カテゴリ:近鉄沿線のバスなど > 三重交通


三重交通有数の長距離一般路線を一つ挙げてみました。松阪市の飯南波瀬線【12】系統<松阪駅前~スメール>。

松阪駅前から櫛田川に寄り添って国道166号線(和歌山街道)を西に進み、旧・飯高町の香肌(かはだ)峡エリアまで結んでいます。全線松阪市内です。

主な停留所は、

松阪駅前~愛宕町~春日町~黒田新町~中部中学校口~松尾小学校口~丹生寺~大河内小学校前~瀬戸~六呂木~南小学校前~大石幼稚園前~柿野学校前~飯南地域振興局前~飯高高校前~宮前学校前~宮前車庫前~道の駅飯高駅~赤桶~宇栗子橋~田引口~粟野農協前~柳瀬橋~富永~森~名倉橋~宇藤木~スメール

所要時間は1時間35分ほど。国道166号線の松阪市内区間は東西に65kmほどの長距離(総延長のうちの半分以上が松阪市)。バスは森バス停付近より県道569号線に入ります。国道はこの先、高見トンネルをぶち抜いて奈良県に入り、さらにもう一つ山を越えて大阪府羽曳野市に至ります(奈良~大阪側では「日本最古の国道」こと竹内街道として有名)。終点「スメール」は「松阪ワンワンパラダイス 森のホテルスメール」という宿泊施設のこと。大自然の中で愛犬と一緒に宿泊できるホテルのようです。

運行ダイヤは、1日5往復(平日・土休日)。松阪営業所の担当です。

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三重交通【30】系統・亀山みずほ台線。

亀山市と鈴鹿市街地を結ぶ路線系統の一つです。主な停留所は、

亀山駅前(JR)~亀山局前~東台~北山~栄町~みずほ台口~みずほ台西~みずほ台東~井田川駅(JR)~国道小田~和田公民館前~西富田神社前~中富田~汲川原(くみがわら)西~庄野橋~鈴鹿高校~イオンモール鈴鹿けやき通り~旭化成前~平田町駅(近鉄)

鈴鹿市街地には近鉄鈴鹿線(伊勢若松-平田町)が乗り入れています。鈴鹿市はホンダと旭化成の製作所の立地する工業都市であり、また鈴鹿サーキットというレジャー施設が人気で、モータースポーツの聖地になっています。そして、鈴鹿市内最大級の商業施設として、イオンモール鈴鹿があります。

亀山市は東海道の宿場町・関宿で知られ、JR関西本線と紀勢本線の分岐する鉄道の要衝として発展。ただ、近鉄に比べてJRのシェアは小さく寂れており、また高速道(名阪、伊勢、新名神)の賑わいとは対照的です。亀山はローソクの町です。

鈴鹿市街地と亀山市街地は直線距離で5~6kmの位置にあって意外に近いが、鉄道で往来するのは不便。両地点間を三重交通のバスが短絡しています。近鉄鈴鹿線の亀山延伸計画もあったようですが・・・。

亀山みずほ台線【30】系統の運行ダイヤは、1日7往復。概ね2時間に1本で本数は多くなく、やはり車での行き来が圧倒的のようです。他に、【70】系統(回生病院・国府経由)が運行されているが、本数はやはり同程度です。

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かつてのスーパーの王者、 ダイエー。

ダイエーといえば、昭和~平成初期のころまでは、全国各地で見かけることが多かったと思います。特に関西エリアではどこに行ってもダイエーばかりでしたね。

ふと、「そういえば三重県にダイエーはあったのかな?」と気になり、さっそくWikipediaで調べました。三重県にかつて存在したダイエーは1店舗だけのようです。津センターパレス店(津市)が県内唯一のダイエー店舗で、1985~1995年のわずか10年間だけの営業でした。

なぜ、三重県にはダイエーが少なかったのか。それは、ジャスコ(→イオン)のお膝元であり、またオークワの勢力圏でもあるため、だと考えられます。

ジャスコの発祥地は四日市市。ジャスコの創業者が現職の野党系有力政治家の家系であるのは、周知の通りでしょう。県内ではもともとジャスコの店舗が多く、それはイオンに引き継がれています。かつての王者ダイエーも、今ではイオングループの傘下に飲み込まれました。

一方、和歌山県を本拠地とするオークワも三重県内を全域カバーしているのは、興味深いです。オークワに至っては、和歌山・奈良・三重を中心とする近畿南部ばかりか、さらに岐阜・愛知・静岡にも店舗網を広げていますね。

ちなみに、隣の滋賀県もダイエーの店舗は少ない方でした。理由は、容易に想像が付くでしょう。


三重県北部の四日市・長島温泉と大阪市内を結ぶ高速バス。

新名神の部分開通で三重県と京阪神エリアとの新ルートが開拓され、京都・大阪と三重県各地を新名神経由で結ぶ高速バスが相次いで誕生。ただ、その多くは利用状況が芳しくなかったのか、撤退してしまいました。四日市~大阪線は現在も運行中(新型コロナの影響で2022年11月現在も運休中?)の一路線です。

停留所は、

長島温泉~近鉄四日市~生桑車庫~大阪駅JR高速ターミナル~USJ

三重交通と西日本JRバスとの共同運行で、

三重交通   :近鉄四日市~USJ 平日1往復、土日祝日2往復
西日本JRバス:長島温泉~大阪駅  1往復


の合計3往復の便が設定されています。

三重交通担当便は大阪への出張・観光に合わせた時間帯での設定で、人気のスポット・USJまで直通しているのが特徴的。近鉄特急利用での不便さ(USJへは大阪難波・西九条で2回乗り換えが必要)をカバーしていると言えます。

西日本JRバスは、大阪エリアから長島温泉への観光客をターゲットにしており、朝1便は長島温泉行き、夕方1便は大阪駅行きがそれぞれ設定されています。

なお、JR四日市駅(JR東海)への乗り入れはありません。実際、JR四日市駅の乗降客数は近鉄四日市駅の1割にすぎず、そもそも場所が悪いですね。


伊賀市内の三重交通路線バスを一つ紹介したいと思います。

【42】系統、西山・島ヶ原線。 上野市駅と伊賀市北西部の岩倉・西山・島ヶ原地区を結んでいます。主な停留所は、

上野市駅~公園口~小田町~(国道163号)~長田~木根団地~岩倉~新居市民センター前~西高倉~西山~やぶっちゃランド※~島ヶ原駅前~正月堂東~中矢

「やぶっちゃランド」は「やぶっちゃの湯(島ヶ原温泉)」。休館日(火曜日)は経由しません。接続する鉄道は、上野市駅で伊賀鉄道、島ヶ原駅前でJR関西本線。

島ヶ原地域(旧・阿山郡島ヶ原村)は奈良・京都・滋賀の3府県に隣接しています。三重県と京都府が隣接していることは気づきにくいポイントで、国道163号線を走行あるいはJR関西本線に乗車したときに初めて知って驚いたという人も多いようです(管理人もその一人です)。

正月堂は観菩提寺の別名で、特に正月堂修正会(しゅしょうえ)は伊賀路の春を呼ぶ行事として古くから親しまれ、奈良・東大寺二月堂のお水取りに先駆けて執り行われる厄除け大餅会(だいひょうえ)式です。

西山・島ヶ原線の運行ダイヤは、上野市駅~西山便4往復、上野市駅~西山~島ヶ原駅前~中矢便4往復。全便日祝日は運休なので注意。

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平成初期(1桁、1990年代前半)の頃の伊勢市・宇治山田駅前について、思いつくままに書いてみました。

あの頃、時々近鉄またはJR参宮線に乗って伊勢市を訪れることがありました。 

JR・近鉄との共同駅・伊勢市駅構内には、JRの伊勢車両区があり、紀勢本線・参宮線・名松線用の気動車(キハ11・キハ40系・キハ58系)が配置されていました。快速【みえ】はキハ58系からキハ75系への置き換え過渡期でした。

近鉄のほうは、汎用特急車の新型22000系(AEC)が登場。また、志摩スペイン村開業(1994年)に合わせ、志摩線の複線化とリゾート風デザインの特急車・伊勢志摩ライナー23000系が華々しくデビューした時期でもあります。伊勢志摩ローカルで活躍していたユニークな680系(元・京都線特急車)は一度乗ってみたい車両だったが、既に引退済みでした。普通列車は鳥羽線・志摩線を含め、4ドアロングシートの標準通勤車ばかりになっていました。

