパス開校(1994年)に合わせて開業しました。あれから20数年以上経過し、駅前再開発が進み、新快速も停車するようになりました。


滋賀県甲賀市信楽地区のコミュニティバス多羅尾線。

信楽町中心部と町南西部の多羅雄・新田・信楽温泉を滋賀・三重県道138号線【信楽上野線】経由で結ぶ路線です。主な停留所は、

信楽駅~信楽地域市民センター~栄町~小川口~小峠~伊賀辻~多羅尾上出 / 新田 / 信楽温泉

です。 もとは国鉄バス(→西日本JRバス)近城線の支線系統だったようです。

沿線には、デイリー信楽カントリー倶楽部(小峠下車)やタラオカントリー倶楽部(信楽温泉下車)など幾つかのゴルフ場を控えています。

三重県伊賀市(そして京都府和束町・南山城村)との県境に近く、県道138号線をそのまま道なりに進めば伊賀市街地へ抜けれます。ただ、三重県側では、なぜか県道に指定されていない区間が一部存在します。

運行本数は10往復(土・休日は7往復)、毎時概ね1~2本です。


かつて、上記ルートとは別に、信楽と伊賀上野を国道422号線経由で結ぶバス(三重交通)もあり、信楽焼と伊賀焼の2大陶里を結んでいたが、滋賀県側の区間(信楽駅~南新田東)は国鉄バスに転換され廃止。現在、コミタク神山江田エリアとして運行中です(乗車時刻の1時間前までに要予約)。



先日、滋賀県草津~守山間のバス乗り継ぎは困難との記事

http://katanogawara.blog.jp/archives/38216734.html

を投稿しました。

実は草津~守山間のバスでの移動は、栗東市コミュニティバス「くりちゃんバス」を利用することで可能となります。

栗東市は草津市と守山市の中間に位置。JR東海道本線(琵琶湖線)の駅も西から順に草津・栗東・守山と続きます。栗東駅の開業は1991年と比較的新しく、それ以前はJR草津線の手原駅が栗東市(旧・栗東町)唯一の鉄道駅でした。

「くりちゃんバス」は栗東市内各方面への路線が充実しているばかりか、草津駅・守山駅にも乗り入れており、近隣都市への移動も便利です。「くりちゃんバス」には以下の路線が設定されています。

(A)大宝循環線(草津駅西口~栗東駅西口~守山駅西口)
(B)草津駅手原線(草津駅~栗東駅東口~手原駅~なごやかセンター)
(C)宅原線(草津駅西口~栗東駅東口~宅原口・済生会病院~守山駅東口)
(D)葉山循環線(手原駅~済生会病院~三菱重工前~葉山東小学校前~手原駅)
(E)治田金勝線(済生会病院~手原駅~栗東運動公園~下戸山~園芸試験場前~コミュニティセンター金勝)
(F)金勝循環線(くりちゃんタクシー)


運行事業者は、

近江鉄道:A・C
帝産湖南交通:B・D・E
帝産タクシー滋賀:F


です。

各路線とも、基本的に平日のみの運行です(土・休日・年末年始は全便運休)。

運行日は、

A         平日・土曜 (休日・年末年始は運休)
B・C・D・E・F 平日 (土・休日・年末年始運休)


時刻表・路線図の詳細は以下の公式パンフレットをご覧ください。

「くりちゃんバス」路線図・時刻表
http://www.city.ritto.lg.jp/material/files/group/87/jikokuhyo2021.pdf


(2022.7.5)運行日の訂正、およびリンク切れになっていた路線図時刻表URLを訂正しました。リンクが切れている場合は、Googleで「くりちゃんバス」を検索してください。


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信楽高原鉄道SKR200形。

SKR200形は1987年信楽高原鉄道(国鉄・JR信楽線からの転換)開業時に登場。新潟トランシス(富士重工)製です。1992年までに合計5両製造されました。2002年よりSKR310形に置き換えられるが、1992年導入のSKR205号のみ予備車として残りました。SKR205号は1991年の悲惨な衝突事故で廃車となったSKR202・204を補充するために導入され、信楽高原鉄道開業30年の節目である2017年まで生き延びました。引退後、紀州鉄道に譲渡され、KR205として活躍中です。

画像は2015年撮影のSKR205号です。


滋賀県湖東地区バス乗り継ぎルートを考えてみました。

なかなか難しいようですが、守山~近江八幡間は何とか乗り継ぎが可能なので、乗車ルート例を挙げてみたいと思います。

【ルート1】
守山駅     → 錦の里(イオンタウン野洲)
錦の里     → 野洲駅北口
野洲駅     → 道の駅竜王かがみの里
道の駅竜王   → 近江八幡駅
(いずれも近江鉄道バス)


残念ながら、このルートのみが有効のようです。草津と守山を結ぶバスはほぼ皆無のようですね。

ただ、守山から琵琶湖大橋を渡って堅田を結ぶバスが存在するので、大津市内(大津駅・浜大津ほか)から堅田・琵琶湖大橋を経て守山・野洲・近江八幡までのバス路線は首の皮一枚でつながっていることになります。

近江鉄道バスはかつて、彦根・米原・長浜市エリアもカバーしていたと思うが、現在は子会社の「湖国バス」が運営しています。


かつて石山(大津市)~信楽(甲賀市)間は帝産湖南交通(田上経由)またはJRバス(国道422号、南郷・大石経由)で結ばれ、京阪神から信楽への観光・レジャーにとても便利でした。

しかし、ここ20年ほどの間、帝産湖南交通の石山・信楽直通系統はほぼ壊滅状態(石山駅~ミホミュージアム系統は1日5往復運行中)、JRバスは完全撤退するなど、信楽へのバスは以前よりも不便になったようです。

しかし、2021年4月現在、石山・信楽間のバス乗り継ぎもやろうと思えば可能です。かつてJRバスの走った国道422号線ルートで、京阪バス(【4】号経路)+甲賀市コミュニティバス(朝宮線)(大石小学校で乗り継ぎ)が基本的です。

有効な乗り継ぎ時刻は以下です。

【平日】
(石山→信楽)
京阪石山寺 07:15 → 信楽駅 08:18(直通)
石山駅 09:54 → 大石小学校 10:17 / 10:35 → 信楽駅 11:25
石山駅 13:54 → 大石小学校 14:17 / 14:30 → 信楽駅 15:20
京阪石山寺 18:10 → 信楽駅 19:10(直通)
石山駅 18:40 → 大石小学校 19:05 / 19:15 → 信楽駅 20:05

