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JR札幌駅前の商業ビル、ESTAが2023年8月31日をもって閉館となりました。

ESTAは1978年、札幌駅前国鉄バスターミナルの跡地に「札幌ターミナルビル」(札幌駅バスターミナル)として開業。そごう百貨店の北海道1号店、「札幌そごう」が核店舗として入居しました。札幌そごうは2000年閉店。その後、ESTAにはビッグカメラを核として、ニトリ・ユニクロ・ロフト他が続々入居。1階にはバスターミナルも入っていました。

しかし、建物の老朽化、および北海道新幹線札幌延伸開通に合わせ、ESTAとバスターミナルを一体的に建て替えられることが決まり、2023年8月をもって閉館。旧・ESTAは解体される予定です。


北海道新幹線札幌延伸開業に伴い、JR北海道から経営分離される予定のJR函館本線(函館-長万部-小樽間287.8km)。このうち、「山線」と呼ばれる長万部-小樽間(140.2km)は廃止がほぼ決定しています。

しかし、北海道~本州間の貨物列車が頻繁に往来する函館-長万部間までが廃止(JR北海道からの経営分離)になると、日本国内の物流・産業・農業に重大な影響をもたらすことになり、広範な分野の業界から心配の声が上がっていました。

鉄道貨物輸送は長距離・大量になるほど効率的で、正確な鉄道ダイヤに基づく安定的な輸送手段として優れていると言われます。仮にこれを消失するとなれば、日本の経済・生活への影響は計り知れず、北海道や国土交通省などが貨物列車を存続するよう、強く働きかけていました。2023年7月19日付のニュースで、函館-長万部間147.6kmが貨物路線として存続させる方向で、国土交通省・北海道・JR北海道・JR貨物の4者が調整すると報じられました。

設備管理維持費や人員確保など、解決すべき課題は多いですが、ぜひ存続を実現してほしいですね。

函館線、貨物維持へ 函館―長万部間 4者合意、
新幹線延伸後も 有識者会議で課題議論(北海道新聞)

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/879638



根室本線の急行列車【狩勝】について調べてみました。

地味ながら、根室本線の起点・滝川駅を経由して同本線を純粋に走行する急行列車で、私個人的に気になる存在でした。 そう、もともと札幌と釧路・根室を滝川経由で結ぶ急行列車で、石勝線が開通(1981年)するまでは根室本線の花形列車だったのです。列車名の由来は「狩勝峠」(石狩川と十勝川の分水嶺)から。

石勝線開通前の1980年4月当時、【狩勝】は以下4往復のダイヤでした。

(下り)
【狩勝1号】札幌 7:05 → 釧路 13:47 401D 
      旭川 7:57 ↑  (富良野線経由、富良野線内普通列車)
【狩勝3号】札幌 12:20 → 釧路 18:40 403D
【狩勝5号】札幌 18:30 → 帯広 22:42 405D
【狩勝7号】札幌 21:35 → 釧路 6:15 417(寝台車連結)

(上り)
【狩勝2号】帯広 6:50 → 札幌 11:27 402D
【狩勝4号】根室 8:32 → 札幌 17:53 404D
【狩勝6号】釧路 15:25 → 札幌 22:00 406D 
             ↓ 旭川 21:02 (富良野線経由、富良野線内普通列車)
【狩勝8号】釧路 21:30 → 札幌 6:33 418(寝台車連結)


上り【狩勝4号】のみ根室始発で根室本線を全線走破、1978年10月改正前は【(上り)ニセコ2号】として、さらに函館(小樽経由)まで足を伸ばす超ロングラン列車でした。昼間3往復(気動車)はいずれもグリーン車(キロ)連結でした。

1981年10月石勝線開通後、【狩勝】のうち札幌-帯広間昼行列車と札幌-釧路間夜行列車の各1往復が、石勝線経由に変更、列車名も【まりも】に改称されました。特急【おおぞら】は全て石勝線経由に変更。【狩勝】は2往復に半減し、以降ローカル急行に転落。根室本線を走る特急・急行は石勝線経由(札幌および新千歳空港からの最短ルート)にシフト、根室本線滝川-新得間はローカル線になってしまいました。1981年10月の時点では、根室始発の【狩勝】が辛うじて残るも、1984年2月ダイヤ改正で【ノサップ】と系統分離(釧路乗り換え)。