伊勢市駅前にはジャスコや三交百貨店がありました。三交百貨店は松阪駅前に本店があったが、いずれも閉店してしまいました。典型的な中心市街地の衰退パターンですね。

伊勢市駅は伊勢神宮外宮への最寄り駅。正式の参拝順路としては外宮→内宮のようで、小学校の修学旅行のとき、外宮だけを巡回しました。内宮へは隣の近鉄宇治山田駅からバス、または五十鈴川駅下車が便利です。伊勢市駅前と宇治山田駅の間の距離は1km圏内で、徒歩移動も十分可能です。近鉄独自のターミナル・宇治山田駅前のほうが賑やかですね。

三重交通のバスといえば基本的にいすゞ車で、なぜか富士重ボディ(3E・5Eほか)も多かったです。他に日野ブルーリボンのトップドア車や三菱エアロスターMなどの個性派も少数ながらいましたね。

伊勢志摩を訪れたときに味わいたいB級グルメといえば、伊勢うどん、手こね寿司、赤福ですね(^-^) そして、松阪牛が自慢の松阪駅弁もぜひ。


近鉄百貨店グループはかつて、東京から九州にわたる太平洋ベルトの広範囲に店舗を展開していました。過去の店舗リストを作ってみました。

【近鉄百貨店(直系)】
東京店(東京都武蔵野市)     1974~2001年
西京都店(京都市右京区)     1982~1995年
桃山店(京都市伏見区・momo)   1996~2014年
桜井店(奈良県桜井市)      1991~1994年
桔梗が丘(三重県名張市)        ~2018年
別府店(大分県別府市)      1960~1994年
上海店(中国)

【近鉄百貨店(旧・丸物)】
京都店(京都市下京区)      1920~2007年
京都近鉄百貨店岐阜店’(岐阜市)
枚方店(大阪府枚方市)      1975~2012年

【近鉄松下百貨店】
本店(山口県周南市JR徳山駅前) ~2013年

【三交百貨店】
松阪店(三重県松阪市)      1965~2006年
伊勢店(三重県伊勢市)      1969~2001年


東京店は吉祥寺駅前にありました。東京店・京都店の跡地は共にヨドバシカメラです。京都店は丸物本店→京都近鉄百貨店の変遷を辿っています。京都市内には延べ3店舗を有していたが、2014年の桃山店閉店をもって消滅。九州にも近鉄百貨店(別府店)があったとは驚きです。

山口県には近鉄松下百貨店が存在したほか、防長交通バスも近鉄グループで、本家の近鉄バスから中古車が譲渡されます。そういえば、広島県東部の福山も最近まで近鉄グループが有力で、福山通運は近鉄系の傘下だったし、中国バスも近鉄グループでしたね。その関係から、福山に近鉄百貨店出店計画もあったようです。

岐阜市・柳ヶ瀬には京都近鉄百貨店岐阜店(旧・岐阜丸物)がありました。ちなみにかつて岐阜県(大垣市ほか)に近鉄養老線(→養老鉄道)が乗り入れていましたが、このことと関係あるのかはわかりません(たまたまそうなっただけでしょう)。

三交百貨店はその名の通り三重交通の系列で、松阪および伊勢市駅前に店舗を構えていたが、いずれも消滅。現在、近鉄百貨店四日市店が三重県唯一の百貨店です。


三重交通志摩営業所管内で一つ気になる路線がありました。

賢島スペイン線【59】系統。賢島駅前~鵜方駅前~志摩スペイン村方面を結ぶ路線系統であり、志摩スペイン村への重要なバス路線です。

志摩スペイン村は1994年志摩市磯部町に開園のテーマパークで、 志摩半島リゾート開発の一環として近鉄グループが手がけたもの。近鉄志摩線の複線化工事や伊勢志摩ライナー23000系登場も、志摩スペイン村開園に合わせたものでしょう。スペイン村の東側はカキで有名な的矢湾に隣接します。開園当初、志摩磯部駅が玄関口とされたため、スペイン村をイメージした豪華な駅舎に生まれ変わり、当駅からバスが運行されていました。

志摩スペイン村の広告は近鉄グループの社運をかけたものだけあって、大阪府内の近鉄バス(近鉄自動車局)にも掲載され、茨木・摂津エリアでも見られました。

開園から11年後、志摩スペイン村の玄関口が志摩磯部駅から鵜方駅に変更されました。バスも鵜方駅発着に立て替え。その結果、あの豪壮な構えの志摩磯部駅は廃墟と化し、閑古鳥が鳴いている状況のようです。

賢島スペイン線【59】系統は、途中鵜方駅前・坂崎の2停留所に停車(パールロード経由)。平日毎時概ね1本、土休日毎時2本のダイヤです。鵜方だけでなく賢島からも直通しているのが嬉しいです。



三重交通熊野新宮線(【13】系統)について。

この路線は和歌山県新宮市と三重県熊野市を結ぶ路線バス。主に国道42号線を走行し、車窓から白砂青松の熊野灘(七里御浜)や奇岩・鬼ヶ城などの絶景を楽しむことができます。

主な停留所は、

新宮駅前~熊野大橋~鵜殿駅前~井田駅前~御浜町阿田和~紀南病院前~阿田和駅前~御浜町役場前~市木~神志山~獅子岩~熊野市駅前~新町~鬼ヶ城東口~大泊~小阪~飛鳥~大又~大又大久保

運行系統は新宮駅前~新町新宮駅前~大又大久保の2系統があります。元・国鉄バス紀南線を引き継いだ路線のようで、かつて紀勢本線全通前の時代は特に重要視されていたことでしょう。南紀営業所(熊野市)の担当です。

新宮市を出て熊野大橋を渡るとさっそく三重県に。新宮~熊野市駅・新町付近までは開けた地形であるため沿線人口も多く、JR紀勢本線とほぼ完全に並行する形で毎時1本程度の本数が確保されています。大泊以北の国道42号線は海岸線と離れ山道の難所に一変します(ここから国道311号線が分岐、熊野灘のリアス式海岸に沿って尾鷲市をめざす)。小阪交差点では北山峡を経て奈良県吉野・橿原方面につながる国道309(~169)号線と接続。終点・大又大久保バス停は、尾鷲市との境界である大又トンネル坑口の2kmほど手前です。紀勢本線全通前はここから先、大又峠を越える国鉄バスがあったようですね。

国道42号線・熊野新宮線の走行区間には、名古屋南紀高速線(新宮駅前~名古屋)および松阪熊野線(三交通南紀~松阪)なども並走しており、名古屋高速線は大泊付近から市街地など一部区間を除いて紀勢道(R42バイパス)でショートカットします。松阪熊野線も元は国道を走る特急バスだったが、一般路線(各駅停車)化されています(長距離を走行するため特別仕様の専用車両を充当)。

かつて、新宮~熊野市駅前・鬼ヶ城*1)間は南海グループの熊野交通(現・熊野御坊南海バス)と共同運行でした。また、新宮市内に三重交通の新宮車庫も設置され、和歌山ナンバーの三重交通もいました。

その昔、奈良大仏殿前・大和八木より国道169号線(北山峡)から熊野市経由新宮までの奈良交通特急バス(のちに川上村・上北山村~新宮間に短縮)も運行、新宮市に奈良交通の営業所もありました(したがって和歌山ナンバーの奈良交通車両もいた)。七里御浜の海岸線を走る奈良交通のバスは特に異彩を放っていたことでしょう。現在も新宮駅には「日本最長距離の一般路線バス」で知られる奈良交通八木新宮特急バス(国道168号、五條・十津川経由)が1日3往復乗り入れています。


*1)現在、三重交通に「鬼ヶ城」バス停は存在しないが、2021年4月1日ダイヤ改正で新設される予定。


かつて、三重交通は上野市(伊賀市)から滋賀県甲賀市の信楽まで国道422号線経由で乗り入れていました。

詳細については不明ですが、その面影といえる路線は諏訪線(上野市駅-諏訪下出)でしょう。以前、ここからもう一歩北へ進んで伊賀焼の里・丸柱というところまで乗り入れていました。その昔、丸柱からさらに県境を跨いで陶芸の里で知られる信楽まで足を伸ばしていましたが、1984年ごろに廃止されたようです。信楽直通廃止後、滋賀県内区間の信楽~神山~南新田間が国鉄バス(近城線)に代替されたようです。

