カテゴリ: 【東海】バス・私鉄


世の中は実に面白いもので、大井川鐵道に「合格」駅が存在します。 

所在地は静岡県島田市竹下字籾蒔島。読み方はそのまま「ごうかく」。「合格」という地名そのものは存在せず、2020年11月まで「五和(ごか)」駅でした。五和駅は1927年開業で、当時五和村の最寄り駅でした。ボランティア団体が地域おこしの一環で、受験シーズンに駅名をもじり「合格駅」と記したお守りなどを販売し、活動にあやかって改称したといいます。合格駅には全国唯一の駅舎内地蔵が安置され、全国から合格祈願に受験生が集まるといいます。

「合格」への駅名改称は、隣に新駅「門出」開業に合わせたもの。門出駅は複合交流施設「KADODE OOIGAWA」に隣接しています。同施設には農産物販売所やカフェなどが入っており、大井川鐵道で動態保存されていたC11-312号機が展示されています。合格祈願グッズも購入できます。


大井川鐵道・金谷から合格、門出へ。合格祈願スポット巡りの旅(ハローなび しずおか)
https://shizuoka.hellonavi.jp/tourist-attractions/gokakueki

大井川鉄道 35年ぶり新駅「門出」、五和駅は「合格」駅に(中日新聞)
https://www.chunichi.co.jp/article/126931


乗務員不足や物流・運輸業界2024年問題を背景に、全国各地でバス路線廃止・縮小の相次ぎ、交通界にとって暗いニュースが目白押しです。金剛自動車のバス事業廃止、阪急バスの老舗路線廃止に続き、昨日京阪バスが今年末と来春にかけて16路線を廃止すると発表されたばかり。そんな中で、一つ前向きなニュースを紹介したいと思います。

来春、北陸新幹線敦賀延伸開業に合わせ、高速バス名古屋~福井線(北陸道ハイウェイバス)が増便されることになりました。運行会社はJR東海バスほか4社。新幹線の敦賀延伸に伴い、大阪・名古屋から福井・金沢・富山方面へは、敦賀で在来線特急と新幹線の乗り継ぎが強いられ、両者間の往来が不便になるのを見越してのことです。

現在、名古屋(名鉄バスセンター・名古屋駅)~福井(福井駅東口)線は8往復の運行ですが、12月1日より2往復増便されます。土休日など特定日には、福井からさらに「あわら湯のまち駅」「三国駅」まで1往復を延長運行されます。

また、「武生」バス停は、北陸新幹線の越前たけふ駅前の交通広場に移設し、停留所名も「越前たけふ」に変更されます。

名古屋駅~福井駅間の所要時間は2時間45分~50分。

例の2024年問題などを控え、将来の楽観はできないが、名古屋~福井間を直通する唯一の公共交通手段として堅調に伸びることを期待したいと思います。


北陸道ハイウェイバス福井線のダイヤ改正・運賃改定のお知らせ(JR東海バス)
https://www.jrtbinm.co.jp/topics/e/post_676.html

北陸新幹線で不便になる「名古屋~福井」高速バス増便!
“直通”移動を確保 立地最強ターミナル駅も本領発揮へ
https://news.yahoo.co.jp/articles/e15c2be1a4bb8c1764b7634614da8edc440335fc




スルッとKANSAI発行のICカード・PiTaPa。

PiTaPaはICOCAとともに関西エリアでメジャーな交通系電子マネー。ただ、PiTaPaはICOCAに比べてユーザーが少なく、関西圏(京阪神)エリア以外での自由度が低いのが難点です。ICOCAはJR西日本が主体で、もともと関西私鉄系(スルッとKANSAI加盟各社局)のPiTaPaと敵対関係の構図だったが、阪急・阪神ほか私鉄各社でもICOCAカード・定期券の購入が可能となり、今やICOCAは関西圏を拠点に全国各地の交通や店舗で自由に使える交通系電子マネーとして定着(JR東日本のSUICA他と相互利用が可能)。

PiTaPaが低迷している理由として、クレジット会社の与信審査が必要なポストペイ方式であるためと指摘されています。PiTaPaはクレジットカード利用者のみにしか発行されません。年齢問わず誰でも保持可能の(チャージ式=プリペイド式)ICOCAとは大きく異なります。

ただし、PiTaPaも、ICOCAと同様のチャージ式ICカードとしての機能を兼ね備えており、プリペイド決済に限り全国の交通で利用可能です。なお、JR西日本でも大阪近郊区間エリアではPiTaPaポストペイが可能です。