(信楽→石山)
信楽駅 06:10 → 京阪石山寺 07:10(直通)
信楽駅 09:45 → 大石小学校 10:30 / 10:46 → 石山駅 11:09
信楽駅 13:30 → 大石小学校 14:15 / 14:26 → 石山駅 14:49
信楽駅 17:05 → 京阪石山寺 18:04(直通)
信楽駅 18:20 → 大石小学校 19:05 / 19:11 → 石山駅 19:33


【土曜】
(石山→信楽)
石山駅 11:14 → 大石小学校 11:37 / 11:45 → 信楽駅 12:35
石山駅 17:24 → 大石小学校 17:49 /18:00 → 信楽駅 18:50

(信楽→石山)
信楽駅 10:50 → 大石小学校 11:34 / 11:46 → 石山駅 12:09
信楽駅 17:05 → 大石小学校 17:49 / 18:02 → 石山駅 18:27


【日祝日】
(石山→信楽)
石山駅 11:14 → 大石小学校 11:37 / 11:45 → 信楽駅 12:35
石山駅 17:34 → 大石小学校 17:57 / 18:00 → 信楽駅 18:50

(信楽→石山)
信楽駅 10:50 → 大石小学校 11:34 / 11:46 → 石山駅 12:09
石山駅 17:34 → 大石小学校 17:57 / 18:05 → 石山駅 18:28


平日のみ京阪石山寺~信楽駅間の直通便が2往復あるが、観光目的での利用には使いにくい時間帯です。土日祝日は1日2往復のみなので注意。新型コロナ感染拡大に伴い、京阪バスは2021年3月31日まで土曜は休日ダイヤでの運行だったが、4月1日より通常の土曜ダイヤが適用されます。

運賃は京阪バス(石山寺~大石小学校)330円、朝宮線300円の片道合計630円です。往復乗車するなら、京阪バス「1Dayチケット」(650円)を使うほうが少しお得です。


(当ブログ 関連記事)
帝産湖南交通 石山駅~ミホミュージアム系統

http://katanogawara.blog.jp/archives/34120816.html



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陶芸の里で有名な滋賀県甲賀市信楽町。 たぬきの焼き物が信楽を訪れる観光客を迎え入れます。

信楽は京都・大阪方面から距離的にさほど遠くない位置にあり、枚方市や京田辺市とは国道307号線で短絡しています(枚方市~信楽町間の距離はおよそ50km)。また近年、新名神の部分開通に伴い、京阪神各地から信楽へのアクセスが改善されました。

しかし、鉄道利用だとJR草津線・貴生川駅まで遠回りして信楽高原鉄道(旧・国鉄信楽線)に乗り換える必要があり、やや不便です(信楽線を加茂・奈良方面、あるいは国道307号に沿って西へ延伸させ学研都市線に接続させるという夢の構想もあるようだが)。それをカバーすべく、かつて琵琶湖線石山駅や関西本線加茂駅から信楽まで短絡するバスもあったが、現状はほぼ廃止に近く利用しづらいです。

ここで京田辺と信楽を国道307号線経由で結ぶ急行バスがあればどうでしょうか? 307号線の奥山田バイパス(宇治田原町)がようやく開通し、全区間にわたって走行しやすくなったはずです。また最近、宇治市から宇治田原町の奥の方(奥山田正寿院口、茶屋村)まで期間限定ながら路線バスの復活も実現しているので、大阪方面(JR学研都市線)から宇治田原・信楽方面への観光客を見込んで運行することも現実味があると思うのですが。

運行ルート・停車停留所は、

JR京田辺~近鉄新田辺~郷ノ口~維中前~奥山田正寿院口~茶屋村~下朝宮~中野~信楽案内所~栄町~信楽駅~陶芸の森

運行会社は京都京阪バスまたは京阪バス(京田辺営業所)が適任でしょう。


石山駅と大津市中心部(大津駅・浜大津)を国道(1号線)経由で結ぶ「国道線」。

近江鉄道バスと京阪バスによって運行されているが、現在いずれも平日のみの運行で、特に京阪バスは西行きのみ片道2本(【11】【14】号経路)だけの免許維持と化しています。

主な停留所は、

石山駅~東レ北門前~滋賀病院前~国道膳所~マツダ前~大津市民病院~松ヶ枝街~県庁前~大津駅~浜大津

京阪バスは大津市民病院前(【11】・石山団地始発)または大津駅(【14】)までの運行で、市民病院への通院客に配慮したものと言えます。近江鉄道は平日毎時概ね1本です。大津市民病院前にはかつて京阪バス大津営業所がありました(1993年、現在地の石山寺4丁目に移転)。

大津駅前は滋賀県庁最寄駅にしては、京都市と至近距離にあるせいか寂れている印象を受けます(滋賀県内鉄道駅の最大乗降客数はJR南草津駅。「近江商人」で知られる滋賀県の商業の中心地は彦根・湖東地区だろう)。同じ大津市内でもむしろ石山駅や瀬田駅のほうが賑わっているように思います。「浜大津」は京阪「びわ湖浜大津」駅への改称に合わせ、京阪バスの停留所名も「びわ湖浜大津」に変更されましたが、国道経由での浜大津乗り入れは近江鉄道のみです。浜大津もせっかく琵琶湖汽船の発着するターミナルなのに、残念ながらあまり活気が感じられません。

国道線と同じ区間には、かつて帝産湖南交通や滋賀交通も乗り入れ、信楽・水口方面から京都駅や三条京阪までロングラン走行していました。

国道線に比べ、市街地を走る湖岸線のほうがまだ本数は多いものの、やはり一昔前ほどの本数には及びません。西武大津(「義仲寺」下車)も昨年夏、市民に惜しまれながら閉店し、市街地の空洞化が心配されます。跡地にはマンションが建つとのことですが・・・。