そして、国鉄最後の1986年11月ダイヤ改正で【狩勝】は1往復(札幌-釧路)だけに(帯広-釧路間普通列車)。既にグリーン車の連結もなくなり、普通車のみ2~3両編成のローカル色の濃い姿でした。

JR北海道への移行後も、しばらく急行【狩勝】1往復が走り続けるが、1990年9月には快速に格下げ。列車名の【狩勝】はそのまま残るも札幌直通は廃止、滝川・旭川-帯広間のみの運転となりました。運用車両もキハ40に。

その後、快速【狩勝】は2016年までほぼそのままのダイヤが踏襲されるが、同年夏の台風10号に伴う被災により、東鹿越-新得間が不通となり、余儀なく系統分断されてしまい、現在に至ります。根室本線不通区間の復旧の目処は立たず、廃止がほぼ決まっているようです。


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JR北海道のキハ183系およびキハ281系の引退が発表されました。

https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/220713_KO_183.pdf
https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/220713_KO_281.pdf

キハ183系は国鉄時代末期に運転開始、現在特急【オホーツク】【大雪】として活躍中です。JR北海道に残る数少ない国鉄型車両で、2022年度をもって運行終了。石北本線を運行する特急列車は、キハ283系に置き換えられます。

キハ281系は1994年、特急【北斗】(函館-札幌間)用にデビュー。JR北海道初の制御付き振子式気動車であり、最高時速130km/hに加え、曲線通過速度が本則より最大30km/h増という高速車両で、函館-札幌間を最短2時間59分で結んでいました。デビュー当時、【スーパー北斗】を名乗り、JR北海道の看板列車を飾ってきました。

キハ281系は2022年9月に定期運行を終了し、以降キハ261系に代替される予定。

キハ261系という形式そのものは1998年に導入されているが、現在まで24年間にわたって仕様変更を加えながら増備が続き、2022年4月現在、JRグループの特急型気動車としては最大両数(170両)を数えます。


今では「区間快速」という種別の列車が運転されているJR線も結構な数だけ存在するが、この種別名はもともと阪和線のみでした。

さっそく、阪和線の「区間快速」 ですが、停車駅は、

天王寺、堺市、三国ヶ丘、鳳-和歌山間各駅停車

で、天王寺-鳳間は快速、以遠各駅停車という位置づけです。私鉄でいえば「準急」または「区間急行」に相当する種別と言えます。国鉄時代末期の運用車両は主に103系、時折113系が入るという感じだったと思います。

国鉄時代は阪和線の専売特許だったのが、JR発足後、大阪・名古屋・札幌の各地で相次いで「区間快速」が登場します。

JR西日本(京阪神エリア)では、現在

阪和線、関西本線(大和路線)・大阪環状線、奈良線、片町線(学研都市線)・JR東西線、福知山線(JR宝塚線)

の各線において、「区間快速」が設定されています。

大和路線の「区間快速」は、大阪環状線内および王寺-奈良・加茂間各駅停車。大和路線~環状線直通の「区間快速」は朝と夕方以降の時間帯のみの運転で、以前は色違いの103系(ウグイス色、オレンジ色)が相互乗り入れしていたが、現在は221系(3ドア・転換クロス)に統一。103系の方向幕には「区間快速|大阪環状線」が追加され、なかなかのインパクトを感じました(文字数が多く、旧白幕の前面幕は詰めながら「大阪環状線」を目いっぱい2段表示していた)。

片町線・JR東西線では、以前終日にわたってJR宝塚線直通の「快速」が多く運転されていたが、近年の減便傾向のもと、日中の優等種別列車は塚口折り返しの「区間快速」(四条畷以東とJR東西線内各駅停車、快速運転は四条畷-京橋間のみ)のみ。東海道・山陽本線(JR神戸線)の西明石まで直通する「区間快速」もあるが、JR神戸線内は各駅停車の扱いです。運用車両は207・321系(4ドア・ロングシート)。