三重交通諏訪線の現況ですが、近年開通した国道422号線のバイパスを通り、市街地から一気に山間の諏訪集落へ抜け切るというものです。運行本数は平日6往復、土休日4往復。

国鉄バスのほうも伊賀上野に拠点を持ち、伊賀市と水口(甲賀市)を阿山・甲南町経由で結んでいたようです(伊賀上野線)。国鉄時代当時、水口は亀山・草津・信楽・奈良・伊賀上野の広範囲にわたる国鉄バスの重要拠点でした。

伊賀と甲賀は陶芸とともに忍者の里でも有名で、県境を跨いでの往来は古くから盛んだったと思われます。新名神の部分開通後、京都~伊賀間の高速バスが甲南ICから阿山経由で運行される時期もありました。


2020年12月19日より、三重県伊勢市で三重交通の連接バス「神都ライナー」がプレ運行開始しました。

運行区間は、

(ゆき) 外宮前 →(直通)→内宮前
(かえり)内宮前 →(直通)→伊勢市駅(降車のみ)→外宮前


です。繁忙時の臨時バスとして運行されます。

12月中の運行は12月19日~28日まででした。12月29日以降は当日の利用状況に応じてその都度決定すとのこと。さっそく翌日の元旦以降、出番がありそうですが、近いうちに本格運行となるのでしょう。今後の動きに期待ですね。


連接バス「神都LINER」プレ運行のスケジュールについて(三重交通)
https://www.sanco.co.jp/shuttle/2020/12/post-547.php

(関連記事)
三重交通 外宮内宮線 連接バスを導入

http://katanogawara.blog.jp/archives/29403705.html



(その3)
http://katanogawara.blog.jp/archives/35959961.html

伊勢市から先のルートは、R23~R163~R24~R307経由で枚方に帰りました。

さっそくJR参宮線・近鉄山田線の踏切を渡り、R23(南勢バイパス)へ抜けます。R23を走行中、距離標識に「名古屋」の文字が視野に入り、名古屋市までの射程圏に入ったことを実感。早朝未明に兵庫の川西・伊丹を発ち、大阪市内(十三・中之島・なにわ筋・西成・平野ほか)を経て、R309で吉野路天川・上北山(行者還林道)、和歌山県の飛び地(北山村)、そして熊野・尾鷲・南伊勢を大回りしながら、はるばる事実上の東海地方まで到達したことに、ある種の感慨深さのようなものを覚えました。

途中、松阪市街地に寄って、あら竹さんの松阪牛名物駅弁も味わえたら最高でしたね。R23当該走行区間のうち、松阪市まではR42との重複区間です(R42目線としては先ほど走った方向とは逆に、尾鷲・新宮・和歌山方面を目指すことになる。R42の起点は静岡県浜松市、伊良湖~鳥羽間は海上区間、鳥羽から紀伊半島を一周して和歌山市に至る)。

本当はR23~R306を走り、亀山からR1に入って鈴鹿峠から滋賀および京都市内にも寄りたかったが、あまりに疲れたので、最短経路のR163を走り、伊賀を経て木津川・京田辺に抜けました。もし実際に滋賀県入りを成した場合、できれば湖南から野洲へ抜け、琵琶湖大橋~大原・宝ヶ池・北山通(もちろん奈良南部や和歌山県の「北山」とは違いますよ)へ迂回(R477~R367)、あるいは少なくともR1の単純トレースで草津・大津を経て山科に抜けるルートを走りたかったですね。

伊賀市の旧・上野市街地まで来ると、「道の駅 お茶の京都・みなみやましろ村」の案内標識も見かけるようになります。そして枚方・交野・寝屋川ナンバーのバイク集団に出くわし、伊賀は意外に大阪北河内に近いことを改めて実感。程なくして京都府に入り、府内唯一の村・南山城村を通過。当日、大阪・和歌山・京都3府県唯一の村を巡ったことも何気に興味深いですね。また、R307京都・大阪府境は大阪府最東端地点(枚方市尊延寺)です。

* * * *

(2020.11.4追記:当日の道順)
枚方市→守口市(大日)→【大阪中央環状線~R176バイパス】→川西市→【兵庫r13】→伊丹市(北村)→【r13~兵庫/大阪r41】→淀川区(十三)→北区(中津浜)→【r41・なにわ筋】→西成区(岸里)→【松虫通】→平野区→【R309】→美原区→【R309】→富田林市→【R309】→御所市→【R309】→下市町→【R309】→天川村→【R309・行者還林道】→上北山村(天ヶ瀬)→【R169】→下北山村(下桑原)→【奈良r229】→不動トンネル→北山村(和歌山県)→【三重r40~r34】→熊野市駅

→【R42】→尾鷲市(大曽根浦駅~尾鷲市街地)→【R42】→紀北町(紀伊長島)→【R260】→南伊勢町(南島町西方)→【三重r22】→伊勢市(外宮、伊勢市駅前)→【R23・中勢バイパス】→津市→【R163】→伊賀市→【R163】→木津川市→【R24】→山城大橋→【R307】→枚方市


(その2)
http://katanogawara.blog.jp/archives/35945890.html

熊野市からはひたすら国道42号線を北上して尾鷲市に。本当はリアス式海岸の絶景を楽しめるR311を走りたいところだけど、少し急ぎたかったので。R42・矢ノ川越えは海岸からさほど離れていないにもかかわらず、山道が続き標高もかなり高いです。熊野灘の急峻なリアス式海岸ゆえ、紀勢本線全通の最後の難工事区間でもありました。紀勢本線全通前は国鉄バスが未開通区間(新鹿-三木里間)を矢ノ川越えで結んでいましたね。近年、紀勢道(R42バイパス)が順次開通しているため、従来ルートの交通量は大幅に減少、道の駅(熊野きのくに)も残念ながら閉鎖された模様です。R42を走る三重交通の南紀特急バス(松阪-新宮)も松阪熊野線に変わり、各駅停車化されました。

三重r778に入り、JR大曽根浦駅に寄り道しました。海(尾鷲港)の望める駅で、「青春18きっぷ」のポスターになったこともあります。普通列車しか止まらない無人駅で人影もなく、閑散としていました。中部電力三田火力発電所が望めます。駅から西へ1kmのところの高台に三重県立熊野古道センターがあります。

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大曽根浦駅

尾鷲市街地を少し迷いつつ、R42に戻り、紀伊長島(紀北町)までさらに走り続けます。

長島から先、R260へ進路を取り、熊野灘の海岸線に沿って南伊勢町に踏み入れ、志摩半島の中腹に向かってみました。200番台国道といえば近畿では馴染みが薄いですが、三重や東海地方ではごく普通に存在するんですね(三重県の200番台国道は258・259・260の3本)。一昔前までは、R260も「酷道」だったみたいだけど、整備改良が進み走りやすくなった反面、海岸(熊野灘)に寄ったり離れたりで、意外に景色の単調な山道が続きます。

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南伊勢・南島町の穏やかな海岸
複雑なリアス式海岸を生かし漁業が盛ん

南島町西方から三重r22を北上、度会を経て伊勢市街地に。伊勢神宮外宮前を通って伊勢市駅付近で休憩。伊勢神宮参拝の順路としては、外宮→内宮の順にお参りするのが正式のようです。伊勢うどんで小腹を満たして一服。


(その1)
http://katanogawara.blog.jp/archives/35942820.html

上北山村天ケ瀬からはR169・R309重複区間であり、北山川の流路に従って走行。整備が進んでいる分、快適に走りやすくなります。大淀町から上北山村へは、R309よりもR169を使うほうが所要時間も短く実用的です。

道の駅・吉野路上北山でトイレ休憩。昔、この駅のレストランで名物・さんますしとめはりすしのセットメニューを味わった記憶があります。駅から北山川を渡ると上北山温泉があり、長距離トラックやドライバー、ツーリング族に重宝されています。

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上北山温泉
北山川の水が綺麗だ

さらに南へ走り続け、下北山村に入り、池原ダムが見えると、尾鷲からのR425と合流。R425は紀伊山地を東西に横断する国道(尾鷲市~御坊市)ですが、全国最大級の「酷道」として知られます。ほんの少しばかりR425と重複します。尾鷲市へはR425よりもR169+R309+R42を迂回するほうが早く着きます。別れたR425は十津川・龍神を経て御坊市に抜けるが、特に牛廻越の前後は危険なのであまりおススメできるルートではありません。

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R169・R425分岐点(下北山村下池原)

本来ならR309を正式起点(熊野市R42交点)まで走るべきところですが、下桑原から国道を離脱、奈良r229に入り、不動トンネルから和歌山県飛び地・北山村へ抜けてみました。

北山村は和歌山県唯一の村。R169は三重県熊野市五郷でR309と分かれ、北山村・瀞峡を通り、複雑に入り組んだ奈良・和歌山・三重の3県境付近を掠りながらR168と合流、熊野川に沿って和歌山県新宮市に至ります。北山村が和歌山県の飛び地となったのも、伝統産業である木材を下流の新宮市に流す関係だと言われています。北山村といえば、全国唯一となった瀞峡の筏下りですね。

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和歌山県北山村を流れる北山川渓谷
北山村の木材はこの川を下って新宮まで流されてきた
対岸は三重県熊野市

今回は北山川(奥瀞橋)を渡り、三重r40【熊野矢ノ川線】およびr34【七色峡線】を走って熊野市街地へ抜けました。しばし北山川に沿って流路と反対方向へ進み、七色峡と呼ばれる地点から突然r34に県道番号が変わります。

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三重r40(奥瀞橋東詰付近)

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熊野市立神上小中学校旧校舎?