PiTaPa利用の可能な店舗(物販)は、関西圏を含む近畿2府4県(大阪・兵庫・京都・滋賀・奈良・和歌山)と周辺にほぼ限定されています。

しかし、実は東海エリア(愛知・岐阜・静岡・三重)でもPiTaPaは意外に自由度が高いです。

まず、交通系では静岡県の静岡鉄道(鉄道)・しずてつジャストライン(バス)でPiTaPa(ポストペイ)が早くから導入されています。名古屋近郊と三重県では、近鉄でPiTaPaのポストペイが可能ですね。

PiTaPa加盟店舗では、まず大手スーパー・オークワが挙げられます。オークワの店舗は近畿南部と東海エリア(愛知、岐阜、静岡)を広域カバーしており、全店舗でPiTaPa決済が可能です。オークワではセルフレジも充実しているようなので、対面でPiTaPa決済を伝えると気まずくなりそう、という方はセルフレジを使えばよいでしょう。近鉄百貨店もPiTaPa加盟店で、名古屋店・四日市店でも利用可能です。

コンビニのファミマは、原則として近畿2府4県の店舗のみでPiTaPa決済が可能ですが、三重県と愛知県の一部店舗(近鉄駅ナカなどに限る)でもPiTaPaが使えます。三重県では、少なくとも伊賀地域(伊賀市、名張市)の全店舗でPiTaPaが使えるようになってほしいですが。一方、ローソンは近畿2府4県に加え、三重・愛知県の全店舗でPiTaPaが使えるのは驚きです。


岐阜県東濃の中津川市と飛騨南部の下呂市は、国道256・257号線で結ばれています。かつて両都市間を結ぶバスがあったようですが、今もバスを乗り継いで往来することが可能です。以下がモデルルートとなります。

中津川駅前      ~ 加子母総合事務所前   (北恵那交通)
加子母総合事務所前  ~ 下呂駅前        (濃飛バス)


中津川市ホームページに、乗り継ぎ時刻表がアップされています。
https://www.city.nakatsugawa.lg.jp/material/files/group/15/teiju_20200401_nakatsugero.pdf

運賃は合計2450円。「加子母総合事務所前」は中津川市内です。恵那峡・馬籠・南木曽と下呂温泉をめぐる観光ルートに使えそうで、JR中央本線と高山本線をワープする際に使うのも面白いでしょう。

下呂温泉と郡上八幡を結ぶ無料バスも運行されています(5~12月の金・土・日・祝日運行、要予約)。これら3本を乗り継いで、岐阜県山間部を横断するバス旅も面白いかもしれません。

一時期、中津川と飯田を中央道経由で結ぶ「いいなかライナー」もあったが、利用状況が良くなかったようで、わずか数年で廃止。

自分の中津川の思い出といえば、釜めしの駅弁が挙げられます。165系松本行きの車内で舌鼓を打ち、とても美味しかったです。残念ながら中津川の駅弁はなくなってしまったようです。学生時代、ある目的で中津川市内に宿泊したこともあります。


かつて、岐阜県中津川市と長野県飯田市を中央道(恵那山トンネル)経由で結んだ高速バス「いいなかライナー」。1998年から2004年までの6年間運行されていました。

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飯田市をはじめ長野県南部の伊那谷地方は、愛知県や静岡県にも隣接していて伝統的に名古屋(中京都市圏)との結びつきが強いです。しかし、中部山地の地形の険しさから、両地域間の鉄道はJR東海道本線+飯田線(豊橋経由)、または中央本線(中央西線)+飯田線(塩尻・辰野経由)という迂回ルートしかありません。

伊那谷地方と名古屋を短絡させるべく、中央本線の中津川と飯田線の飯田を結ぶ鉄道開通が熱望され、国鉄中津川線として実現させる計画が上がり、建設工事も進められました。しかし、整備新幹線の法制化に伴い、地元は中津川線よりも中央新幹線の誘致を重視するようになり、加えて中央自動車道の開通(1975年)を受けて、計画は頓挫。

中央自動車道は長野県最初の高速道路で、諏訪湖付近から天竜川や飯田線に寄り添って伊那谷を南下したのち、飯田市付近で西に進路を転じ、中津川線の計画ルートに並行して恵那山トンネルを突き抜けて岐阜県の恵那峡に入り、中央本線や木曽川に沿って標高を下げ、小牧ICで名神・東名道と合流。恵那山トンネルの長さは、上り線8649m、下り線8489mで、道路トンネルとしては当時日本最長でした。