JR宝塚線・大阪駅発着系統については、最近まで【丹波路快速】が主体的だったが、2020年3月以降、日中は【丹波路快速】に代わり、宝塚以遠各駅停車の「区間快速」(新三田または篠山口折り返し)に置き換えられました。大阪発着の「区間快速」は塚口には止まりません。運用車両は主に223・225系(3ドア・転換クロス)を使用。

名古屋エリア(JR東海)では、東海道本線・武豊線・関西本線で「区間快速」が設定されています(武豊線内は各駅停車)。武豊線電化前は、キハ75系の「区間快速」なんかもありました(関西本線の急行【かすが】専用編成も充当されていたはず。【かすが】ではるばる奈良まで足を伸ばし、大阪環状線直通の103系「区間快速」と顔合わせしていただろうことを思うと・・・)。

札幌エリアでは、函館本線の【いしかりライナー】(小樽-札幌-岩見沢)が正式に「区間快速」を名乗るが、2020年3月で廃止。停車駅は次の2つのパターンがありました。

1)手稲-札幌間快速運転(停車駅:手稲、琴似、札幌)
2)札幌-江別間快速運転(停車駅:札幌、白石、大麻、野幌、江別)




JR千歳線は沼ノ端~白石(~札幌)間の本線と南千歳~新千歳空港間の支線から成る路線。札幌近郊路線かつ北海道の玄関・新千歳空港へのアクセス鉄道ということで、全線複線電化(交流)されており、JR北海道の屋台骨を支えています。 また、札幌を起点に室蘭本線経由で室蘭や函館、南千歳から石勝線~根室本線経由で帯広・釧路を結ぶ特急列車も行き交い、北海道有数の特急街道でもあります。

千歳線を走る普通・快速列車は基本的に電車(721・731・733系ほか)で運用されるが、周辺の非電化路線などから直通する一部の普通列車は気動車使用です。

千歳線を走る普通列車には1往復だけ面白いものがあります。それは室蘭本線に跨って札幌~東室蘭間を直通する列車。全線電化区間を走るにもかかわらず、気動車(キハ143)が使用されるのです。該当列車は、

東室蘭 20:39   → 札幌  23:10 2819D
札幌  06:18   → 東室蘭 09:08 2724D


短い2両編成で、東室蘭-苫小牧はワンマン運転。以前は711系電車で運用されていたそうです。下り・札幌行きは夜の時間帯にあたるため、車窓の風景を楽しむことはできないが、長距離鈍行気分を味わうには良いでしょう。千歳線内では、特急や快速【エアポート】に何本も抜かされます。

室蘭本線・千歳線は函館方(南行き)が「上り」、札幌方(北行き)が「下り」ですが、東京を基準にしたものでしょう。関西エリアでも、西日本最大都市・大阪市内を基準に、東方向の京都・奈良方面は、より東京に近いことから「上り」となっています。


私個人的に、例えばこんな「青春18きっぷ」の使い方をしてみれば面白いと思っています。

1)京阪神各地~(航空機)~新千歳空港~北海道周遊
この使い方はなかなかメジャーでしょう。京阪神各地を起点に、関西空港あるいは神戸空港までJR西日本ほかを利用、航空機で一気に北海道へ飛び、新千歳空港駅改札で関西の駅スタンプの入った「青春18」を呈示するというものです。

自分もこのルートで札幌を訪れたことは何度かあるが、次の機会には「青春18」を使って道内各地をもっと広く回ってみたいです。

北海道の鉄道の大部分の存続が危ぶまれる状況であり、北海道新幹線札幌開通後、並行在来線の函館本線なども先行き不透明ですね。

帰りは逆に、記念に北海道の駅スタンプを入れてもらって、同日関西空港や三ノ宮の改札でそのきっぷを呈示して223・225系などに乗車するとき、特別の感慨深いものがありそうです。