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熊野市神上集落にて

新大峪トンネルを抜けて坂を下ると熊野市街地・熊野灘に。JR熊野市駅前の食堂でさんま寿司を味わいました。

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紀勢本線熊野市駅前
JR東海の管内である


(その2)
http://katanogawara.blog.jp/archives/35468947.html

しかし、転んでもただは起きない受験生だった自分。

前回の抜け道は失敗だったと反省。遠回りではあっても走りやすい道から回るほうが、確実に目的地にたどり着けるはずだ。受験でも同じだろうが、とお説教を食らったようでした。

ということで、8月上旬、予備校の夏期講習休みの日に、再度名張へ挑戦。受験勉強そして文化祭の準備練習よりも、サイクリングへの執念は尋常ではありませんでした。2年前の高1のとき、風邪で寝込んだり雨の多い天候不順とかであまり思うように動けなかったりして、その私怨は根強かったと思います。

実は、この日、家族で映画を観にいこうと誘われたんだけど、断りました。しかし、後になってみればこの選択に悔いを残すことに。

今度は、R168~奈良r5~奈良r14~R165、すなわち法隆寺・田原本・桜井・榛原経由で、近鉄大阪線に沿うわかりやすいルートを往復しました。R165はもちろん坂道も多いが、比較的走りやすかったです。宇陀市榛原以東は宇陀川(淀川水系・名張川の支流)の流路に従い、名張までは標高を下げてゆきます。目の前を近鉄特急が賑やかに行き交い、小さい頃、志摩半島まで海水浴に連れて行ってもらったことを懐かしみながら、ひたすら国道を走り続けました。

目的地・名張への到達はめでたく達成。名張市は伊賀盆地南西部の都市(人口7万人)で、三重県にして珍しく大阪のベッドタウン。近鉄の列車ダイヤも一般列車は大阪志向で、特急での着席通勤も珍しくありません。大阪通勤圏のほぼ東限に当たるため、名張以東はローカルムードが濃厚です。名張といえば、探偵小説家・江戸川乱歩(1894-1965)の生誕地として有名。名張市周辺の見どころとして、赤目四十八滝や香落渓などがあります。

さて、問題はその後。行きで燃え尽きたのか、今度は帰り道で死にそうになりました。炎天のもと熱射病寸前のヘトヘトで、地獄でしたね。目的達成の喜びよりも孤独感と疲れだけが残り、家族との誘いを断って遠くへ飛び出したことを後悔する始末でした。みんなで揃って出かけたほうが美味しくて涼しい楽しみを満喫できたのに、後の祭り・・・。

* * * *

しかし、これに懲りることなく、夏休み最後の日には、また別のところへ自転車で走ったのです。

やはり丸一日炎天下を走ったため、今度も「疲れるだけの旅」でしたね。

本当は文化祭の練習に来るように電話があったんだけど、サボりました。炎天下の孤独のもと、後ろめたさもあって、結局疲労感だけが残りましたね。

今思えば、当時の自分の不徳が実に恥ずかしい限りです。自分のやりたい目標を意地でも達成しようという姿勢は良いが、現実社会においてやるべきことは多く、TPOを弁える必要があります。そもそも、あの酷暑のもと、一人無理を押し通しても、寂しい思いをして疲れるだけでいいことはなかった。それよりも高校最後の文化祭の練習にみんなで力を合わせるほうが利徳が大きいはずで、悔いを残すことなく高校を卒業、幸先の良い大学生活のスタートを切ることもできたでしょう。


自転車で三重県へ遠征したときのことを書いてみようと思いました。

初めて自転車で三重県に踏み入れたのは高3の6月初旬。目的地は伊賀上野(伊賀市)でした。

大阪府民にとって三重県といえば遠いところと感じられると思います。しかし、枚方・交野・寝屋川など北河内から伊賀へは国道163号線で東西一直線に結ばれて意外に近く、大阪府最東端の枚方市尊延寺から伊賀市島ヶ原(京都 / 三重府県境)までの直線距離はわずか20km台ですね。

鉄道利用だと、JR学研都市線+(木津・加茂乗り換え)+関西本線が最短経路にあたります。実はこのルートが大阪・名古屋間の最短距離経路だったりします。

今回、自転車で走ったルートも、学研都市線・関西本線にほぼ沿ったものでした。もう少し詳しく言えば、

R307~大阪/京都r71~京都r65~R24~R163

で、伊賀上野(上野市駅前・上野城)までだと60kmほど。木津川に沿った道のため坂道もさほどきつくなく、意外に快調に走れました。通過府県は大阪・京都・三重の3府県ですが、京都と三重が隣接していることを知らない方も多いようです。もっとも京都府と三重県との境界は南山城村のわずか数キロほどなので、両府県が隣接していることは少々認識されづらいのかもしれませんね(ちなみに三重との隣接府県は北から順に愛知・岐阜・滋賀・京都・奈良・和歌山)。

伊賀地方を流れる木津川・名張川ほかの支流は全て淀川水系に属しています。伊賀盆地・大和高原からの木津川、琵琶湖と繋がる宇治川、および京都丹波高原(京都市左京区広河原に源流)から保津峡・嵐山・嵯峨野を辿る桂川が、八幡・大山崎で集まって淀川となり、大阪湾(瀬戸内海)へ流れます。

三重県は行政・経済の面では基本的に名古屋志向の東海地方ですが、伊賀地方は自然地理的にも文化・経済・通勤の面でも大阪志向(関西圏)です。伊賀地方を通る関西本線(亀山以西)はJR西日本管轄、近鉄は新青山トンネル(伊賀・伊勢国境)が大阪・名古屋管轄部局の境界です。ただし、伊賀地方も名古屋への中距離高速バスが発着するなど、名古屋志向の側面もあるように感じます(大阪・京都~伊賀間の高速バスが運行されたこともあるが、軒並み撤退)。

あの当時、近鉄京都線の山田川駅と上野市駅(近鉄伊賀線→伊賀鉄道)をR163経由で結ぶバス(奈良交通)、また天理から名阪国道を走って上野市までのバス(奈良・三重交通)などがありましたね。

帰りの走行ルートは木津川市までは行きと同じR163で、さらにR163を西へ進み、清滝トンネルをぶち抜いて四條畷市街地を廻りました。

当日の天気は曇り空でした。帰りの精華町~生駒高山あたりを走っている頃に雨が降り出し、ずぶ濡れになったものの、全体的に凌ぎやすい気候でひどく疲れることなく快適でした。


一昔前の三重交通バスといえば、富士重(いすゞ)。

富士重のバス製造から撤退して20年近く経過し、全国的に絶滅危機種です。
三重交通でも富士重の車両は軒並み減らし、J-BUSに置き換えられつつあります。

数少ない三重交通の画像から富士重を集めてみました。

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富士重5E 松阪駅前にて(2007年)

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LED化された富士重7E 伊賀上野駅前にて(2007年)

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青山町駅前に停車中の富士重6E?(2006年)

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 正月の伊勢市街地にて(2010年)

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赤目口駅に停車中の赤目滝行き LED化改造済(2009年)