かつて、三重交通は上野市(伊賀市)から滋賀県甲賀市の信楽まで国道422号線経由で乗り入れていました。

詳細については不明ですが、その面影といえる路線は諏訪線(上野市駅-諏訪下出)でしょう。以前、ここからもう一歩北へ進んで伊賀焼の里・丸柱というところまで乗り入れていました。その昔、丸柱からさらに県境を跨いで陶芸の里で知られる信楽まで足を伸ばしていましたが、1984年ごろに廃止されたようです。信楽直通廃止後、滋賀県内区間の信楽~神山~南新田間が国鉄バス(近城線)に代替されたようです。

三重交通諏訪線の現況ですが、近年開通した国道422号線のバイパスを通り、市街地から一気に山間の諏訪集落へ抜け切るというものです。運行本数は平日6往復、土休日4往復。

国鉄バスのほうも伊賀上野に拠点を持ち、伊賀市と水口(甲賀市)を阿山・甲南町経由で結んでいたようです(伊賀上野線)。国鉄時代当時、水口は亀山・草津・信楽・奈良・伊賀上野の広範囲にわたる国鉄バスの重要拠点でした。

伊賀と甲賀は陶芸とともに忍者の里でも有名で、県境を跨いでの往来は古くから盛んだったと思われます。新名神の部分開通後、京都~伊賀間の高速バスが甲南ICから阿山経由で運行される時期もありました。


かつて、草津駅と水口(甲賀市)を国道1号(東海道)経由で結ぶ滋賀交通のバスがありました。また、同じ経路上を国鉄バスや三重交通も走り、三重県の亀山や湯の山温泉まで結ぶロングラン系統もあったようです。 

滋賀交通といえばむしろ観光バスのほうで有名でしょう(京都・大阪・名古屋などに営業所がある)。

一般路線バスは今一つ地味な存在で、JR草津線沿線の湖南市や甲賀市水口町を拠点として、草津市・栗東市・野洲市までの湖南地域エリアをカバーしていました。平成初期(1990年代前半ごろ)まで1960年代式の古ぼけたバス(三菱ふそうMR520)が現役で走り、隣の近江鉄道・帝産湖南交通で次々と車両更新が進む中、昭和40~50年代前半にタイムスリップしたかのような空間でした。

そういえば、国道1号線沿いに滋賀交通の廃車体が集まる敷地がありましたね。あたかも現役の営業所のようであり、草津線の車窓からも間近に見ることができました。現在、ここはホームセンターに生まれ変わったようです。

滋賀交通の草津水口線は、モータリゼーションの流れに押され、1990年代半ば頃より草津~石部駅間に短縮されたようで、現在の滋賀バス草津伊勢落線に継承されています。

草津伊勢落線の主な停留所は、

草津駅~国道草津~(済生会病院)~手原駅口~国道伊勢落~八州工業前~伊勢落~石部駅

合わせて9往復の便が設定されており、大半の便は草津駅~伊勢落間(栗東市)の運行。伊勢落という地は、栗東市と湖南市との境界付近であり、名神との交差地点にあたります。ここから石部駅(湖南市)まで2往復が足を伸ばしています。済生会病院には5往復が乗り入れています。


滋賀県内のお得なバス乗車券を1点紹介したいと思います。

「琵琶湖横断1日フリー乗車券」

近江鉄道バス・江若交通の守山・堅田・坂本エリアが、琵琶湖大橋を跨いで1,000円で自由に周遊できます。

http://www.ohmitetudo.co.jp/bus/pass/biwakoticket/index.html/

周遊エリア内の主な観光名所・施設は、

(守山市)(湖東)
佐川美術館
ピエリ守山
成人病センター内・11階展望レストラン
ラフォーレ琵琶湖プラネタリウム
琵琶湖博物館

(大津市)(湖西)
浮御堂
雄琴温泉
日吉大社
ケーブル坂本
比叡山延暦寺
西教寺

などがあり、入場割引などの特典が付いています。

モデル周遊ルートとして、

守山駅→佐川美術館→堅田駅→比叡辻→(徒歩)→比叡山坂本駅→ケーブル坂本駅→(坂本ケーブル)→ケーブル山頂駅→(根本中堂山中散策)→ケーブル山頂駅→(坂本ケーブル)→比叡山坂本駅

パンフレットに紹介されており、フリー乗車券を利用すると、路線バス代で640円もお得となっています。

チケットはびわこ横断エコバス(守山駅~堅田駅)車内などで販売されています。


滋賀県甲賀市にある「バスの駅」・近江土山駅。

近江土山は東海道49番目の宿場町として栄えました(48番目の宿駅は伊勢坂下)。

国道1号線(旧・東海道)沿いに設置され、もとは草津と三重県の亀山や湯ノ山温泉を結ぶ国鉄・JRバス亀草本線の重要拠点でした。鉄道の通らない町であり、国鉄自動車線の近江土山駅が旧・土山町の「国鉄駅」としての役割を担っていました。

現在、JRバスに代わり、甲賀市コミュニティバス(あいくるバス。運行会社は滋賀バス)が甲賀市内の旧土山町・甲賀町・水口町各方面(貴生川駅・甲賀駅・水口駅・大河原ほか)への路線を運行中。特に貴生川駅~(水口駅)~土山~大河原を結ぶ【土山本線】はJR草津線との接続を考慮し、毎時1~2本確保されています。

さらにユニークなものとしては、南草津土山線。新名神を走るコミュニティバスは珍しく、1日4往復が設定されています(学休日運休)。

近江土山駅からR1を大津方へ100mの地点に、土山地域市民センターとあいくるバスの車庫が併設されています。

あいバス土山地区路線図と時刻表は↓
http://www.city.koka.lg.jp/secure/21111/2020.4.1tsuchiyamabus.pdf


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瀬田駅発着の近江鉄道バス・滋賀医大線。

運行系統は次の3つが存在します:

1)瀬田駅~一里山~瀬田公園前~文化ゾーン前~滋賀医大西門前~東大津高校~大学病院前
2)瀬田駅~一里山~瀬田公園前~文化ゾーン前~滋賀医大西門前~東大津高校~大学病院前~東大津高校~大津営業所前
3)瀬田駅~一里山~瀬田公園前~県立アイスアリーナ~大津市公設市場


上記路線系統の運行エリアは帝産湖南交通と競合するエリアで、特に基本系統の1)瀬田駅~滋賀医大系統は帝産湖南交通と共同運行という形態となっています。運行本数は帝産湖南交通が15分ヘッド(朝の登校時間帯は1時間に8~9本)なのに対して、近江鉄道バスは1~2時間に1本。帝産湖南交通のシェアが大きいです。