2)松阪駅から東紀州へ
近鉄で松阪までワープし、松阪から「青春18」で紀勢本線を南へ進んで尾鷲・熊野市方面へ日帰り旅行。京阪神エリアからJRの普通列車だけで三重県東紀州への日帰りは、かなりハードなスケジュールになりそうなので、片道だけでも早くて便利な近鉄と組み合わせるのが賢明。関西エリアばかりでなく、松阪や津など三重県の駅のスタンプも入ると面白いでしょう。

3)高速バスと組み合わせて四国日帰り
京阪神エリアから香川県(うどん県)や徳島県への「青春18」日帰りは可能ですが、岡山・瀬戸大橋経由しか選択肢がなく、しかも距離的に遠回りなので結構時間がかかります(特にネックは相生~岡山間)。

そこで、片道だけ高速バスで京阪神~四国を(鳴門大橋経由で)ワープ。本数も多く運賃はリーズナブルです。ここで往路は高速バスを利用し、四国の駅で「青春18」にスタンプを押してもらうのも面白いと思いました。私個人的に、ぜひ金比羅山で有名な琴平駅でスタンプを押してもらう経験をしたいと思っています(高松市内から琴電(ことでん)に揺られて琴平へ向かう)。

数年前まで枚方・寝屋川~徳島間の高速バスがありましたが・・・。

4)「奈良・斑鳩1Dayチケット」(山陽全線版)と組み合わせて鳥取日帰り
「青春18」と私鉄との組み合わせ旅行も面白いと思いました。実は以前、「スルッとKANSAI 3Dayチケット」と組み合わせて、鳥取日帰り旅行をしたことがあります。

山陽全線版の「奈良・斑鳩1Dayチケット」(2,900円)は山陽電鉄全線・神戸高速線・阪神全線と京阪奈エリアの近鉄(奈良・京都線など)が自由に乗り降り可能。事前購入が前提ですが、枚方市から出発の場合、近鉄丹波橋の改札機にこれを通して京都駅へ赴き、山陰本線で一路鳥取を目指します(途中、園部・福知山・豊岡・浜坂などで乗り換え)。

鳥取からの帰りは智頭急行で佐用または上郡までワープするほうが早く、姫路から先「奈良・斑鳩1Dayチケット」を本格的に使いこなします。直通特急+快速急行で一気に近鉄奈良まで乗り通し、奈良を少し楽しんだあと、再び近鉄に乗って新田辺でJR学研都市線に乗り換えるマニアックなルートで枚方に帰ります。当日、京都・兵庫・鳥取・岡山・大阪・奈良の6府県を巡ることになりますね。



今更ながら、時間のある学生時代のうちに北海道のローカル線に乗っておくべきだったと後悔しています。

これまでの人生数十年の間、札幌および近郊エリアには時々訪問する機会もあるが、それ以外のエリアは未知の世界です。

ここ数年の間、北海道のローカル線廃止の動きが再び強まり、既に深名線、池北線(=北海道ちほく高原鉄道)、留萌本線(留萌-増毛)、札沼線(北海道医療大学-新十津川)、日高本線(鵡川-様似)が地上から姿を消しています。根室本線富良野-新得間も2016年台風の甚大災害を受け長期間運休が続いており、このまま廃線も危ぶまれています。

さて、私の学生時代当時、北海道を自由に周遊するのなら、やはり周遊券を買うことになるでしょう。道内の特急自由席やJRバスも利用可能で、なかなか訪れにくい道北・道東エリアを重点的に回れば良かったように思います。日高本線の様似からJRバスで襟裳岬を回り十勝平野へ抜けたり、(札沼線)~新十津川~(徒歩)~滝川~(函館本線)~深川~(深名線)~名寄という乗車ルートも可能だったし、もちろん最北の稚内・宗谷岬、そして最東端の地・根室に足を踏み入れる。それから留萌本線は増毛で他路線との接続がない末端ローカル線なので、高速バスで札幌へワープすると便利でしょう。

