カテゴリ: 大阪バス


かつて、大阪市東部郊外エリアの吹田と八尾を結ぶ路線バス(吹田八尾線)が、国鉄・阪急・近鉄・京阪4社によって運行されていました。主に大阪府道旧2号【中央環状線】を走行、途中千里丘・守口・門真・八戸ノ里などを経由するルートでした。両者間を直接結ぶ鉄道は存在しないため、バスの需要はかなりのものだったと思います。

しかし、1970年大阪万博開催の頃をピークに、慢性的な道路渋滞の影響などにより、利用客は減少。運行区間の縮小・減便を重ね、大阪モノレール門真市延伸開業(1997年)までに全廃され、現在に至ります。その後、2019年にJRおおさか東線(城東貨物線を旅客線化)が新大阪まで開通、かつての路線バス吹田八尾線の目的は、おおさか東線が担っていると言えます。

さっそくですが、2022年現在可能な吹田~八尾間のバス乗り継ぎルートを調べてみました。

【ルート1(内環状線・布施経由)】
JR吹田      ~ 豊里 ほか  (京阪バス【9A】)
豊里        ~ 布施駅前   (大阪シティバス【86】)
布施駅南口     ~ 近鉄八尾駅  (大阪バス布施八尾線)

【ルート2(今里筋経由)】
JR吹田      ~ 土居     (京阪バス【9A】)
守口車庫前     ~ 地下鉄今里  (大阪シティバス【35】)
地下鉄今里     ~ 加美東三丁目北 (大阪シティバス【19】系統)
加美東三丁目北   ~ 久宝寺緑地   (徒歩)
久宝寺緑地     ~ 近鉄八尾駅   (大阪バス布施八尾線)

【ルート3(萱島経由)】
JR吹田      ~ 摂南大学    (京阪バス【9A】)
摂南大学      ~ 寝屋川車庫前  (京阪バス【5】【11】【12】ほか)
寝屋川車庫前    ~ 京阪萱島駅   (京阪バス【14】)
萱島        ~ 近鉄八尾駅前  (近鉄バス【39】【44】)


【ルート1】(布施経由)が距離的に最短、かつ本数も多くて、乗りやすいと思います。

【ルート2】は、以前投稿した天王寺~八尾間乗り継ぎルート の1ルートと重なる部分があります。

せっかくなので、近鉄バス萱島線を有効に使えないものかと思って調べてみました。すると、京阪バス【9A】号経路が摂南大学(寝屋川市)までロングランであることに注目。ここが大きなポイントでしょう。やや遠回りルートだが、摂南大学から京阪バスをさらに2本乗り継いで、萱島で近鉄バスに乗り換えてしまえば、一気に近鉄八尾まで到達します(その代わり、所要時間はかなりかかります)。

【ルート3】の変形版として、次も挙げられます。

【ルート4】
JR吹田      ~ 上鳥飼     (阪急バス【31】)
上鳥飼       ~ 上鳥飼北    (徒歩)
上鳥飼北      ~ 寝屋川車庫前  (京阪バス【12】)
寝屋川車庫前    ~ 京阪萱島駅   (京阪バス【14】)
萱島        ~ 近鉄八尾駅前  (近鉄バス【39】【44】)


近鉄八尾駅から、さらに近鉄バス【70】番に乗り継げば、大和川を渡って藤井寺まで行けます。藤井寺駅から先、

http://katanogawara.blog.jp/archives/38593667.html

を参考に徒歩連絡も含めてうまく工夫すれば、堺市や富田林市まで足を伸ばすことも可能です。


かつて、大阪阿部野橋(天王寺)~八尾間には、近鉄バス志紀線が走っていました。また、平野駅~八尾間には旧・大阪市営バス(→大阪シティバス)も運行されていましたが、軒並み撤退。八尾市内を走る近鉄バス路線そのものも大幅縮小されてしまい、大阪市内~八尾市間のバスでの移動はかなり難しくなりました。 

さっそくですが、2022年現在可能な乗り継ぎルートを挙げてみたいと思います。

(ルート1)
あべの橋     ~ 布施駅前    (大阪シティバス【12】系統)
布施駅南口    ~ 近鉄八尾駅   (大阪バス布施八尾線)

(ルート2)
あべの橋     ~ 平野宮前    (大阪シティバス【1】系統)
平野宮前     ~ 加美南南口   (大阪シティバス【9】系統)
加美南南口    ~ JR久宝寺駅  (徒歩)
JR久宝寺駅   ~ 近鉄八尾駅   (近鉄バス【7】番)

(ルート3)
あべの橋     ~ 平野宮前    (大阪シティバス【1】系統)
平野宮前     ~ 加美東三丁目北 (大阪シティバス【19】系統)
加美東三丁目北  ~ 久宝寺緑地   (徒歩)
久宝寺緑地    ~ 近鉄八尾駅   (大阪バス布施八尾線)



(ルート1)の布施経由が乗り継ぎ本数も少なく、最もやさしいルートだと思います。

(ルート2)「加美南南口」バス停は中央環状線・新家歩道橋交差点付近にあり、大阪市と八尾市との境界です。ここから久宝寺駅まで数百メートルで徒歩も十分可能。その足でJR大和路線に沿ってJR八尾駅まで歩くのもさほど苦痛ではないと思いますが、近鉄八尾駅へは少し距離があるので、バスに乗りたいところ。