瀬田駅~一里山~瀬田公園前間には、帝産湖南交通の龍谷大学線も走っています。龍谷大学といえば京都市伏見区の深草を連想されるかと思いますが、大津市にも瀬田キャンパス(理工学部、社会学部、国際文化学部、農学部)があります。龍谷大学線の一部便は県立アイスアリーナを経て大津市公設市場まで運行されます。

近江鉄道バス大津営業所は大津市公設市場西側に隣接しています。

JR瀬田駅には新快速は止まらないので注意。

(追記)
龍谷大学の国際文化学部は深草キャンパスに移転、理工学部は「先端理工学部」に改組されました。


1990年代初頭のJR草津駅前のバスなどついて、思いつくままに書いてみました。

草津駅前(東口)には、近江鉄道・帝産湖南交通のほか、滋賀交通のバスも発着していました。現在、滋賀交通の草津乗り入れは撤退。 また、1980年ごろまでは、国道1号線(東海道)経由で土山・鈴鹿峠から亀山に行く国鉄バス(亀草本線)、そして国鉄・滋賀交・三重交の共同運行で御所在山・湯ノ山温泉まで行く長距離特急バスもあったようですね。

さて、1990年代初期当時の草津駅前ですが、近江鉄道と帝産湖南交通のシェアが大きく、滋賀交通はマイナーな存在でした。

滋賀交通は国道1号線を走らせて石部・水口方面を結んでいました。車両は1960~70年代初期の古い車両ばかり(バス窓の三菱ふそうMR520、もちろん非冷房!)で、滋賀交通のりばは20年前にタイムスリップしたかのような異次元の世界で、2世代前のバスはインパクト強烈でした。比較的新しい車両としては、路線・観光兼用のMAR470(元は湯ノ山温泉特急用に投入されたものらしい)、そして某公営バス発注流れと噂されるブルドック(K-MP118)が2台ほどでした。

近江鉄道バスは富士重(日産ディーゼル)が多数を占めるが、1990年代初期までは三菱ふそう車も比較的多く、路線・観光兼用のMAR470やブルドックなどの姿もありました(さらに昔だと、西工カマボコ+日野というこれまた希少種の車両もいたようだ)。

帝産湖南交通は三菱車オンリーで、呉羽車体が大半を占めていました。1991年ごろまでは非冷房車MR470が活躍していたが、エアロスターKなどに置き換えられました。

西口に乗り入れるバスは近江鉄道のみで、東口のほうが賑やかです。

* * * *

草津駅東口は、エルティ932や平和堂のほか、1997年に近鉄百貨店草津店が開店。京都や枚方の近鉄百貨店が軒並み閉店する中、草津店は今も健在です(草津の近鉄百貨店は元は四日市・名古屋を拠点とする中部近鉄百貨店だった)。西口にはアルプラザ草津・ディオワールドの大型商業施設があります(その隣には、アヤハディオ系列?の綾羽高校も)。

草津駅は関西では数少なくなった公式の駅弁販売駅。近江牛の駅弁が主力だが、「一口いなり寿司」も隠れた名物駅弁です。駅弁とともに銘菓「うばがや餅」も販売されています。


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帝産湖南交通のエアロスターMが全廃となった模様です。

帝産のエアロスターMには、自社純正グループと南海バスからの移籍グループが存在します。もともと、帝産はエアロスターK(新呉羽車体)を大量導入しており、新呉羽と三菱自工が統合された1994年にエアロスターMが初めて登場。エアロスターMの数自体、どちらかといえば少数派でした。

南海からの移籍は2004年ごろより始まり、モノコックのブルドックを全て置き換えました。南海移籍車はメトロ窓が特徴です(他に、後部扉が引き戸であるなど、都会的なスタイル)。

エアロスターM全廃後も、なんとそれより古いエアロスターKがまだ残っているそうですよ!


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近江鉄道の「赤電」。

「赤電」とは820系822Fのことであり、西武401系431Fを種車として1997年に登場。
 2012年~16年までは滋賀県警・JR共済滋賀県本部のラッピングが施されました。その後、近江鉄道創立120周年を記念し、赤電の塗装に変わりました。

顔はJR西日本の食パン型113・115系、特にあのサンパチによく似ていますね(笑)


滋賀県の帝産湖南交通バスは、伝統的に三菱ふそう車で統一されています。

しかし、ここ15年程の間、自社発注よりも移籍車の比重が上がり、ごくまれに三菱以外の車両が帝産湖南交通に入ることもあります。

その1台は、元南海バスの日野ブルーリボンU-HU3KPAA。 登録番号は「滋賀200か610」で2009年ごろ転入。2004年ごろより南海バスから三菱エアロスターMが続々転入、最古参の「ブルドック」を一掃しました。南海からの移籍が大詰めとなった頃に、日野車も2台加わり、1台がこのブルーリボン(他1台は中型レインボー)。1992年式のようです。

ブルーリボンは帝産湖南交通では異彩を放つ存在です。2年前の2018年現在も現役だったようで、移籍車にしては長寿を保っているそうですが、今はどうでしょうか?

帝産湖南交通には、1990年前後のエアロスターK・M(自社発注)もまだ残っているようで、昨年の時点で名物のP代観光マスク車(滋賀22き55)もまだ稼動していたみたいです。


帝産湖南交通(滋賀県)の長距離路線を一つ紹介したいと思います。

石山駅~ミホミュージアム系統。 

大津市の石山駅と甲賀市信楽町を結ぶ貴重な路線であり、以前は石山駅~信楽駅間を直通していました。

ミホミュージアムは信楽の自然豊かな山間にある美術館で、小山美秀子(こやまみほこ:1910-2003)による創立(1997年開館)。「美術を通して、世の中を美しく、平和に、楽しいものに」との想いから、世界の美術品のコレクションを始められたそうです。建物はパリのルーブル美術館ガラスのピラミッドをイメージしたデザインのようですね。

運行経路・主な停留所は、

石山駅~唐橋前~瀬田二丁目~自動車教習所前~稲津~湖南台住宅~石居町~みどりヶ丘~田上中学~田上車庫~中野~上田上小学校前~牧口~発電所前~大鳥居~桃谷口~ミホミュージアム