北海道に出入りするルートは、少なくとも片道は航空機を使うほうが時間を節約できて疲れも少ないでしょう。鉄道(JR)を使うのなら、うまいこと急行列車を乗り継ぐプランとして、東京経由だと【銀河】【東海】【八甲田】【津軽】などが周遊券で乗車可能でした。日本海縦貫ルートだと、新潟まで【きたぐに】に乗車することになるが、そこから先定期急行列車が壊滅状態なので、青森まで普通列車乗り継ぎの旅をするしかありません(日本海の絶景を堪能しながらの旅も良いだろう)。


「桂川」駅は、廃止されたものも含め全国に3つ存在します。

○JR筑豊本線・篠栗線(福岡県嘉穂郡桂川町)

○JR東海道本線(京都市南区)

○ JR函館本線(北海道茅部郡森町) →廃止


読み方ですが、九州の「桂川」は「けいせん」、他2つは「かつらがわ」です。

函館本線の「桂川」駅は2017年廃止されました。もとは信号所として設置され、1979年より桂川仮乗降場となったのち、1987年JR北海道発足と同時に桂川駅に昇格しました。駅名の由来は、「かつてカツラの大木が密生していたための名称」とも言われています(太田幸夫)。正式駅「桂川」としての歴史は、JR発足からちょうど30年間の短命でした。

東海道本線(JR京都線)の「桂川」駅は2008年開業と新しいです。JR西日本の京阪神エリアにおける相次ぐ新駅開業攻勢のもとで設置されました。近隣の阪急京都線「洛西口」も2003年開業と比較的新しいですね。

一番歴史が古いのは、福岡県の「桂川」駅ということになりますね。もとは1901年に九州鉄道の「長尾駅」として開設されるが、1940年「桂川駅」に改称されます。その後、1968年には筑豊地区と福岡市内(博多)を短絡する篠栗線が全通し、桂川駅は篠栗線の正式起点となります。なお、町名の「桂川町」は「けいせんまち」と読みます。



JR北海道の花咲線(根室本線釧路-根室間)。

「単独では維持困難」な路線の一つであるが、存続に向けて、通常1両の列車を2両にする試験運行が8月1日に始まりました。費用は根室市の負担とのことで、9月27日までの土日・祝日を中心に1日2往復する予定だそうです。

新型コロナ感染の全国的再拡大の中、公共交通・観光地を含めどこの業種も赤字で阿鼻叫喚。そんな中、「3蜜を避けられる」ことを打ち出して、ローカル線の列車編成増強により利用促進を図るという取り組みは、地味ではあるが面白いと思いました。この実験が功を奏して、鉄道輸送に対する信頼感・安心感を見直すきっかけになれば良いですね。地元だけの負担では限界があるだろうから、国がもっと積極的に支援すべきでしょう。


「3蜜避けられます」 JR花咲線 2両編成の列車運行開始(北海道新聞)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/446236







 


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JR北海道の721系近郊型電車。

721系はJR北海道発足の翌年・1988年に登場。

JRとしては最初の3ドア・転換クロスシートでした。JRの3ドア・転換クロスシート車は、翌年以降、JR西日本221系、JR東海311系、JR九州811系が相次いで登場。特にJR西日本の221系は旧来の国鉄型スタイルを打ち破り、私鉄王国関西を席巻するほどのインパクトが強くて斬新な車両デザインが高く評価され、1990年にローレル賞を受賞しました。

JR北海道の721系は、「3ドア・転換クロス」では221系などと共通ですが、客用扉は片開きで、両端の扉は車端部近くに寄っており、酷寒冷地らしく国鉄時代以来の伝統で、扉付近に仕切りが設置されるなどの点で、他社の3ドア近郊型電車と異なります。

JR北海道には国鉄時代に711系近郊型電車が投入されましたが、711系は2扉デッキ付きで急行型車両に準じた構造であり、利用客の増加する札幌近郊区間においては乗降が不便で、都市鉄道にふさわしい車両が求められていました。そこでJR発足から1年後に作られたのが721系。北海道では初めての3ドア車でもありました。