(ルート3)は(ルート1)と(ルート2)を合成した感じのもの。「久宝寺緑地」バス停の場所が少しわかりにくいかもしれません。かつて、平野駅前と近鉄八尾駅前を結ぶ大阪シティバス(【9A】系統)が久宝寺緑地前の府道5号線を通っていました。

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久宝寺駅・久宝寺緑地付近地図

他に出戸バスターミナル~八尾南経由のルートなども考えられるが、ここでは割愛します(各自精査をお願いします)。

大阪バス(布施八尾線)についての詳細は、下記の記事などもご覧いただければ幸いです。

大阪バス 東大阪・八尾市内路線について
http://katanogawara.blog.jp/archives/39836115.html



東大阪市・八尾市内をカバーするバスといえば、近鉄バスが思い浮かぶでしょう。

しかし、近鉄バスの東大阪・八尾市内路線は縮小傾向が続き、バス空白地帯が年々拡大しているようです。 その隙を埋めるかのように、近年「大阪バス」という新興バス事業者の新路線開通が相次いでいます。

2022年3月現在、東大阪市・八尾市内にて運行されている大阪バスの路線は以下4路線です。

【俊徳道駅・近畿大学線】
俊徳道駅~近畿大学東門前

【布施八尾線】
布施駅南口~俊徳道駅~JR長瀬駅~大蓮本通商店街~久宝寺緑地~シティ信金八尾西支店前~久宝寺住宅前~近鉄八尾駅
(急行バスあり、急行バスは俊徳道駅通過)

【東大阪西地区循環バス】
俊徳道駅~布施駅南口~高井田中央駅~東大阪市役所前~市立東大阪医療センター

【八尾志紀線】
JR志紀駅~アクロスプラザ~八尾税務署前~八尾徳州会病院前~アリオ八尾~近鉄八尾駅


運行本数はいずれも、毎時1本以下程度で多いとは言えないが、集客の見込める主要商業施設・公共施設・病院前を通るように経路設定されています。運賃は通常の路線バスと同じ相場です。

時刻表・運賃などの詳細は、公式ホームページ
http://www.osakabus.jp/shinai/
をご覧ください。


大阪と和歌山市を結ぶ高速バス、「和歌山特急ニュースター号」

大阪バスとクリスタル観光との共同運行で、2020年7月より運行開始のニューフェイス。

途中の停留所は、

大阪空港~大阪駅~和歌山駅東口

で、 所定9往復ですが、2020年8月17日より4往復が運休中。

所要時間は、大阪空港~和歌山間で2時間ジャスト、大阪駅~和歌山間1時間30分。

運賃は

大阪空港~和歌山 大人 2,400円
大阪駅~和歌山  大人 2,200円

ですが、各種割引もあります。

JR【紀州路快速】(大阪~和歌山間)の運賃1,270円よりは高く、所要時間はほぼ互角ですが、混雑しやすいJRの快速に比べ、高速バスは座席確保が確実であり、その分の価値はあると言えます(JRの特急利用だと新大阪発の【くろしお】しかない)。

また、大阪伊丹空港と直結していることも、ポイントでしょう。



大阪バスが、2020年8月24日より東大阪市のJR・近鉄俊徳道駅~近畿大学東門前間のシャトルバスを運行開始。

所要時間15分(ノンストップ)、運賃は大人100円。しかも大阪初の市内路線バスとしてスマホ決済PayPayが利用可能です。

近畿大学東大阪キャンパスへの最寄り駅は近鉄大阪線長瀬駅。駅前から大学まではいわゆる「学生街」であり、安くて美味い食堂が並んでいます。

現在ではJRおおさか東線開通に伴い、おおさか東線経由での通学ルートも成立。ただ、おおさか東線の駅からは少し離れており、やや不便ではあります。

今回、俊徳道駅~近大東門系統の運行開始は、JRおおさか東線経由で通学する近大生には朗報でしょう。

http://www.osakabus.jp/wp-content/uploads/2020/08/202008171427.pdf



大阪バスの高速路線を一つ紹介したいと思います。

大阪バス株式会社は貸切観光バス事業と高速バス事業を中心に行うバス事業者。東京バスグループの中核企業です。本社は東大阪市。2002年に前田観光自動車(本社・京都府福知山市)が大阪西鉄観光バス(本社・大阪市平野区)の資産を西日本鉄道から買収して、「大阪バス株式会社」が設立されました。

今回紹介するのは、京都特急(東大阪~京都)。

京都特急は東大阪布施駅~京都駅(八条口)間を結ぶもので、2011年3月運行開始。近畿道~第二京阪を走行します。第二京阪全線開通の翌年で、東大阪市と京都を結ぶバスが登場するとはびっくりでした。当初、1日17往復の運行でした。その後「東大阪長田駅」「高速京田辺」「高井田中央駅」「大阪城・ホテルニューオータニ大阪」「祇園四条」などの停留所も追加されます。

しかし、2018年より減便傾向の時代に入り、2020年7月現在、平日6往復、金・土・日・祝日は8往復の運行です(内1往復はニューオータニ大阪~祇園四条駅、1往復はニューオータニ大阪~京都駅、他は東大阪布施駅~京都駅間)。運行会社も実際には複数の系列会社の分担です。運賃は片道1,000円~。

大阪バス東大阪~京都系統の登場に追随する流れで、2013年8月近鉄バスが八尾・京都特急線を運行開始することになります。

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