で、主に滋賀r29・r16およびr12を辿ります。

所要時間50分、運行本数は1日5往復(石山駅9:10、10:10、11:10、12:10、13:10発)。

「自動車教習所前」は「膳所自動車教習所」であり、石山駅前と教習所を結ぶ近江鉄道バスも運行されています(JR・京阪膳所駅からは大きく離れているが)。信楽直通時代は、大鳥居の交差点(r16・12交点)をそのまま直進、黄瀬から国道307号に入り勅旨を経由していました。

本系統は冬季(12月16日~3月13日)の間、石山駅~田上車庫間のみの運行となるので注意。また、ミホミュージアム休館時は運休となります。

ミホミュージアムから信楽駅行きのバスが1日2往復あります。石山駅~信楽間のバス乗り継ぎも不可能ではないが、本数が少ないので注意。


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青山5丁目(大津市)にて。

近江鉄道バスと帝産湖南交通が乗り入れ、両者のツーショットが見られます。
近江鉄道では富士重7Eが健在であり、帝産は今年山陽電鉄バスからいすゞエルガが移籍してきました。帝産といえば三菱ふそうのイメージが強いですが、いすゞや日野の帝産カラーもなかなかイケてると思います。


毎年、紅葉のシーズンに、三条京阪まで運行される近江鉄道バス。

かつての京都八日市線(京阪バスと共同運行)の「残滓」と言える路線で、2000年代以降も、紅葉シーズン限定で三条京阪までの片道運行として残っている、免許維持路線です。運行ルートは、

【名神】→(京都東IC)→四ノ宮→国道山科→五条別→京都薬科大学→御陵→日ノ岡→九条山→蹴上→三条弘道→神宮道→東山三条→京阪三条

で、滋賀県内は名神を疾走しつつ京都市内区間の三条通は、京阪バス一般路線(【17】【19】号経路ほか)と同じ各駅停車なのが面白いです。昔、三条通~国道1号線経由で京都市内と滋賀県各地を結ぶバス路線(京阪バス、帝産湖南交通、滋賀交通)が多く存在していたことも、髣髴とさせるものです。

この京阪三条線が路線が運行されるのは、定期観光バスの送り込みが目的。そのために、観光車によって運用され、乗り得な路線と言えます。

さて、京阪三条線の近年の状況ですが、2013年までは八日市始発だったが、2014年以降、立命館大学(びわこ・くさつキャンパス)始発に短縮されました *1)2)。さらに、今年2019年は年1回のみの運行となった模様です。

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「京都薬科大学」バス停

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「三条広道」バス停

*1)[免]近江鉄道バス 京阪三条線(抹茶目録)
https://yaplog.jp/special-rapid/archive/1087

*2)年に一月の限定路線~京阪三条線(まるよし電車区)
http://railway.cocolog-nifty.com/denshaku/2015/10/post-894a.html



そごう神戸店と西武高槻が阪急百貨店に生まれ変わった矢先、そごう・西武が2021年2月までにさらなる店舗網大幅リストラ計画を発表しました。

その中には、大津西武、西神そごう、徳島そごうなどが入っています。これにより、関西からはそごう・西武が消滅することになります。

西武大津の閉店後、滋賀県県庁所在地である大津市からは百貨店が消えることになり、近鉄百貨店草津店が県内唯一の百貨店ということに・・・。県内の百貨店が近鉄百貨店だけという点では、奈良・和歌山・三重と同じになりますね。滋賀県は西武発祥の地であるだけに、西武大津は創業者の意地で存続させたかったのかもしれませんが、さすがに郊外や地方の百貨店が軒並み閉鎖される時代の流れには抗しがたいでしょう。

しかし、「百貨店は時代遅れのビジネスモデル」なのかもしれないが、ここまで軒並み閉店リストラに乗り切る百貨店業界は、聞いたことがないと思います。そごうはバブル経済の頃は、奈良や呉、福山、加古川、高松など地方都市に無鉄砲とも思えるほどの出店攻勢だが、バブルがはじけたあと、後発店舗はおろか、大阪心斎橋のような老舗店舗でさえも軒並み大鉈を振るうとは、経営方針の荒っぽさを印象付けますね。

一方で、京阪百貨店や阪神百貨店のように、食料品中心の庶民派路線で健闘しているところもあります。京阪百貨店は百貨店としては後発でありながら、守口の本店はそごう神戸店などを上回る売上高で郊外型では日本一のようです。

そごう・西武、2021年2月までに店舗網大幅縮小(都市商業研究所)
https://toshoken.com/news/16881


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滋賀県湖南地区を拠点とする帝産湖南交通が、来年70周年を迎えます。
それに合わせ、LED行先表示機の「回送」コマに70周年記念のメッセージが追加表示されています。

 


琵琶湖大橋を渡って堅田と守山を結ぶ路線バス。近江鉄道と江若交通の共同運行となっています。

近江鉄道バスは、瀬田・草津・守山・近江八幡・八日市など、主に湖東エリア(JR琵琶湖線沿線)をカバーしているが、琵琶湖大橋を渡って湖西エリアに足を伸ばす路線もあります。一方、江若交通は湖西地区(坂本・堅田・志賀・高島方面)をエリアとしています。大津市堅田に乗り入れる近江鉄道バスは異色の存在と言えるかもしれません。

JR堅田駅前から発車したバスは、そのまま国道に入らず、堅田駅口、今堅田2丁目、今道内湖と堅田の旧市街地を巡回したのち、R477に入り、琵琶湖大橋(有料)を渡ります。琵琶湖大橋西詰の「道の駅・琵琶湖大橋米プラザ」へは「匂当内侍前(こうとうないじまえ)」下車が便利です。

琵琶湖大橋を渡ると、守山市に入ります。琵琶湖大橋東詰北側には、守山市最大のショッピングセンター・ピエリ守山があります(「琵琶湖大橋東詰」下車)。近くに佐川美術館などもあり、堅田駅から「免許センター前行き」(江若交通)、守山駅から「佐川美術館行き」(近江鉄道)もあるので、そちらが便利です。

バスは大橋東詰交差点を直進、しばらくR477の指定区間で、「美咲レークニュータウン前」・「みずほ団地口」など、新興住宅地や団地の多い地域となるが、やがてのどかな田園風景に変わります。「浜街道」との交点である洲本町交差点(「洲本」バス停)をそのまま直進し、県道11号線単独区間となります(R477は「浜街道」へ左折)。