その後も札幌近郊区間では利用客の増加が続き、731系からは3ドア・ロングシートを基本として投入されるようになりました。721系は登場から30年前後経過しており、影が薄くなったように見えます。新千歳空港アクセスの快速「エアポート」でも、現在ではロングシート(自由席)の733系が多く使用されます(指定席車は回転リクライニングのUシート)。

721系にももちろんUシート車が連結されています。


「モトトレイン」とは、 オートバイを積み込める列車のこと。

かつて、国鉄時代末期~平成初期の間、本州・北海道間でモトトレインが運行されていました。運行ルートに、

上野~青森(急行【八甲田】に連結)
大阪~青森~函館(特急【日本海】に連結)

などがあったようです。運用初年は1986年で、毎年夏季のみの運行。荷物列車廃止で余剰となったマニ50をバイク運搬専用客車に改造し、寝台列車の最後尾に連結するというものでした。1988年青函トンネル開通前は、青森~函館間は青函連絡船で航送という形だったが、以降は函館まで直接乗り入れることに。1998年ごろに運用終了となった模様です。

バイクを列車で運んでもらう間、酒飲んで寝台車で一夜明かすことができるのも、モトトレインの魅力だったでしょう。

青函トンネルに新幹線が通るようになって、在来線の旅客列車が事実上通行不可となりました。さらに新幹線の札幌延伸後、新幹線増発&スピードアップのために青函トンネル経由の貨物列車を大幅削減しようという動きもあり、高速輸送の可能な鉄道貨物がなくなることで北海道の農業・産業に大打撃を与えかねないとして、怒りと不安の声が渦巻いているようです。


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JR北海道の731・733系近郊型電車。
快速<エアポート>をはじめ、札幌近郊各線の電化区間の主力となっています。
3ドア・片開き、ロングシートの仕様となっています。

国鉄・JRの北海道の車両は、もともと通勤型のロングシートとは無縁でしたが、1997年の731系およびキハ201系以降の一般型車両はロングシートが基本となっています。新千歳空港アクセスの快速電車にもロングシート車が当たり前のように運用されています。空港アクセスゆえ大きい荷物が多いことから、むしろ乗降性の良いロングシートのほうが快適かもしれません。

なお、快速<エアポート>には座席指定のUシートが連結されており、指定料金追加で快適なリクライニングシートに座ることができます。南海の特急サザンと似たような感じですね。ちなみに、関空からの南海の空港急行には、4ドアロングシート車のみが使用されています(JRの関空快速は223・225系3列転換クロス)。



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大型の台風21号が過ぎ去り一安心していたら、昨日9月6日未明、北海道で震度6強の地震が発生しました。

深刻な被害状況がメディアやSNS等で伝えられております。
道内の広域停電は1週間続く見込みであり、インフラ・都市機能はマヒ状態となっています。
スマホ・携帯も充電できず、最新の情報が入りにくい状況とのことです。

被害にあわれた方のお見舞いを申し上げます。
そして一日も早い復旧・復興を心から願っています。

また、数日間は震度6級の余震にもご注意くださいとのことです。
 


「ら」で始まる駅名を挙げる問題は、難易度が高いです。

「ら」で始まるJRの駅名は、

来迎寺(らいごうじ) : 信越本線(新潟県長岡市)
礼拝(らいはい)   : 越後線(新潟県柏崎市)
蘭越(らんこし)   : 函館本線(北海道磯谷郡蘭越町)
蘭島(らんしま)   : 函館本線(北海道小樽市)
蘭留(らんる)    : 宗谷本線(北海道上川郡比布町)

の5つだけで、新潟県と北海道のみに集中しており、西日本には皆無(廃止された国鉄駅に徳島県の鍛冶屋原線羅漢駅があった)。北海道ではいずれも「蘭」という漢字で始まっているのも特徴で、「室蘭」という都市もありますね。

私鉄の駅には、

洛西口(らくさいぐち)      : 阪急京都線
楽々園(らくらくえん)      : 広島電鉄宮島線
嵐電嵯峨(らんでんさが)     : 京福電鉄嵐山本線
嵐電天神川(らんでんてんじんがわ): 京福電鉄嵐山本線