三重交通で一つ気になった高速路線があります。

それは、名古屋~桜台(四日市市)系統。

運行経路・主な停留所は、

名古屋(名鉄バスセンター)~(四日市大学~キオクシア正門前~)~ 四日市IC~菰野東~桜花台~桜台小学校~桜台

で、郊外と都心を直結するタイプの高速路線です。京阪バス直Q京都号などのような感じですね。京阪神においては郊外と都心を結ぶ高速バスの例はあまり多くないと思うが(神戸では神姫バスの中距離路線が比較的多いが)、マイカー保有率の高く鉄道のシェアが小さい中京地区においては、ごく当たり前みたいですね(実際、名鉄バスセンターから郊外各方面へのバスが発着)。

名古屋市~四日市市間は東名阪道を走行します(東名阪が通行止となった場合、運休)。平日の一部便は四日市大学やキオクシア(旧東芝メモリ)工場内にも乗り入れるなど、四日市方面への通勤・通学にも利便を図っています。四日市市を代表する企業である東芝メモリは、本年10月1日付けで「キオクシアホールディングス」に社名を変更しています。

終日概ね60分ヘッド、平日朝夕時間帯には20~30分間隔での運行で、十分な本数が確保されています。運賃は名古屋~四日市大学1,080円、名古屋~桜台1,250円。


国道1号線(旧道)鈴鹿峠南側(三重県亀山市関町)の手前に、伊勢坂下というバス停があります。

亀山市営バス「西部ルート」<関駅前~伊勢坂下>の終点ですが、かつては国鉄バス亀草本線が通っていました。すなわち、亀山と草津を国道1号線経由で結んでいましたが、草津線・関西本線とほぼ並行することなどもあり、例によって路線縮小が相次ぎました。JR発足後も鈴鹿峠を越えるバス路線は一応存続、最終的には三雲駅発亀山行きの片道1便が残ったようだが、2000年ごろまでに廃止されたそうです。

亀山駅はJR東海と西日本との境界にあたり、駅構内はJR東海の管轄だが、駅前から発着するJRバスは西日本JRバスで、少し妙に思えます。水口営業所亀山派出所の管轄で、三重ナンバー。亀山駅西側の車両基地・亀山鉄道部がJR西日本管轄であるのと同じ構図ですね。亀山駅からのJRバスは末期は伊勢坂下折り返しだったが、まるで忘れられたような存在でした。

JRバス撤退後の詳しい経緯はわからないが、三重交通に移管されるも撤退し、亀山市が運行することになったようです。


ちょうど梅の見ごろを迎える奈良・月ヶ瀬梅林(奈良市月ヶ瀬村)。

旧・月ヶ瀬村は奈良・三重・京都の3府県境にあたる高原地帯。村内を名張川が南北に流れ、美しい渓谷を呈しており、梅の見ごろには遠方から多くの観光客が訪れます。また、梅とともに大和茶の産地としても有名です。月ヶ瀬村は奈良市街地よりは三重県伊賀市のほうが距離的に近いため、伊賀市との結びつきが強く、伊賀鉄道上野市駅から月ヶ瀬村への三重交通バスが運行されています。月ヶ瀬村の郵便番号は、以前三重県扱いの518でした(現在は奈良県扱い)。

毎年梅の見ごろに、JR月ヶ瀬口駅、近鉄名張駅から月ヶ瀬梅林への三重交通臨時バスが運行されます。JR月ヶ瀬口駅は奈良県ではなく京都府南山城村。月ヶ瀬カントリークラブの住所も南山城村です。南山城村は京都府唯一の「村」で、奈良・三重・滋賀3県に隣接しており、なおかつ三重県と隣接する京都府唯一の市町村となっています。そもそも、京都府が三重県に隣接していることは意外な事実。三重交通のバス(高速を除く)が京都府に乗り入れているのも驚きです(かつては定期便で京都府南山城村に乗り入れていた)。南山城村に乗り入れるバスは、かつては奈良交通(山田川駅~上野市、ほか)もあったが、奈良交通は全面撤退。現在、民営バスでは三重交通の臨時バスのみとなっています。

今シーズンの月ヶ瀬梅林臨時バスの運行経路・ダイヤは、

◎JR月ヶ瀬口駅~月ヶ瀬梅林
JR月ヶ瀬口駅~月ヶ瀬CC~ロマントピア~尾山口(月ヶ瀬梅林)、1日6.5往復
運行日 3月2日~3月24日

◎近鉄名張駅前~月ヶ瀬梅林
名張駅(西口)~桔梗が丘(北口)~尾山診療所前(月ヶ瀬梅林)、 1日1往復
運行日 3月2日~3月24日の土曜・休日

http://www.sanco.co.jp/shuttle/h31_tsukigase.pdf

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月ヶ瀬湖(名張川)と八幡橋
京都府最南端はこの付近に


三重交通の伊勢神宮外宮ー内宮間を結ぶバスに、「連接バス」の導入計画が進められています。

内宮外宮線は観光客が非常に多く、三重交通有数のドル箱路線。1日8台の路線バスで運行しているが、定期便だけでは満員で、4~6台を追加するのが常態化しており、2台同時運行もあるといいます。

いすゞ自動車と日野自動車の共同開発で国産初のハイブリッド連接バスを使用するする予定で、2020年度からの運行開始が見込まれています。連接バスの導入でバスの待ち時間短縮や運転士の負担減などが期待されます。

課題はルート選定。連接バスは全長が長いゆえ、曲がりきれない交差点も存在するので、この問題をどう解決するかが気になるところです。外宮と内宮を短絡する道路に三重r32(御木本道路)があるが、この経路で運行するとすればR23との交点・宇治浦田町交差点が一つのネックでしょう。

https://this.kiji.is/431981774508213345?c=80488020680492539



三重交通南紀特急線(松阪~尾鷲)が2018年10月1日より、各駅停車化すると同時に熊野市まで路線延長を実施、「松阪熊野線」に生まれ変わります。

これに合わせ、ハイブリッドの大型ノンステップバス3台を導入、バリアフリー化を図ります。車内設備は無料Wi-Fi、ハイバックシート、USBなどが備え付けられ、長距離利用客に配慮したものとなっています。

運行本数は現行6往復のところ、2往復減便で4往復となります(松阪中央病院~松阪駅前~三交南紀2往復、松阪駅前~三交南紀2往復)。

奈良交通八木新宮線と並んで、数少ない長距離の一般路線バス(132~134km)が新たに登場することになり、一つのサプライズと言えるでしょう。

過疎化が深刻化する三重県東紀州地方にあって同地方における公共交通の将来は楽観できませんが、今回の改正は観光客誘客も意識するなど、かなり気合いが入ったてこ入れと見ることができます。

http://www.sanco.co.jp/other/release180926_1.pdf



三重交通高速バス「伊賀京都線」が2018年9月30日をもって廃止される予定です。

https://www.keihanbus.jp/news/sysimg/00412/link_ybt4v.pdf


京都市と三重県各地を結ぶ高速バス(新名神経由)は、全体的に利用状況が低迷しているようで、一番新しく設定された伊賀京都線も同様。伊賀大阪線も大幅に減便(平日の運行無し)されました。

一方、名古屋へは1日8往復が維持されています。

三重県伊賀地方は事実上の関西圏であって大阪・奈良・京都方面との結びつきが強いかと思いきや、名古屋志向の側面もかなり大きいように思われます。

もともと鉄道がやや不便な地域であり(近鉄伊賀神戸もしくはJR伊賀上野から伊賀鉄道乗り換え)、高速バスへの期待は大きかったと見えるが、名古屋行きを除いて軒並み撤退という始末。位置的に大阪・奈良と伊勢志摩・名古屋の中間にあって、「忍者と城下町」の観光地としての集客力も今一つな感じです。大阪近郊区間で唯一非電化区間のJR関西本線の電化も望めそうにありません。


三重交通四日市大阪高速線のダイヤ改正が7月21日(土)に実施予定です。


主な変更点は、

1)大阪駅乗り場を「大阪駅前(東梅田駅)」から「大阪駅JR高速バスターミナル」に変更
2)ナガシマリゾート-神戸三宮線新設(西日本JRバスの運行)
3)運行本数を平日2往復、土休日3往復に増便
4)土山バスストップ、新大阪駅北口乗り入れ廃止

です。

今回、神戸三宮乗り入れ便の新設は何よりのサプライズです。西日本JRバスの運行ですが、三重交通担当便と同様に近鉄四日市にも乗り入れることになっています(JR四日市駅への乗り入れがないのは・・・)。
また、大阪駅前のりばが大阪駅JR高速バスターミナル(JR大阪駅北口)への乗り入れに変わることは、かなりインパクトがあると言えます。


熊野市【小阪】交差点がR309の起点(終点)となっているが、ここから先、海岸までもう少し指定区間を延長したらどうでしょうか?