「河西口」付近から、再び住宅地やロードサイド店の密集する典型的な郊外風景に変わり、守山市街地に。一部の便は、立命館守山中学・高校および市民ホール前を経由するため、「播磨田町北」交差点を右折します。市民ホールの向かい側(北)には守山市民運動公園・市民球場があります。市民球場の北側には市立守山中学校があるが、近くの立命館守山中学と混同しそうですね。

立命館守山経由を除く便は、「播磨田町南」交差点を「くすの木通り」へ右折、県立総合病院に寄ります。立命館守山経由の経路とここから再び同一経路となるはずです。「すごやか通り」を南東に向かって、守山市民病院前・守山市役所前を通り、「吉身一丁目」交差点を右折すると、終点・守山駅(西口)に到着。JR守山駅前は市の中心から東へ離れています。守山は新快速の停車駅です。

守山市は面積はさほど広くはなく、草津市・栗東市・野洲市のほか、琵琶湖を隔てて大津市に隣接しています。


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近江鉄道バス富士重7Eです。近江八幡市の名刹・長命寺にて(2019年4月)。

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長命寺港より琵琶湖を周遊する汽船が発着しています。


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近江鉄道の富士重6E、帝産湖南交通のエアロスターKなどが並んでいます。
帝産には「ブルドック」が2005年まで在籍、つい先日のことのように思っていましたが、気がついたらエアロスターKももはや絶滅機種に・・・。まだ現役で稼動しているそうですが、さすがに限界でしょう。
富士重6Eももはや過去のものですね。

 


江若交通に新車の三菱ふそう・エアロスター(2KG-MP38FK)が納車されました。 ナンバーは滋賀230か191。京阪グループ、しかもこれまで日野・いすゞのみだった江若交通に三菱ふそうの新車が始めて投入されたことで、話題を呼んでいます。江若交通には、かなり昔、京阪バスから三菱ふそう車(MAR470)が移籍した例があり、今回の三菱車はそれ以来のことのようです。今後、親会社の京阪バスでも三菱車の納入が復活するんでしょうか?

帝産湖南交通には山陽バスからいすゞ・エルガが移籍しました。形式はPKG-LV234L2、登録ナンバーは滋賀200か1276。従来、三菱ふそうのみでほぼ統一されていた帝産ですが、今回のいすゞ・エルガの移籍にはこれまた驚きました。帝産では10年前、南海バスから日野ブルーリボンとレインボーが移籍した実績があります(今も在籍しているんでしょうか?)。帝産カラーの日野車もなかなかいい感じで、今回転入してきたエルガの帝産カラーにも、特に違和感は覚えません。


近江鉄道バスの路線について一つレポートを書きたいと思います。

私個人的に、近江大橋を渡る<浜大津~イオンモール草津~草津駅西口>は面白いと思いました。運行経路は、

浜大津~京町通り~大津駅~県庁前~商工会議所前~義仲寺(西武大津SS前)~丸の内町~<近江大橋>~ イオンモール草津~新浜~矢橋~南山田~小屋場(草津グリーンスタジアム前)~下笠中央~上笠郵便局前~草津職業安定所~草津駅西口

で、鉄道(JR東海道本線)や国道1号ではやや遠回りとなる大津市街地~草津市間を、近江大橋経由で短絡するような形となっています。西武グループ傘下だけに西武大津SS前を通り、また湖東地域(近江大橋以東)では主にr26を経て、草津駅西口に至ります。草津駅西口にはアルプラザなどがあります。近江大橋が大津市と草津市の境界となっており、大津市街地と草津市は意外に近いことを実感できます(JRや国道1号だと、瀬田川以東もしばらく大津市)。

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草津市矢橋の湖岸道路より近江大橋と大津市街地(なぎさ公園)を俯瞰

運行ダイヤは概ね2時間に1本で本数は多くないが、草津市側では区間便の<イオンモール草津~草津駅西口>が加わり、毎時1~2本の運転となっています。このほか、<イオンモール草津~草津総合病院~南草津駅>系統も運行されています。

「新浜」というバス停ですが、石山駅と南郷・大石を結ぶ京阪バスにもありますね。


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京阪バス・U代レインボー、帝産湖南交通の南海移籍車エアロスター、京阪700系ラッピング編成がうまいこと並んでいます。
 


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少し見づらい写真ですが、近江鉄道バス・富士重7Eの画像をアップしてみました。

近江鉄道グループといえば富士重(日産ディーゼル)の印象が強く、(バス製造撤退により)全国的に数を軒並み減らしている中、今もそれなりの数が残存していると思います。


この夏休み期間中、滋賀県で「路線バスでビワイチ!」イベントが開催されます。

これに合わせて、お得な「ビワイチ1日乗車券」の以下3コース分が発売されます:

【湖西・湖北コース】堅田駅→米原駅(今津・マキノ・長浜)
【湖東コース】米原駅→野洲駅(彦根・近江八幡)
【湖南コース】野洲駅→堅田駅(草津・大津)

値段は

1日券(1コース用) 大人2,000円 子供1,000円
3日券(3コース用) 大人5,000円 子供2,500円

使い方・注意点は、

○ルートは指定されている(乗り降り自由の切符ではありません)
○各コース(1日)だけの参加も可能
○ルート上のバス停ならどこからでもスタートおよび離脱が可能

それぞれのコースに1日かかり、したがって「ビワイチ」するのに3日間が必要です(1日で一周は無理)。


夏休み限定!「ビワイチ乗車券」でお得に琵琶湖一周路線バスの旅!