の4つが挙げられ、全て西日本にあります。「洛西口」「嵐電嵯峨」「嵐電天神川」がいずれも京都市内(西京区、右京区)に所在していることは興味深いと言えます。私個人的に、「洛西口」はすぐ思いついたが、「嵐電xx」までは気づきませんでした。

「ら」で始まる駅名リスト(Wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/Category:%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E9%89%84%E9%81%93%E9%A7%85_%E3%82%89



北海道の駅名ネタについて一つ書いてみたいと思いました。

「南千歳」と「南平岸」について。

この似たような駅名について、面白い共通点があります。


まず、南千歳。

JR千歳線・石勝線の駅であり、新千歳空港駅への地下支線も分岐しています。
「南千歳」駅は、「千歳空港」駅として1980年10月千歳線電化と同日開業しました。
国鉄初の空港連絡駅であり、開通予定の石勝線の信号所を駅に格上げしたものです。
旧・千歳空港ターミナルと旧・千歳空港駅が連絡歩道橋で結ばれていました。

「千歳空港」駅開業は、北海道の国鉄・JRにとって歴史的な変革だったと言えます。
従来、本州・北海道連絡は青函航路利用を前提として、広域的な列車体系が組まれていました。しかし、東京・北海道間の旅客は大型航空機へ9割が移転、もはや国鉄には勝ち目がないと判断。そこで、本州・北海道連絡は航空機にお任せ、道内入りをする航空機利用客を取りこみ、札幌市方面をはじめ道内の国鉄だけでも利用してもらう営業戦略へ抜本的転換、函館中心から札幌に重心を置いた列車体系に刷新します。

「千歳空港」駅開業の翌年1981年、札幌と帯広・釧路など道東方面への短絡を目的に石勝線が開通。従来は滝川から根室本線に入り富良野経由で迂回していたのが、千歳空港駅から石勝線を経由、新得から根室本線に入ることにより、本州各方面から道東への利便性も確保され、一石二鳥と言えます。

1992年、新千歳空港併用開始に伴い、新旅客ターミナルビル開業。合わせて、旧・千歳空港駅から新千歳空港駅への分岐支線が開通、「千歳空港」駅は「南千歳」に改称されました。


次に南平岸。

札幌市営地下鉄南北線の駅名であり、元は「霊園前」として開業しました。

南北線は、1972年札幌五輪に合わせ、前年1971年に札幌の地下鉄で最初に開通した路線です。
南部郊外区間の南平岸-真駒内間は札幌地下鉄唯一の地上高架区間(旧・定山渓鉄道の廃線跡)で、車窓の西側からは藻岩山を眺望することもできるが、雪を防ぐためにシェルターで覆われ、独特の景観を形成しています。

「霊園前」という駅名となったのは、付近に市営平岸霊園があるため。

しかし、地元住民から「縁起が悪い」と不満の声も強かったようで、1994年10月東豊線福住延伸に合わせたダイヤ改正と同日に、「南平岸」に改称されました。
もしかしたら、2年前の「南千歳」改称を真似たんでしょうか(笑)?


JR札沼線の末端区間、北海道医療大学-新十津川間の廃止が提案されていましたが、このほど空知管内月形町長が廃止を容認する意向を固めたとのことです。

沿線4町のうち、月形町では月形高校通学など日常的な利用者が多く、維持存続を強く求めていましたが、月形町が今回廃止容認に転じたことで、沿線自治体は札沼線の廃止容認に大きく傾き、一部バス転換となる見通しになりました。

北海道のローカル線でありながら、札沼線は札幌近郊を通るため、札幌口では通勤通学客が増加、「学園都市線」の愛称も付けられ、2012年に桑園-北海道医療大学間が電化され、都市鉄道へ脱皮。これとは対照的に北部末端区間は利用客が非常に少なく、浦臼-新十津川間は1日1往復のみの運転となっています(しかも日帰り往復が不可能)。

