京阪バス・京阪宇治交通の三菱ふそう一般路線車初の本格的冷房車MP117。
三菱ふそうMP117は1978年に登場し、1980年初頭まで納車されました。 6D20型エンジンのサウンドが新鮮で、以降今日まで40年以上にわたって続く大型車エアロスターの原型でした。車体は3メーカー、三菱自工(名古屋)・呉羽・富士重がありました。京阪宇治交通は呉羽のみだったが、京阪バスは3メーカー車体の車両を納入し、同じMP117ながら顔ぶれがバラエティに富んでいたのが面白かったです(ちなみに、阪急バスのMP117には西工42MC・同53MC・呉羽がいて、非冷房車もあったりと、やはりバラエティに富む形式だった)。
特に三菱自工の車体は従来のMR系(G4ボディというそうです)とは異なる斬新なデザイン(B35)で、「ブルドック」という名前で親しまれました。一方、呉羽のMP117はMR系と同じ車体をそのまま載せたもので、同年代の三菱自工「ブルドック」に比べ古い印象でした。ただ、1979年式のAタイプでは、後ろに直結式クーラーを搭載する関係で、後面のスタイルだけが近代的なものに進化。しかし、それも過渡的なものにとどまり、翌1980年以降、形式はK-MP118に更新と同時に、呉羽の車体も三菱自工「ブルドック」と全く同じデザインになりました(これは京阪バス・京阪宇治交通とも共通)。また、富士重は従来の3Eを架装したものでした。
京阪宇治交通では冷房化と同時に方向幕(前)大型化が採られたが、京阪バスは1年遅れて1979年より大型化。さらに京阪バスでは一般路線車Aタイプと観光兼用Bタイプ(比叡山線用もあり)があって、MP117たちは短いスパンにもかかわらず、車体スタイルの多彩さを放っていました。
MP117シリーズの各営業所ごとの分布状況は以下の通りだったと記憶しています。
【京阪バス】
枚方 三菱自工、呉羽(Aタイプのみ、1979年式は三菱自工のみ)
高槻 三菱自工、呉羽、富士重(Aタイプのみ、富士重は1979年式のみ)
山科・大津 三菱自工、呉羽、富士重(比叡山線用のBタイプもあり)
交野・寝屋川・門真 三菱自工が少数(Aタイプのみ)
香里団地 無し
洛南 無し?
【京阪宇治交通】
男山 呉羽
宇治 呉羽(どちらかといえば少数)
※高槻・山科・大津・男山は三菱ふそう車で統一されていた