【小阪】交差点を左折、R42を尾鷲・松阪方面に入ります。続いて大又川の流れと逆方向を進み、熊野市立飛鳥中学校前の交差点を右折(三重r737)。R42は熊野市~尾鷲市の間、海から離れてかなり標高の高い山間部を突き通します。JR紀勢本線は海岸線に寄り添っているが、リアス式海岸の険しい地形ゆえの難工事の末、一番最後に開通した区間であり、トンネルの連続です。また、海岸沿いにR311(熊野古道)も通っています(熊野・尾鷲市境界の梶賀付近で分断されていたが、こちらも全通したので海沿いのドライブが楽しめるようになった)。R309は新鹿(あたしか)でR311と接続。

新鹿は穏やかな入江の砂浜海岸で、夏は海水浴で賑わいます。水質は最高品質にランク、「日本の水泳場88選」「快水浴百選」に選ばれています。

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新鹿海水浴場

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紀勢本線新鹿駅

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熊野灘の景色(R311二木島あたり)

以上で、国道309号線脳内旅行の連載は一通り完了とさせていただきます。
お付き合いいただきありがとうございました。

新・国道309号線 脳内旅行(その1)<伊丹市~大阪市福島区>
http://katanogawara.blog.jp/archives/25849922.html

新・国道309号線 脳内旅行(その2)<大阪市福島区~平野区>
http://katanogawara.blog.jp/archives/25850306.html

新・国道309号線 脳内旅行(その3)<大阪市平野区~富田林市>
http://katanogawara.blog.jp/archives/25852142.html

新・国道309号線 脳内旅行(その4)<富田林市~大淀町>
http://katanogawara.blog.jp/archives/25865680.html

新・国道309号線 脳内旅行(その5)<大淀町~天川村(行者還TN西坑口)>
http://katanogawara.blog.jp/archives/25879259.html

新・国道309号線 脳内旅行(その6)<上北山村(行者還TN東坑口)~熊野市小阪>
http://katanogawara.blog.jp/archives/25947524.html

新・国道309号線 脳内旅行(その7)<熊野市小阪~熊野市新鹿(~尾鷲市)>



◎新・R309の通過市町村
<兵庫県>
伊丹市、尼崎市

<大阪府>
大阪市(西淀川区、北区、福島区、西区、浪速区、西成区、阿倍野区、東住吉区、平野区)
松原市、堺市(美原区)、富田林市、河南町、千早赤阪村

<奈良県>
御所市、大淀町、下市町、五條市(西吉野村)、黒滝村、天川村、上北山村、下北山村

<三重県>
熊野市、(尾鷲市)

◎新・R309と重複・接続する国道

R171(伊丹市北村、起終点)
R477(伊丹市北村~尼崎市南町4)
R173(西淀川区加島)
R176(大阪市西淀川区十三3~北区中津浜)
R176バイパス(北区大淀中学校前)
R2(福島区浄土橋)
R172(西区靭本町1)
R43(西成区中開)
R26(西成区岸里)
R25(平野区平野警察署西)
R479(平野区平野警察署西~瓜破)
R166(現r12)(松原市)
R170(富田林市新家)
R170旧道(富田林市川西南)
R24、R168(御所市室)
R24京奈和バイパス(御所市御所南IC)
R370(大淀町吉野簡易裁判所前~岡崎)
R169(上北山村天ヶ瀬~熊野市五郷)
R425(下北山村池原ダム~上池原)
R42(熊野市小阪~飛鳥中学校前)
R42熊野尾鷲道路(熊野市新鹿)
R311(熊野市新鹿~尾鷲市新矢ノ川西)


行者還トンネルは1.5車線ほどの幅ですが、すれ違いは何とか可能です。このあたりも行楽・観光シーズンには意外に車の出入りが多いようなので注意。天川村から上北山村に入り、北山川流域に。北山川は大台ケ原南側を源流とし、和歌山県飛び地の北山村、絶景で有名な瀞峡などを経て新宮市(熊野川町)にて熊野川(十津川)に合流。R169合流地点の【天ヶ瀬】交差点まで距離は10kmほどだが、狭隘なつづら折りが続くため距離の割に所要時間を要します。

しかし、行者還林道区間と大阪市内の十三筋~なにわ筋が同じR309とは、どうなんでしょうか? もっとも兵庫阪神間と奈良県南部が一本の国道で結ばれることになると、大阪北摂および阪神地域方面から吉野大峰山地が心理的に近くなるメリットはあると思いますが・・・。そもそも私がこんな新・R309ルートを思いついたのも、ある日曜日に本当はバイクで奈良方面へ行きたかったところ、高槻・茨木方面のちょっとした所用のためゆえ奈良を断念した「悔しさ」が動機です。すなわち、北摂から奈良県へのうまい抜け道がないか探してみたところ、(やや遠回りになるが)R479(内環状線)~R309もなかなか使えそうだということに着目、せっかくなのでR309を大阪キタへ延長してみたらどうか、ということで。

天ヶ瀬から先、しばらくR169(東熊野街道)との重複区間となり、快適なドライブコースに。北山川の渓谷に寄り添うコースが続きます。道の駅・上北山などを通過し、かなり高度を下げたところで下北山村に差し掛かり、北山川は池原貯水池に。池原ダムが視界に入り、ちょうどダム手前で左手からR425と合流。下北山スポーツ公園・キャンプ場もすぐ隣、一気に高度を落とします。

R425は日本三大酷道で知られます。御坊市と尾鷲市を短距離で結んでいるが(田辺市龍神村・十津川村経由)、急峻な紀伊山地の中にあって全体的に整備状況は悪く、崖から転落する危険性も高く、また大雨や台風によるがけ崩れなどで通行止になることも多く、ドライブコースとしてはおススメできません(全区間完走には相当時間を要する。海岸線に沿うR42経由が実用的)。下北山村から尾鷲方面へは、遠回りであってもR169+R309+R42経由が安全です。

急坂が一段落した辺りR425は右手へ分岐(→十津川村へ)。七色貯水池まで来たところで三重県熊野市に。この県境の地点は、実は北山川対岸は和歌山県飛び地の北山村であり、「三県境」となっています。

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【五郷】交差点でR169とR309が別れ、再び単独区間に。R169は右折し北山村(そして十津川村も少し掠り)を経てR168と合流、新宮市街地をめざします。かつて、R169は現在のR309+R42のルートが指定されていたが、1975年に現在のルートに変わりました。R169の北山村付近は最近まで酷道の状態だったが、さすが100番台国道だけあってかなり整備改良が進み快適に走行しやすくなっています。

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熊野市五郷にて

R309(およびR169)は五郷の手前から大又川(北山川の支流)の流れとは逆方向、R42と接続する【小阪】まで緩やかな上り坂が続きます。海(熊野灘)がすぐそこまで近づいているはずなのに川の流れと逆というのも妙だが、リアス式海岸ゆえ地形が複雑に入り組んでいることを示しているんでしょうか? 熊野市街地(海岸)へはR42を右折(新宮方面)、小さな峠を越えたあとつづら折りの急峻な坂道を下ります。


かなり昔の奈良交通バス路線についてレポートを書いてみることにしました。

今回は山田川駅~上野系統について。

近鉄京都線山田川駅と伊賀線(→伊賀鉄道)上野市(現・伊賀市)を結ぶ路線であるが、奈良県には乗り入れていなくて京都府と三重県を跨ぐユニークな路線系統だったようです。走行経路は国道163号線をひたすら走るというもので(木津~加茂間は対岸の府道47号経由の便もあった)、国鉄関西本線とほぼ完全に並行しており、月ヶ瀬口駅で折り返す区間便もあったそうです。終点の上野市駅前のバス停は、三重交通は「上野市駅」なのに対して奈良交通は単純に「上野」。山田川上野系統廃止後も、天理~上野市(名阪国道)系統が三重交通と共同運行の形で存続していたが、やがて奈良交通の伊賀市乗り入れは廃止、2016年秋まで三重交通が天理まで乗り入れるもやはり廃止されました。