近江鉄道バス公式サイト



かつて京阪宇治交通が信楽まで乗り入れていた件について、コメントでご質問をいただいたので、もう少し詳しくレポートを。

京阪宇治交通が信楽まで乗り入れたのは、1963~68年のわずか5年のみでした。

もともと宇治田原町東部の茶屋村まで路線が延びていたが、隣接する信楽町(現・甲賀市)の府県境付近・朝宮地域は宇治田原や和束と並んでお茶の生産が盛んで、宇治田原から信楽への公共交通が望まれていたとのこと。京阪宇治交通として信楽までの乗り入れをめざし、まず1963年には茶屋村から府県境を越えて石倉橋まで延伸。信楽へは石倉橋で国鉄バス近城線乗り換えという形が取られました。そして1965年には待望の信楽まで開通。

しかし、実際に信楽まで通す利用客は少なかったみたいで、わずか3年後の1968年には信楽町から撤退、茶屋村以東が廃止されました。

その後、1990年代末ごろ、宇治田原町東部から京阪宇治交通が撤退、奥山田・茶屋村方面へは町営バスに代替されます。

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茶屋村バス停 京阪宇治交通時代のバス停標識は残っていた(2012年)


【参考資料】
『京阪宇治交通~地域愛をのせて~』 三浦 理司(1993年)


大阪・奈良の2大都市を結ぶ国道308号線。

この国道は、阪奈国境・暗峠付近の急勾配~奈良市三条大路5にかけて、「酷道」で知られます。

R308の指定区間はわずか30km余りでちょっともったいないような気がするので、これを京都・滋賀へ延長できないものか、と考えています。

例えば、

【心斎橋:R25接続】~(現・R308)~【三条大路2】~(R24重複)~【法華寺東】~(奈良・京都r44)~【海住山寺口(木津川市加茂町)】~(R163重複)~(京都・滋賀r5)~(R307・422重複)~【立石橋】~(R307重複)~【隼人川(甲賀市信楽町)】~(滋賀r53)~【三雲駅口】~(滋賀r13)~【下田(湖南市)】~(R477重複)~【山之上南】~(滋賀r13)~【赤阪(東近江市)】~(滋賀r13)~【清水3丁目(東近江八日市)】~(R421重複)~【野々宮町(八日市郵便局前)】~(滋賀r13・すごやか通り)~【甲良町役場前】~【千鳥橋北詰(彦根市):R8接続】

とする。すなわち、大阪・奈良と宇治茶の里・和束町、陶芸の里・信楽や八日市市街地などを一本の国道で結んでしまおうというもの。奈良交通加茂線や和束線(旧・JRバス近城線)もR308を走行することになります。信楽からさらに加茂まで結ぶ計画だった国鉄信楽線(→信楽高原鉄道)の未成線と並行することにもなります。さらに、信楽町内では番号一つ違いのR307(彦根市~枚方市)と重複するこ(信楽~彦根間はR307とは異なるルートで設定、またR307重複区間の半分は酷道422とも重複)、そして湖南市ではかの有名な酷道477(四日市市~池田市)と重複することも面白いでしょう。

接続・並行する鉄道は、

大阪地下鉄長堀鶴見緑地線・御堂筋線・堺筋線・谷町線・今里筋線・中央線
JR大阪環状線・おおさか東線
近鉄けいはんな線・奈良線・生駒線・橿原線
JR関西本線
信楽高原鉄道
JR草津線
近江鉄道本線・八日市線
東海道新幹線
JR東海道本線(琵琶湖線)

であり、2つの「近鉄」と接続していることは興味深いと言えます。

大阪と滋賀を結ぶ3桁国道はR307・308・477の3本となり、滋賀県内ではお互い交差しあうが、大阪府・京都府区間では次の土木管理事務所がそれぞれ管理、全く離れたところを通ることになります:

(大阪府)
R307:枚方土木事務所
R308:大阪市建設局、八尾土木事務所
R477:池田土木事務所

(京都府)
R307:山城北土木事務所
R308:山城南土木事務所
R477:南丹土木事務所、京都市建設局(京北・左京山間部土木事務所)


昨年秋、滋賀県甲賀市のコミュニティバスに南草津土山線が登場しました。

http://www.city.koka.lg.jp/secure/9883/012%20(1).pdf

JR南草津駅西口と甲賀市土山を新名神高速経由で結ぶというもの。基本的に単一市町村内で完結するコミュニティバスが高速道経由で他の市へ越境するという点で、注目すべきと言えます。かつての草津駅と水口・土山方面を結ぶバス(滋賀交通、国鉄バス)の再来とも言えるが、本数は1日3往復のみと少なく、時間帯的に市外からの観光・レジャー等での利用は難しいと思われます(もちろん市内住民利用が優先なのは言うまでもないが)。


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日野付近にて

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水口駅駅舎



国鉄・西日本JRバス近城線。

「近城」とは近江・山城を結ぶという意味で、奈良駅から京都府南山城のお茶どころ、木津・加茂・和束町を経て滋賀県信楽・水口(甲賀市)を結ぶ長距離路線だった。主な機能は関西本線奈良・加茂駅と信楽線(信楽高原鉄道)信楽駅ことであり、大阪南東部および奈良方面から陶都・信楽への交通ルートとしての活路があった。国鉄信楽線は信楽から加茂へ延伸する計画だったという。もし、加茂まで延びていたら、関西本線加茂以東よりも信楽線のほうが先に電化され、大和路快速が信楽・貴生川そして草津まで直通運転していた可能性が大きい。

さて、近城線について、最盛期は奈良から水口まで一本で結ばれていた。水口(水口新町)では草津と亀山を国道1号(旧・東海道)経由で結ぶ亀草線と連絡していた。国鉄末期1985年3月改正の時点では信楽で系統は分断されていたが、それでも奈良と信楽を直通する便は何本か残っていた。その後、府県境を越えて運行する便は減らされ、2002年には西日本JRバス(加茂営業所)が撤退する。加茂~和束町小杉間は奈良交通に継承され現在に至る(当初は京都営業所が担当していたが、近年平城営業所に移管)。なお、近城線の運行経路は、主要地方道5号線<木津信楽線>をそのまま進むものと思っていたが、和束町の清水橋から信楽町朝宮・石倉橋へ抜け(和束町小杉はr5号の道なりに)、R307を東へ向かいつつ、国道からまた外れて信楽駅前へ至るルートだった。和束と並んで朝宮のお茶は全国的に有名。面白いことに、加茂町と信楽町は奈良時代聖武天皇の頃、一時的に都(恭仁京と紫香楽宮)が置かれた地でもあり、近城線はこの2つの旧都を結んでいたことになる。信楽は滋賀県にあって奈良の影響が強い町だと感じられる。