札沼線の末端区間は石狩川を挟んで函館本線が並行しており、かつては新十津川から先、石狩沼田まで延びていて留萌本線と接続していました(札幌と石狩沼田を結んでいたことから「札沼線」と名づけられている。新十津川-石狩沼田間は1972年廃止)。

札沼線廃止、バス転換へ 道医療大ー新十津川 月形町が容認(北海道新聞)



JR北海道の経営危機のニュースが尽きない中、一つ前向きのニュースが出ました。

新千歳空港駅の大規模改修をするといいます。
すなわち、苫小牧や道東方面への直通が可能なように、駅を千歳線の本線に組み込む形で苫小牧側に貫通させるほか、道東方面への直通も可能にするよう石勝線も新千歳空港駅に乗り入れるというものです。早ければ2022年の完成を目指すとしています。


新千歳空港駅、路線改修へ 苫小牧・道東方面が直通に 22年の完成目指す(北海道新聞)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/185916/

 国土交通省がJR北海道の新千歳空港駅と周辺について、大規模改修の検討に着手したことが1日、同省関係者らへの取材で分かった。駅を千歳線の本線に組み込む形で苫小牧側に貫通させるほか、石勝線を接続する構想。実現すれば道東や苫小牧方面への接続の利便性が大幅に向上するほか、経営難にあえぐJRの増収効果も期待される。事業費は1千億円規模とみられ、早ければ2022年の完成を目指す。政府高官も構想を把握しており、検討が順調に進めば19年度の概算要求で調査設計費が計上される可能性もある。

 構想では南千歳―新千歳空港間(単線、2・6キロメートル)について、苫小牧側への貫通のほか、複線化を行う。帯広・釧路方面に通じる石勝線の起点も南千歳駅から新千歳空港駅に変更する。



JR発足から31年が経過しました。

かつては国鉄として全国各地を広域に結ぶ列車も数多く運転されていたが、1987年の分割民営化以降、 新幹線を除きJR会社境界を跨ぐ列車は減少傾向にあります。現在、JR会社を越境する在来線の列車がどれだけ存在するのか、ここで挙げてみたいと思います。

まず、JR北海道とJR他社を結ぶ列車。
JR発足1周年の1988年に青函トンネルが貫通、瀬戸大橋開通とともに北海道から四国・九州までレールがつながる記念すべき年でした。さっそく青函トンネル経由青森と函館を結ぶ快速<海峡>(50系客車+電気機関車牽引)の新設、東北本線<はつかり>の函館直通、上野~札幌間の寝台特急<北斗星>および札幌~青森間の急行<はまなす>登場、そして大阪からの寝台特急<日本海>函館直通など、バブル経済の最盛期もあって華々しい内容でした。その後、JR西日本が不定期で<トワイライトエクスプレス>を大阪-札幌間に運行、なかなか予約の取れない人気列車として有名でした。

その後、2002年東北新幹線新八戸延伸に伴うダイヤ改正で快速<海峡>は特急に格上げとなり、本州・北海道連絡列車は全て特別料金が必要となります。

さらに、青函トンネルには東北新幹線を新青森から延長する形で北海道新幹線が通ることに決まります。2016年の新幹線新函館開通以降、本州と北海道を在来線で結ぶことは困難となりました。これに先行して、2006年に函館<日本海>廃止、人気の<トワイライトエクスプレス><北斗星>は2015年春のダイヤ改正で廃止。そして2016年春には最後の定期急行<はまなす>が廃止されました。よって、本州・北海道間の在来線直通列車は皆無となりました。

一時期、JR東日本が今流行りの豪華寝台特急の走りとも言うべき「夢空間」を作り、上野から北海道各地へのスキー列車(トマム方面へ石勝線・根室本線にまで直通)などに使用されました。なお「夢空間」は上野から上越・北陸本線経由関西や西日本へも遠征しており、山陰の出雲市まで営業運転したこともあります(小浜・舞鶴・山陰本線経由)。


Twitterで拾った情報によると、札幌の駅弁が12日から営業停止になっているとのこと。

JR北海道の危機的状況といい、先が心配・・・

https://twitter.com/nekonekocyan/status/940631928180375553

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