参考記事
http://too.road.jp/bus/oldies.html



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大阪市内と三重県伊賀市を結ぶ高速バス<忍者ライナー>。

大阪・伊賀市(伊賀上野)間は西名阪+名阪国道で直結しているが、鉄道利用だと意外に不便だ。

鉄道では近鉄大阪線+伊賀鉄道(伊賀線)、またはJR関西本線(大和路快速+気動車:加茂乗り換え)が最短経路だが、途中で乗り換える必要がある。伊賀鉄道線は元・近鉄伊賀線だが、同じ近鉄線にもかかわらず大阪線と伊賀線は軌間が異なるため直通運転は不可能だ。関西本線利用の場合、伊賀上野駅は旧・上野市街地と離れているため、ここから伊賀鉄道線に乗り換えなければならない。伊賀鉄道線の軌間はJRと同じなので、関西本線と伊賀鉄道線の直通運転も考えられるが・・・。

上のような事情から大阪と伊賀上野を直通する高速バス設定の要望が望まれ、2005年に近鉄バス(布施営業所)との共同運行で新設される。運行経路は、

新大阪駅北口~大阪駅前(地下鉄東梅田)~<西名阪、名阪国道>~桑町~銀座4丁目~上野市駅~三交上野車庫

で、大阪キタと直結。名阪国道区間上では針インター・国道山添・国道大内の3停留所がある。名阪国道(天理~関)は自動車専用道だが国道25号線バイパスと位置づけられ、一般道の扱いだ(無料)。同じ区間を並行する旧道は「非名阪」と呼ばれ、2桁国道を名乗りながら実態は「酷道」そのもの。

実は1960~70年代にも大阪・伊賀間の路線バス(近鉄バス)が運行されていた。その馴れの果てとして、大阪阿部野橋駅~天理駅間の路線となって、毎月26日のみの運行で1980年代末まで残る(その後、阿部野橋~志紀車庫前に短縮され、やがて跡形もなく消滅)。私も阿部野橋で天理行きバスを見たような記憶がある。末期は一般路線用中型車(日野レインボー)が西名阪をかっ飛ばしていたという。

天理~上野市間は最近まで三重交通と奈良交通が名阪国道経由で運行していたが、末期は三重交通単独で土曜・休日のみの運転、昨年9月末に廃止される。

伊賀大阪高速線のほうは最盛期は6往復設定されていたが、2014年2月末に近鉄バスが撤退、現在(2017年8月1日ダイヤ改正)では平日2往復、土休日4往復の運行となっている。

やはり利用状況はさほど多くはなさそうだ。そもそも伊賀地域の観光地としての集客力は今一つ及ばず、大阪・奈良方面から伊勢志摩および名古屋への通過地点としか認知されていないように思われる。これでは関西本線の電化も望み薄だろう。


三重県四日市市の鈴鹿山脈にある湯の山温泉

湯の山温泉界隈は「恋結びの温泉街」と言われ、開湯1200年を迎えるそうだ。鈴鹿山脈の最高峰・御在所山からは東側に伊勢湾、反対の西側には滋賀県・琵琶湖が遠望でき、スキー場もある。

湯の山温泉へは京阪神および名古屋からの日帰り旅行圏であり、道路交通は非常に便利だ。四日市市街地~湯の山温泉~滋賀県(土山・竜王・琵琶湖大橋方面)を結ぶ国道477号線(鈴鹿スカイライン)は見晴らしの良いドライブコースとして有名で、大阪方面からは、

名神(草津田上IC)~新名神~東名阪(四日市IC)~R477
西名阪~名阪国道~東名阪(四日市IC)~R477
名神(竜王)~R477(日野・土山経由)

など、経路の選択肢が多い。

公共交通も近鉄湯の山線が四日市から山麓まで乗り入れており、近鉄湯の山温泉駅からバス・タクシーを利用する。また、温泉街から御在所山へのロープウェイもある。

かつては大阪難波・上本町および近鉄名古屋から湯の山温泉直通の特急があったが、利用客の減少で廃止される(近年、イベントで臨時の直通特急が復活することもあるが)。鳥羽・志摩線などは別として、支線区に直通する数少ない特急だった(現在も毎月26日に名古屋・京都~天理直通特急が運転される)。御在所山は近鉄沿線では数少ないスキーのスポットとして有名だ(近鉄沿線のスキー場といえば、ほかに冬場の冷え込みの厳しい奈良県南部の吉野・大台ケ原・天川なども)。

一方、反対の滋賀県側からも、草津駅から特急バスが国鉄・滋賀交・三重交の3社共同で運行していたが、やはり自家用車普及による道路渋滞などの影響も大きく、1980年代前半ごろに廃止された。京都京北線など関西圏の国鉄・JRバス車体に湯の山温泉の広告が掲載されていたことを思い出す。湯の山特急用にせっかく納車された滋賀交通の三菱MAR470(1976年式)も持て余し気味となるが、同社では数少ない一般路線用冷房車として重宝され、1999年まで草津・野洲・湖南地域のローカル輸送で活躍を続けた。

今後、大阪・京都・名古屋から新名神経由で湯の山温泉行きの高速バスが新設されることは考えられる。ただ、新名神経由で京都と三重県各地(伊勢・津・四日市)を結ぶ高速バスも、思ったほど利用が多くなかったのか、大幅に縮小されていることから、実現する可能性は低い。一方、京都伊賀上野系統が去年新設され、大阪伊賀線とともに好評運行中だ。

なお、国道477号線は、近畿有数の「酷道」としても知られる。琵琶湖大橋から京都北山・丹波高地の中に入り込んで亀岡盆地の西の縁辺部を回って、大阪府最北端の能勢町に入り、少しだけ兵庫県も掠りつつ池田市が終点という、不可解なジグザグルートといい、百井越え(京都市左京区大原)の隘路といい、「酷道」の要素はかなり多い。しかし、百井越えなど一部区間を除いて、相次いで改良整備が進んでいて、大部分の区間では普通にドライブしやすくなっており、紀伊半島の4大酷道(309・371・422・425号)に比べたら、まだかわいい。それでも全区間完走しようと思えば、かなりの覚悟が必要だろう。




奈良県内のバスといえば、奈良交通でほぼ独占状態だ。
かつては近鉄バスや国鉄バスなどもあったが、軒並み撤退。

奈良交通の独壇場ゆえ、奈良県のバス車両(一般路線に限定)分布状況は、非常に特殊だ。

1)三菱車ゼロ

2)富士重、西工架装の車両がゼロ

三菱車について、国鉄・JRバス(五条営業所)以外で購入した事業者は知らない。
奈良交通は近鉄グループゆえ、一般路線車は日野・いすゞで占められている。しかも車体は純正メーカーのみで、富士重や西工を採用しているものを見たことはない(例外的に国鉄バスでは富士重+三菱があったが)。撤退した近鉄バスも同様。

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奈良交通の一つの主力車種だったいすゞキュービック(2007年)

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短尺のブルーリボン(室生口大野、2006年)

なお、京阪バスが奈良県生駒市の府県境付近に少しだけ乗り入れている。田原線【18】号と四條畷市コミュニティバスが該当し、それぞれ交野・門真営業所が担当しているが、両方とも三菱エアロミディが運用に入ることが多い。かつては、京都奈良線で奈良市街地にも乗り入れ、晩年は山科営業所のエアロミディのみで運用されていた。

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奈良交通と京阪バスが並ぶ田原台一丁目(四條畷市、2002年)

過去には南海りんかんバス(旧・南海バス橋本営業所)が五條市(五條バスセンター)、熊野交通が新宮から十津川村まで乗り入れていた。南海グループのバスは三菱車もかなり導入しており、特に橋本営業所はほぼ三菱車のみだったため、五條市にも三菱車が乗り入れていた。

また、三重県との県境付近(奈良市月ヶ瀬村、山添村、御杖村など)には三重交通も乗り入れている。
三重交通は近鉄系列でありながら、いすゞ車のほうが多く、しかも富士重車体を架装した特色ある車両も多かった。名張市や伊賀市でもごく普通に富士重+いすゞを見かけた。



4月1日より、三重交通の全路線で車内運賃表示機を取替え(新・液晶タイプ)、同時に全路線で多言語表示サービスを始めるようです。

http://www.sanco.co.jp/other/release170328.pdf

運賃表示機は、なんと京阪バスと同じ表示仕様となるようです。
すなわち、画面の左側は整理券番号と運賃、右側には停留所名のほか、注意や案内その他の情報が表示されるというものです。停留所名は日本語(漢字)やひらがな・英語のほか、中国語・韓国語まで表示されます。