近城線の支線系統として、

加茂~南加茂台~岩船寺~浄瑠璃寺
信楽~江田~多羅尾
石山駅~(国道422号経由)~石倉橋~信楽

などがあった。加茂営業所の車両は平成初期まで大津市・石山駅にも足を伸ばしていた(2002年信楽町→甲賀市コミュニティバスに転換)。石山付近では京阪バス・京阪宇治交通・帝産湖南交通・近江鉄道バスと行き交っていた。また、加茂~岩船寺~浄瑠璃寺系統は奈良交通(エヌシーバス)が引き継いでいる。

<関連サイト>
国鉄バス資料室
http://cortina.hakuba.ne.jp/~tsubame/jnrbus/6kinjo.html

バスでいこ! お茶畑と日本の原風景を訪ねて
http://www.h5.dion.ne.jp/~busiko/kinjyou.htm



滋賀県内の1日平均乗車人員数の第1位は、東海道本線(琵琶湖線)の南草津駅。

南草津駅は草津-瀬田間に1994年9月新設。
もともと、草津市南部の新都心開発構想の一環として計画が進んでいたが、立命館大学びわこ・くさつキャンパスの開校(理工学部など一部が京都市北区の衣笠から移転)に合わせ開業しました。

開業当初、駅前周辺は何もない小さな一つの駅だったが、バスロータリー新設や商業施設が出店して街開きが進み、マンションや住宅も増え続け、学生たちで終日賑わうようになりました。列車本数増発などを目的に新快速の南草津停車の要望も強まり、2011年より新快速停車が実現しています。そして、2014年度には、一日の平均乗降客数は草津駅を上回って、滋賀県内トップに躍り出ます。さらに南草津駅には首都圏と結ぶ高速バスも乗り入れています。

滋賀県の代表駅といえば、県庁所在地に一番近い大津駅だと思われるでしょう。しかし、大津駅前周辺は大きなバスロータリーも持て余すほど寂れています(バスの発着本数もさほど多くありません)。京都市とは目と鼻の先、京都駅まで電車で10分のところゆえ、かえって埋没しがちですね。草津駅はおろか、大津市内の膳所や石山にも負けていると実感します。

滋賀県の商工業の中心地域といえば、草津・栗東・湖南・近江八幡・彦根などの湖東地域でしょう。
滋賀県には日本三大商人の一つ、「売り手よし、買い手よし、世間よし」を基本思想と近江商人を生んだ誇るべき歴史があります。近江商人の流れを受け継いでいる日本企業は数多く、大丸・高島屋・山形屋・西武グループ・ヤンマー・ワコール・西川産業・トヨタ自動車・日本生命・ニチレイなどが有名です。ちなみに、高島屋は湖西の高島市が由来となっています(高島郡出身の商人が創業)。

翻って大津市は、京都・大阪のベッドタウンの色合いが濃いようです。



しばらく滋賀県の話題から外れていたので、滋賀交通(滋賀バス)の路線について一つレポートを作ってみることにした。

滋賀交通といえば観光・貸切バスおよびタクシー事業のほうが有名で、大阪・京都・名古屋・東京などにも営業所がある。ほかにボウリング場や不動産業なども営んでいるようだ。

しかし、一般路線バスについては非常にマイナーだ。

かつて、水口(甲賀市)を拠点としてJR草津線沿線の湖南地域にかなり広大な路線網を有し、浜大津や京都市内、さらに鈴鹿スカイライン経由湯の山温泉(三重県)にも足を伸ばしていたが、現在では草津~石部間(草津伊勢落線)と野洲~湖南市方面(湖南野洲線)と甲賀市・湖南市コミュニティバスに規模が縮小されている。

実は私は滋賀交通のバスについては一度か二度乗ったきりだ。
滋賀交通のバスはかなり遅くまで古ぼけた車両が現役で活躍していて、興味を惹く存在だった。
1990年代初頭まで、1960~70年代の三菱MR520(バス窓・非冷房)がまだまだ多く残っていた(新しい車両も1976年式の路線・観光兼用車MAR470と某公営発注流れのブルドック(MP118)ぐらい。MAR470は湯の山温泉系統用に投入されたようだ)。
同じ草津駅前から発着する近江鉄道や帝産湖南交通の車両に比べ、田舎っぽい塗装デザインで、一昔前にタイムスリップしたかのような印象を受け、「動くバス歴史博物館」のような状態だった。

草津駅前からの滋賀交通バスは、国道1号線経由水口までの路線が発着していたが、1993年ごろより石部駅までに短縮される。JR草津線に並行していることや国道1号線の慢性的渋滞などが理由だろう。

路線短縮とともに、非冷房のMR520は淘汰されはじめ、中型エアロミディに置き換えられる。残った観光兼用車MAR470も1999年までに引退、発注流れブルドックMP118は2004年ごろまで存続した。


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1990年代初めごろま現役だった三菱MR520
(「バス三昧」さまより拝借)



富士重工の車体を架装したバスは、どちらかといえば東日本に多く分布、西日本ではなぜか特定の県に集中していた。関西では、どちらかといえば西工のバスが多く、京都も例外ではない。

しかし、京都・滋賀地区は、実は何気に富士重のバスが多い。
該当するバス事業者は、

京都バス、京阪宇治交通(→京都京阪バス)、近江鉄道

で、近江鉄道に富士重が多いのは西武鉄道グループゆえのものだろう(昔は近江鉄道も西工を導入していたようだ)。

過去には京阪バスも富士重(日野、三菱)を導入していた。

もちろん、京都・滋賀の国鉄バス(京都京北線、園福線、近城線、亀草線など)も富士重+三菱ふそうが多かったし、西工の多い京都市バスも2000年ごろの一時期、富士重を少しだけ購入。

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京都バス 富士重7E(日産ディーゼル?)

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旧・京阪宇治交通→京阪バス田辺営業所 富士重7E

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近江鉄道 富士重6E


京阪宇治交通に富士重(日産ディーゼル)が本格的に導入されるようになったのは1979年以降(主に宇治営業所)で、それほど古くはない。それ以前も、非冷房車の富士重+三菱が少しだけ配備され、くずは・男山地区でも活躍していたと記憶している(該当する車両は社番166 京22か1400)。






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近江鉄道富士重7Eと京阪バス・ブルーリボンのツーショットです。
ともに「浜大津」行き表示を出していますね。


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10年以上前の写真ですが、関西の某所で帝産湖南交通ブルドック廃車体に出会いました。
詳細については差し控えさせていただきます。

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