中央道開通後、名古屋と伊那谷地方を結ぶ高速バスが頻発運行されるようになり、もとから線形の悪い飯田線では太刀打ちできず、優等列車(急行【伊那】【こまがね】ほか)は軒並み廃止。

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中津川線は未成線に終わるが、恵那や中津川など岐阜県東濃地方と伊那谷地方との間の往来需要は一定程度存在しているようで、1998年よりJR東海バスと信南交通との共同運行で高速バス「いいなかライナー」を運行開始。特急【(ワイドビュー)しなの】とのリレー(中津川駅で乗り継ぎ)で、名古屋発着の直通高速バスとスピード面では健闘だったと思うが、やはり乗り換えが嫌われたのか利用状況は思わしくなかったらしく、わずか6年で廃止されました。

現在、中津川駅と飯田方面を結ぶバスは直接運行されていないが、馬篭(神坂PA)から高速バス名古屋飯田線に乗車することが可能です。


昔、 東京から大阪(枚方)まで知人の車に乗せてもらったことがあります。

起点は東京都八王子市でした。八王子市とはいっても、中央線沿線とは離れた南側、町田市との境界寄りの地点でした。

東名道~東名阪~R1経由だったので、たぶん厚木ICから高速に入ったものと思います。現在だと圏央道の相模原ICから入ることになるのでしょう。厚木ICまでのルートはR129だったかな・・・。

東名道は箱根の北側、JR御殿場線のほうへ回ります。ちなみにR1は海寄りのルートですが、小田原から箱根山を登りつめ、相当な難所のようです。どこのSAで昼食休憩をとったかは失念。

沼津ICあたりから富士山の南麓へ回り、海岸寄りのルートを取ります。沼津の手前、裾野市という地名は、文字通り富士山の「裾野」であることを示していますね。富士川を渡った先、由比海岸を通過するときは最高のテンションでした。大井川を渡ったあたりから再び海岸線と離れたところを走ります。浜名湖の北を掠り、たぶん浜名湖SAで休憩したことでしょう。ここは景色が良いので絶対外すわけにはいきません(笑)。

確か名古屋ICから名二環で名古屋市街地を大回りし、名古屋西ICから東名阪に入りました。大阪へは亀山からそのまま無料の名阪に進むと早いが、所用で滋賀県(湖南地区)に寄るため、一般道におりてR1・鈴鹿峠ルートを取りました。現在だと、新名神を使うことになるでしょう。

栗東ICから京都南ICまで名神を走り、ひたすらR1を南下して枚方に到着。

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往路は、河内磐船駅から片道切符で八王子まで乗車しました。乗車ルートは片町線~関西本線~東海道本線(新幹線)~相模線~横浜線で、基本的に普通列車の乗り継ぎですが、名古屋~静岡間は新幹線でワープしました。「青春18きっぷ」とはちがって、特急券を買うだけで新幹線や特急に乗れるのは、普通乗車券(片道切符)の有難いところですね。近郊区間大回りのときも、この原理が使えます(ただし近郊区間大回りでは距離に関係なく途中下車はできないのが難点)。


引退済みの南海6000系がこのほど、譲渡先の大井川鉄道(静岡県)に向けて輸送されました。

今回の譲渡となった該当車両は6905F(6016-6905)の2両編成。

今度の譲渡は製造から半世紀を超えた車両ということで注目を集めています。

南海6000系は1962~69年に東急車輛で製造。高野線用の20m4ドア通勤車です。ステンレス車体で2019年まで1両も廃車が発生しなかったことから、相当頑丈に作られていることが伺えます。その頑丈さゆえにスカウトされたのでしょう。

同じく古豪のステンレス車・東急7700系が養老鉄道(旧・近鉄養老線)へ譲渡され、それよりも古くない近鉄丸屋根車を置き換えているのも、同じ理由のようですね。

大井川鉄道には元南海ズームカー21000系が活躍中。同じく高野線の名選手であり、6000系との再会を果たすことになりそうですね。21000系とともに新天地での活躍が期待されます。

6000系譲渡で置き換えとなる車両は、元近鉄16000系のようです。

(参考記事)
南海6000系が大井川鉄道に譲渡!C#6016陸送
https://train-fan.com/nankai6000-oigawa/


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