京阪バスでは、右側の画面には京都定期観光バスの案内や鉄道線接続時刻なども表示されていますね。


少し意外と思われるかもしれないが、三重交通のバスは和歌山県に乗り入れている。

三重交通の乗り入れる和歌山県内の地域は、主に三重県境にあたる新宮市内であり、
かつては新宮市内に営業所・車庫を保有し、和歌山ナンバーの三重交通バスも存在した。
現在、新宮・熊野・尾鷲方面路線は熊野市の南紀営業所が管轄している。

和歌山県に乗り入れる三重交通の路線系統といえば、東京高速バス(大宮・東京-勝浦線)と名古屋南紀高速バス(名古屋-新宮駅前)、そして一般路線の熊野新宮線【13】系統がある。

かつては南海グループの熊野交通バスも新宮駅前-鬼ヶ城系統を運行し、三重県熊野市まで足を伸ばしていた。

新宮-熊野市間は三重県最南端の地域にあたるが、市外局番は和歌山県扱いの073xであり、関西電力の管内で、関西の影響はかなり大きいようだ。ただしJR東海のエリアである(逆に、西部の伊賀地方は関西圏の一部で、JR西日本エリアであるにもかかわらず、市外局番は059x、中部電力の管内)。

ちなみに、かつて新宮駅から熊野市を経て国道169号下北山方面への奈良交通バスも運行されていて、新宮市内に奈良交通の営業所も設置されていた(したがって和歌山ナンバーの奈良交通バスも存在)。日本一の長距離路線バスで知られる八木新宮線(168号十津川経由)は現在も運行されており、ちょうど今、旧型のブルーリボン専用車(1992年式)引退を前に、ファンたちで賑わっている。


1992年春、「青春18きっぷ」で名松線の旅をする。

名松線(松阪-伊勢奥津間)は行き止まりローカル線だ。

もともと松阪と名張、さらには奈良県の桜井を結ぶことを目的に建設されたことから、「名松線」という路線名が付けられた。しかし、関西急行電鉄が大阪-伊勢間の路線(=近鉄大阪線)を開通させ、さっそく高速運転を始めたことから、国鉄名松線の名張延伸は実現せず、奈良県境手前の伊勢奥津(津市美杉町)で行き止まりとなった。

未成線区間の伊勢奥津-名張間は三重交通バスで結ばれてきたが、年々本数は減らされ、現在同区間のバスは1日1往復のみだ。

さて、名松線に乗ったのは1992年春の1度きりだった。
伊勢奥津駅で確か、名張行きのバスを2~3時間近く待った。
学生時代の当時、山の中の小駅で長時間待つのは、正直退屈以外のなにものでもなかった。
さらに、この日は天気もあまり良くなく、夕方から雨が降り出した。

しかし、今だったら、むしろ無人駅で途中下車して、1時間ほど景色を眺めたり周りをぶらりと散策するのも楽しいと思う。


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伊勢奥津駅前(2015年、バイクで訪問)


2015年秋、バイクで伊勢奥津駅前を訪れたときは、名松線は不通だったが、
駅舎は綺麗に改装され豪華になって観光センターを併設、観光客で賑わっていた。
ただし、駅構内の線路は棒線化され、往時に比べて寂しくなったようにも思う。

せっかくなので、SL時代の面影が残っていた当時の伊勢奥津駅構内をもっと味わっておけばよかった。

伊勢奥津駅前からのバスは、概ね名張川の流れに沿って国道368号線を走行し、一旦奈良県(御杖村)を掠りながら、名張市に踏み入れる。名張川はこの先、奈良県の月ヶ瀬村を経て京都府南山城村で木津川に合流する。伊賀盆地を源流とする木津川は八幡市付近で宇治川・桂川と合流して淀川となり、大阪湾に注ぐ。意外にも名張川は淀川水系であり、三重県の伊賀地方は関西圏だ。

名張駅前に到着後、近鉄電車の区間快速で桜井までワープし、桜井線に乗り換えて帰路につく。

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近鉄青山町駅前に停車中の三重交通(2006年8月訪問)。
富士重5Eか6Eのいすゞです。幕車というのが懐かしく感じます。
三重交通はかつて富士重ボディを架装した車両も多かったが、富士重のバス製造は中止になり、富士重ボディも残り少なくなりましたね。

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2007年6月に訪問しました。
三重交通も行先表示機のLED化が進んでいましたが、まだ方向幕も残っていました。
いすゞ(川崎車体)キュービックや富士重6Eもまだ現役でした。

松阪駅に隣接する「三交百貨店」は前年2006年の年末に閉店しました。
三交百貨店は伊勢市駅前にもあったが、一足お先に2001年ごろ閉店。
松阪駅前に新しい百貨店を誘致するとかの話もあるようですが、どうなることでしょうか?

2008年の新名神高速・亀山JCT-草津田上IC間開通を機に、京都から三重県方面への京阪高速バスが運行されるようになった。次の3路線系統

京都-伊勢
京都-津
京都-四日市

が新設され、三重交通・近鉄バスと3社で共同運行体制が敷かれる。京都市内では京都駅八条口(ホテル京阪前)と五条京阪に停車する。

京都伊勢線の新設は、近鉄の京伊特急にも大いに影響を与えたものと思われる。2012年の近鉄ダイヤ改正で京伊特急は大幅減便、京奈・京橿特急が大和西大寺まで併結という運行体系となった。しかし、2014年秋、京都「しまかぜ」が新たに設定され、京伊特急復活への布石として期待されている。これとは対照的に、高速バス京都伊勢線は2014年3月に運行終了となった。

京都-津・四日市系統については、鉄道では遠回りでやや不便なこともあって重宝されている。鉄道では遠回りの近鉄よりもむしろJR(関西本線・草津線経由)のほうが多いようだ。所要時間ではJRは普通列車のみで乗り換えは多いが、運賃は近鉄特急利用(大和八木乗り換え)とあまり変わらず、所要時間も距離が短い分、近鉄特急とほぼ互角だ。日帰りも十分可能で、「青春18」シーズンにはJRで往復すると非常にお得だ。

現在、近鉄バスは京都・三重高速線から撤退しており、京阪バスも四日市系統のみを担当している。

三重交通の長距離系統・上野山添線【60】・<天理駅前~国道山添~上野駅前>が10月1日から廃止されるという。

天理と伊賀上野(伊賀市)の間は名阪国道(国道25号線、自動車専用道)が通っているが、これに一般道の国道25号線が並行している。しかし一般道の25号線は2桁国道とは思えぬほど整備状態の悪い「酷道」であり、高速道路規格の名阪国道に対比して「非名阪」と呼ばれている。三重交通の上野山添線は主に名阪国道を経由しながら、途中の国道山添~五月橋~治田インター間は「非名阪」を走行する。

かつて、奈良交通でも天理と上野市駅を結ぶバスを運行していたが、2006年9月に廃止された。現在、三重交通が土曜・休日ダイヤのみに運行している。土日限定とはいえ、このような長距離路線系統が残っていることが奇跡的だ。

改正後も、国道山添で乗り継ぎながら、天理と伊賀市をバスで移動することは可能の模様。

これとは別に、三重交通の大阪伊賀高速線<新大阪BT・東梅田~上野市駅>が2005年より運行されている(阪神高速+西名阪+名阪国道経由)。

大阪市内から伊賀上野へは鉄道だと乗り換えが多く、やや遠回りとなって不便なので、直通バスの設定が望まれていた。かなり昔にも、近鉄バスの大阪阿部野橋~天理・伊賀上野系統(西名阪経由)があったらしい。特に阿部野橋~天理系統は1989年ごろまで一般路線車で運行されていて、阿部野橋で「天理ゆき」案内表示を時々見かけたような記憶がある。


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2009年10月、「スルットKANSAI 2Dayチケット」で名張へ旅行した帰りに、次の赤目口駅で途中下車してみました。赤目口駅は、赤目四十八滝への最寄り駅であり、三重交通バスが発着しています。

写真のバスは今もいるのでしょうか? 古めかしい車両だけど既に行先表示機がLED化されていますね。

赤目四十八滝から湧き出る水は、名張川・木津川を経て淀川へ合流し大阪湾に注ぎます。

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